使用頻度が高いということもあって、トイレに落としたり流したりしてしまいがちなナプキンやおりものシートなどの生理用品。
実際、便器の中に落としてしまったことがある方やつい流してしまったことがあるという方も多いのではないでしょうか?
この記事では、ナプキンやおりものシートなどの生理用品がトイレの詰まりを引き起こす原因になる理由に触れながら、正しい対処法について紹介していきます。
事態を悪化させる可能性があるやりがちなNG行動についても紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。
ナプキンはトイレに流せない異物!詰まりの原因に
ナプキンをトイレに流すと、以下のような理由でトイレで詰まりが発生する可能性があります。
- ナプキンやタンポン、おりものシートは溶けるものではない
- ナプキンは水を含むと膨らむ性質がある
- テープ面が配管に貼り付く可能性がある
それぞれ詳しく解説していきます。
ナプキンやタンポンやおりものシートは溶けるものではない
ナプキンやタンポン、おりものシートは、女性が生理になった際に出る血やおりものを吸収し、下着につかないようにするための製品です。
水分に強く作られているため、トイレットペーパーのように水に溶けて分解されるようなことはありません。
そのため、トイレに落としたり流してしまったりした場合、溶けずにトイレの内部や排水管に引っかかるなどして詰まりの原因となってしまいます。
ナプキンは水を含むと膨らむ性質がある
ナプキンは、水に溶けないだけでなく、水を含むと膨らむという性質もあるため注意しなければいけません。
ナプキンには水を含むと膨らむ吸水性のポリマーが用いられているため、便器の中に落とすなどして水につかると膨らんでトイレの内部や排水管を内側から圧迫する可能性があります。
膨らむことで配管を損傷する危険性がありますし、膨らんだナプキンによって水の流れが悪くなったり、トイレットペーパーや排泄物が引っかかることでトイレが詰まったりすることがあります。
テープ面が配管に貼り付く可能性がある
ナプキンの表面には小さくまとめて捨てられるようにテープが配置されています。
処分する際に重宝するこのテープですが、トイレに落とした拍子にテープ面が剥がれて配管に貼り付く可能性があります。
配管に貼り付いてナプキンが詰まった場合、その後トイレを使用したときに流れてくるトイレットペーパーや排泄物も徐々に詰まっていくことになるため注意が必要です。
ナプキンが原因のトイレ詰まりを解消する方法
ナプキンが原因のトイレ詰まりを解消する場合、まずはバケツで水を入れて詰まりの状態を確認し、それから適切な方法で対処する必要があります。
また、対処法はナプキンが目視できる場合とできない場合とで異なります。
それぞれのケースにおける具体的な対処法について解説していきます。
バケツで水を入れて詰まりを確認する
ナプキンを落としてしまったときや流してしまったときは、まず詰まりが発生しているかどうかを確認することが先決です。
バケツなどを使って便器に水を流し入れ、水位の変化を確認しましょう。
水位が上がらない場合は問題ありませんが、水位が上がる場合は詰まりが発生している可能性があります。
このときレバーで水を流すとナプキンが奥に流されてしまい、状況が悪化する可能性があるので、レバーで水を流すのは避けるようにしてください。
ナプキンが目で見える場合
ナプキンが目視できる位置にある場合の対処法はとてもシンプルで、手や割り箸などを使って取り出すだけです。
ただ、便器の中は雑菌だらけで不衛生ですし、手にけがをしている場合は傷口などから雑菌が入りこんでしまう可能性があるので、必ずゴム手袋やビニール手袋を装着した状態で作業するようにしてください。
また、棒などで取り出そうとすると失敗してナプキンを奥に押し込んでしまう可能性があるので、割り箸などナプキンをつまめるもので作業するようにしましょう。
目視できない場合
落としたり流したりしてしまったナプキンが、目視できない場所で詰まってしまっている場合は、手や割り箸で取り出すことはできません。
そのため、以下のような方法で対処することになります。
- 針金ハンガーで取り出す
- ワイヤーブラシで取り出す
それぞれの対処法について解説していきます。
針金ハンガーで取り出す
ワイヤーブラシなどの製品がない場合は、針金製のハンガーを加工してナプキンを取り出しましょう。
針金ハンガーによる対処法の具体的な手順は以下のとおりです。
- ハンガーを1本の針金にする
- S字の部分をかぎ状にする
- 排水口からハンガーを入れ、ナプキンを取り出す
まずはペンチを使ってハンガーを1本の針金の状態にします。
S字の部分はそのままだとサイズが大きいので、より細くなるよう、かぎ状に加工しましょう。
後はトイレの排水口からハンガーを入れ、詰まっているナプキンを探すだけです。
ナプキンが引っかかったら、ハンガーを引っ張って取り出しましょう。
ワイヤーブラシで取り出す
針金ハンガーよりも扱いやすく、トイレを傷つけずに対処できるのがワイヤーブラシです。
ワイヤーブラシでナプキンを取り出す際の手順は以下のとおり。
- 便器の中の水を汲み出す
- 排水口からワイヤーブラシを少しずつ押し込んでいく
- 回転させたり前後に動かしたりしながらナプキンの場所を探って取り出す
まず作業しやすいように便器の中の水をある程度汲み出したら、ワイヤーブラシを少しずつ入れていき、ナプキンの位置を探ります。
このとき、回転させたり前後に少しずつ動かしたりしながら探るようにすると、ナプキンがより引っかかりやすくなります。
ナプキンが引っかかったら、引っ張り出して処分しましょう。
慌てないで!ナプキンをトイレに落とした際のNG行動
ナプキンでトイレが詰まるとつい慌てて対応してしまいがちですが、詰まりを悪化させるなどNGな行動もあるため注意しなくてはいけません。
ナプキンをトイレに落としたときにやるべきではないNGな行動としては、以下の4つがあげられます。
- 大丈夫だろうとそのまま放置する
- とりあえずレバーで水を流す
- 熱湯を流して溶かそうとする
- ラバーカップを使用する
それぞれの行動がなぜNGなのかについて解説していきます。
大丈夫だろうとそのまま放置する
ナプキンをトイレに流してしまった場合、「水が流れるから大丈夫だろう」と考えてそのまま放置するのはNGです。
しばらく放置するという対処法は、水に溶ける性質があるトイレットペーパーや排泄物によるトイレの詰まりに対しては有効ですが、水に溶けないナプキンによる詰まりには効果がありません。
紹介したとおり、ナプキンには水を含むと膨らむという性質もあるので、放置することで状況を悪化させてしまう可能性すらあります。
自分で対応できない・対応したくない場合は、決して放置せず、業者に依頼して対応してもらうようにしましょう。
とりあえずレバーで水を流す
トイレが詰まると「とりあえずレバーで水を大量に流せば自然と解消されるだろう」と考える方がいますが、どういった詰まりであってもその対応はNGです。
水を含むと膨張するという性質があるナプキンの場合、水を大量に流すことで膨張を加速させ、状況を悪化させてしまう可能性があります。
また、水を流すとナプキンが配管の奥へと流されていき、自力では取り出せなくなってしまう危険もあるので、レバーで大量に水を流すのは避けるようにしましょう。
熱湯を流して溶かそうとする
トイレットペーパーや排泄物による詰まりに対して有効なお湯を流し入れる方法も、ナプキンでトイレが詰まったときにやってはいけないNGな対処法の一つです。
水に強く吸水性の高い素材でできているナプキンは、お湯をかけても溶けることはありません。
「温度の高い熱湯なら溶けるのでは?」と考える方もいるかと思いますが、熱湯でもナプキンを溶かすことはできません。
また、60度以上の熱湯をかけると便器が割れたり破損したりする可能性があるので、この方法での対応は避けるようにしましょう。
ラバーカップを使用する
トイレが詰まったときによく用いられるラバーカップ(すっぽん)ですが、ナプキンによる詰まりをラバーカップで解消することはできません。
ラバーカップはトイレットペーパーや排泄物など水に溶けるものによる詰まりには有効ですが、ナプキンなど水に溶けないものによる詰まりには効果を発揮しません。
効果を発揮しないどころか、ナプキンを奥に押し込んで状況を悪化させてしまう可能性があるため、ラバーカップの使用は避けるようにしましょう。
ナプキンを落としてトイレ詰まりが発生したら業者へ依頼
実際にナプキンによるトイレの詰まりが発生した場合は、業者に依頼して対応してもらうのが一番です。
先ほど紹介した方法で対処できる場合もありますが、より確実な解決を求めるのであれば業者に依頼して修理してもらうようにしましょう。
以下では、業者に依頼する際に押さえておきたい費用の目安と業者選びのポイントについて解説していきます。
業者へ依頼した場合の費用目安
ナプキンによるトイレの詰まりの修理を弊社にご依頼いただいた場合の費用の目安は以下のとおりとなっています。
修理の内容 | 基本料金 | 作業費 | 合計 |
高圧ポンプ | 3,300円 | 5,500円 | 8,800円 |
高圧洗浄機 | 27,500円 | 30,800円 |
ただ、こちらの金額はあくまでも一例です。
トイレの詰まりを修理する際にかかる費用は、現場の状況やどういった方法での対応が必要になるかを確認してからでないと正確な金額を算出することができません。
そのため、現場を確認させていただき、見積もりの内容を確認していただいてからご依頼いただく形になります。
失敗しない業者選びのポイント
ナプキンによるトイレの詰まりを業者に依頼して修理してもらう場合、どの業者に依頼するかが非常に重要になってきます。
あまり調べず適当に業者を選んでしまうと、悪徳業者にあたり高額な料金を請求されることもあるので注意が必要です。
そこで押さえておきたいのが業者選びのポイントですが、業者を選ぶ際は以下5つのことを意識しながら選ぶようにしましょう。
- 費用
- 見積もり料の有無
- 口コミ
- 契約書や見積書を発行してくれるかどうか
- 格安をうたっておらずホームページに料金表を載せている
これらに注目しながら選ぶようにすれば、悪徳業者に引っかかるような失敗は避けられるので、ぜひ意識しながら業者を選んでみるようにしてください。
まとめ
ナプキンは水に溶けない製品で水を含むと膨らむという性質があるため、トイレの詰まりの原因になることがあります。
実際に詰まってしまった場合は、ナプキンが目視できるかできないかで対応方法が異なるので、今回紹介した内容を参考にしながら対応するようにしてください。
また、NGな対処法もあるので注意が必要です。
対処法を試してみても詰まりが解消されない場合や自分で対応するのが難しい場合は、無理に自分で対応しようとせず、業者に依頼して対応してもらうようにしましょう。
以下の記事では、その他の主なトイレつまりの原因についてまとめていますので、困ったときはぜひ参考にしてみてください。