ウォシュレットから水が出ないと「故障したのかな?」と不安になりますよね。また、使えないのは不便なので、すぐに直ってほしいと思うもの。
しかし、ウォシュレットから水が出なくなる原因と対処法は単純ではありません。電源の問題から、リモコンの電池切れ、あるいは水量設定の調整不足など、さまざまな理由が考えられます。
この記事では、ウォシュレットの水が出ない一般的な9つの原因を掘り下げ、それぞれに対する適切な対処法を紹介します。ウォシュレットの水が出ない問題を自分で解決できるようになるため、ぜひ読んでみてください。
ウォシュレットから水が出ない9つの原因と対処法
ウォシュレットから水が出ない場合、以下に挙げる9つの問題が考えられます。
- 電源が入っていない
- リモコンの電池が切れている
- 水量が低めに設定されている
- 止水栓が閉まっている
- ノズルがつまっている
- 着座センサーが汚れている
- 給水フィルターがつまっている
- ウォシュレットが便器からずれている
- ウォシュレットが故障している
こうした原因を一つずつ確認し適切な対処を行うことで、問題が解決する可能性があります。
そこで以下では、この9つの原因それぞれについて、詳しく説明していきます。
電源が入っていない
ウォシュレットから水が出ないとき、まず電源が入っているかどうかを確認しましょう。電源が入っていないと水は出ません。
もしウォシュレットから水が出なかったら、コンセントがしっかり挿さっているか、ブレーカーが落ちていないかをチェックしましょう。また、電源プラグが「切」の状態なら「入」にしたり、リセットボタンを押したりする必要があります。
電源が入っているかどうかは、ウォシュレット本体にある運転ランプが点灯しているかを見て確認してください。
リモコンの電池が切れている
リモコンで操作するウォシュレットの場合、リモコンの電池が切れてしまいウォシュレットから水が出ないことが考えられます。
リモコンが反応しないときにまず考えられるのは、電池が切れていることです。電池交換は簡単で、リモコンの背面カバーを開け、古い電池を取り出し新しいものに交換するだけです。
交換後もリモコンが機能しない場合は、リモコン自体の故障やウォシュレット本体との通信に不具合があると考えられます。この場合、メーカーのサポートセンターへ問い合わせしてください。
リモコンの電池交換は定期的に行うことで、突然の不便を避けることができます。
水量が低めに設定してある
ウォシュレットの水量が低めに設定されていると、十分な量の水が出ないことがあります。
ほとんどのウォシュレットには水量の調節機能が備わっており、使う人が自分の好みに合わせて水量を増減させることができます。設定方法はモデルによって異なりますが、一般的にはリモコンまたはウォシュレット本体にあるボタンで調整します。
水量が十分でないと感じたら設定を確認し、必要に応じて調整してみてください。水量を調整しても問題が解決しない場合は、ウォシュレットの故障や水圧の問題が原因である可能性がありますので、この場合もメーカーに相談することをおすすめします。
止水栓が閉まっている
ウォシュレットを使用するためには、まず給水が必要です。しかしながら、止水栓が閉まっていると水が流れません。
止水栓の位置はトイレのモデルによって異なるため、使用しているトイレの型番を基に操作方法を確認することが重要です。
多くの場合、止水栓はトイレの近く、特にタンクの下部やサイドに設置されています。止水栓を見つけたら、慎重に回して開けてください。操作方法に不安がある場合は、メーカーのウェブサイトや取扱説明書で確認することをおすすめします。
ノズルがつまっている
ウォシュレットのノズルが動いているにもかかわらず水が出ない場合、ノズルのつまりが原因である可能性が高いです。ノズルは水質やトイレの使い方によって汚れが溜まりやすい部分です。そのため定期的に掃除するようにしてください。
多くのウォシュレットにはノズル掃除機能が備わっており、この機能を使って簡単に清掃できます。
ノズルがうまく機能しない、水が弱々しくしか出ないなどの症状が見られたら、ノズルの先につまりがある可能性が考えられます。つまりの原因は、時間と共に硬化した尿の結晶やカビなどです。
こうしたノズルのつまりを取り除くには、以下の方法で掃除をしてみてください。
- ウォシュレットのリモコンで「掃除」ボタンを押し、ノズルを引き出す
- 洗剤を軽く吹きかける
- 歯ブラシを使って、ノズルの先や噴射口の汚れを丁寧に取り除く
- ノズルから水がスムーズに出るかテスト
- ノズルを収納するエリアを、掃除シートでキレイに拭き取る
ノズルの詳細なお手入れ方法は、ウォシュレットの説明書にも記載されていますので、ぜひチェックしてみてください。
ノズルがまったく出てこない場合もあります。そんな時は、一度コンセントを抜いて10秒ほど待ち、再度差し込んでみてください。それでも改善されない場合は、ウォシュレットが故障している可能性がありますので、専門業者への修理依頼を検討しましょう。
着座センサーが汚れている
ウォシュレットの多くは、人が座ったことを検知して機能が作動する仕組みになっています。しかし着座センサーが汚れていると、正確に人の着座を感知できず水が流れにくくなることがあるので注意しましょう。
こうした不具合を起こさないためには、着座センサー部分の掃除が必要です。センサー部分を清潔にしておくことで、ウォシュレットは正常に動作します。
センサーの清掃には、硬く絞った雑巾を使用し優しく拭き取るようにしましょう。清掃後も問題が解決しない場合は、センサーの故障も考えられます。
給水フィルターがつまっている
ウォシュレットの給水フィルターが目詰まりしていると、水の流れが悪くなり結果として水が出なくなることがあります。
給水フィルターは水道から来る細かな汚れをキャッチする部分ですが、塞がってしまうと水を通さなくなってしまうので定期的な掃除が必要です。
給水フィルターの掃除方法の手順は以下のとおりです。
- ウォシュレットの電源プラグをコンセントから抜く
- 止水栓を閉じて水の供給を止める
- フィルターの下に、用意した「水受け」を設置
- フィルターを外す
- 取り外したフィルターを水で洗い、歯ブラシを使って優しく丁寧に汚れをり落とす
- きれいになったフィルターを元の位置に戻し、しっかりと固定
- 止水栓を開いて、水の供給を再開
給水フィルターの場所はウォシュレットによって違いますので、掃除を始める前に手持ちのモデルの取扱説明書で確認してください。
ウォシュレットが便器からずれている
ウォシュレットが便器からずれている場合、着座センサーが正しく機能せず水が出ないことがあります。
これは多くの場合、便器のずれによりウォシュレットの固定が緩んでいることが原因です。便座の裏側をチェックし、固定用のネジが緩んでいないか確認してください。
もしウォシュレットの便座がぐらついていると感じたら、下記の方法で裏側のネジを締め直しましょう。
- ウォシュレットの電源プラグを抜く
- ウォシュレット本体にある「本体はずしボタン」を押しながら、本体を前に引き出す
- ベースプレートのボルトにプラスドライバーを使って、しっかりと締める
- すべてのボルトを締めた後、カチッと音がするまでウォシュレットを元の位置に押し込んで戻す
ウォシュレットがベースプレート式でない場合や、ネオレストシリーズやZシリーズのように異なるタイプであれば、製品の取扱説明書を参照して適切な対処方法を確認してください。
ウォシュレットが故障している
上記の方法を試しても問題が解決しない場合、ウォシュレット自体が故障している可能性が考えられます。
特に電源が入らない、ボタンが反応しない、異常な音がするなどの症状が見られる場合は、故障の可能性が高いです。この場合はメーカーのサポートセンターに連絡し、修理または交換の手続きを行ってください。
ウォシュレットの故障は専門の技術者による対応が必要ですので、無理に自分で修理しないようにしましょう。
ウォシュレットが故障しているときは水道修理業者に依頼する
ウォシュレットが故障してしまったなと判断できる場合は、専門の水道修理業者に連絡してください。
水道修理業者に依頼すれば、より効率的かつコストを抑えてウォシュレットを再度使えるようになります。
ウォシュレットのメーカーにも修理依頼は可能ですが、急いでいる場合やできるだけコストを押さえたい場合は、水道修理業者の利用がおすすめです。
実際に依頼する際は、以下のように、相手が信頼できる業者かどうかを見極めた上で利用してください。
水道修理業者の選び方のポイント
優良な水道修理業者を見極めるポイントとして、以下が挙げられます。
- 作業実績は豊富か
- 口コミはよいか
- 料金体系は明確か
- 事前見積もりが可能か
まず作業実績の豊富さを確認してください。長年にわたって多くのトラブルを解決してきた経験があるなら、幅広い問題に対応できる可能性があります。
次に、顧客からのポジティブな意見や口コミがあるかどうかを探してみましょう。こうした声はその業者のサービス品質を表しています。
また、料金体系が明確であることと事前に正確な見積もりが得られるかどうかも重要です。こうした基準を満たす業者であれば、安心して修理を依頼できます。
ウォシュレットの修理費用の相場
ウォシュレットの修理費用は、故障の種類や修理の難しさによって異なります。一般的な故障であれば、比較的低い予算で済みますが、部品の交換が必要な場合や、複雑な修理が必要な場合は、費用が高くなります。
故障部分・種類 | 金額(目安) |
リモコン | 13,000円~30,000円 |
着座センサー | 15,000円~40,000円 |
ノズル | 13,000円~23,000円 |
本体の電気制御基板 | 15,000円~40,000円 |
水漏れ修理 | 20,000円~ |
ウォシュレット・温水洗浄便座自体の交換 | 50,000円~140,000円 |
修理費用相場の目安としては、簡単な修理であれば数千円から、部品交換などが発生する修理であれば数万円になることもあります。
かかる費用は業者や故障の状況によって異なりますので、修理を依頼する前に、複数の業者から見積もりを取得し、比較しておきましょう。また、日頃から定期的なメンテナンスを行うことで、大きな修理が必要になるリスクを減らすこともできます。
ウォシュレットの交換時期は?
一般的に、ウォシュレットの交換時期は約10年とされています。この期間を目安にして、使い勝手や機能性に不具合が出始めたら、新しいモデルへの交換を考えてみましょう。
ウォシュレットが2〜3年で故障する場合は、まだ寿命とは考えにくいため修理を検討してください。しかし、10年を超えるとウォシュレットの不具合の頻度が増えてくるものです。
経年劣化による不具合は、修理費用がかさんでくる可能性があります。特に、古いモデルのウォシュレットは、部品の入手が難しくなりがちです。こうした場合、部品交換の費用が予想以上に高くつくこともありますので、新しいモデルへの交換を検討する方がコスト的にベストであることもあります。
ウォシュレットを使っていると、その便利さと快適さにすぐに慣れてしまいますが、いつかは交換の時期が訪れます。
ウォシュレットの技術は年々進化しており、新しいモデルでは節水機能や高度な掃除機能など、さまざまな新機能が搭載されています。使用環境や利用頻度にもよりますが、ぜひ10年を目安に使用状況を見直し、適切な時期におけるトイレの刷新を考えてみてください。
ウォシュレットは自分で交換できる?
専用の工具を持っていれば、自分でウォシュレットの交換を行うことが可能です。自分で作業を行うことにより、取り付けなどを業者に依頼した場合よりも費用を節約することができます。
しかし、自分でウォシュレットを取り付ける場合にはリスクがあることも知っておきましょう。たとえば、ウォシュレット本体や給水管を傷つけてしまったり、水漏れを引き起こすリスクが挙げられます。こうしたリスクを考慮して、取り付けに自信がない場合は専門の水道修理業者に依頼することを検討してください。
ウォシュレットの取り付けに必要な工具や手順は、多くの場合製品に同梱されている取扱説明書に記載されています。また、インターネット上には、具体的な取り付け方法を解説しているウェブサイトや動画もあります。こうした情報を頼りに自分で対応する自信がある場合は、DIYによるウォシュレットの交換を進めるのもいいでしょう。
専門業者に依頼する場合とコスト面で比較すると、自分で交換するメリットは大きいものの、作業中に何らかの問題が起きたら自己責任となります。そのため、状況に応じて自分で交換するか専門家に依頼するかを慎重に判断してください。
ウォシュレットを長持ちさせるためのコツ
ウォシュレットを長持ちさせ、快適に使い続けるためには、以下3つのコツがあります。
- 定期的に掃除をする
- ウォシュレットに尿がかからないようにする
- 掃除には中性洗剤を利用する
こうしたコツを習慣づけることでウォシュレットを長期間にわたって使い続けられるのです。以下ではウォシュレットを長持ちさせるためのコツについて、それぞれ詳しく解説していきます。
定期的に掃除をする
ウォシュレットの性能を維持し続けつつ、快適に使い続けるには定期的な掃除を心がけましょう。
定期的な掃除をする上で特に注意が必要なのは、ノズル、給水フィルター、着座センサーなど、直接肌に触れる部分や水の流れに関する部分の対応です。
こうした部分は汚れやカルキが溜まりやすく、放置することでウォシュレットの機能低下や故障の原因になります。
定期的な清掃を行うことで、機能低下や故障の原因が発生することを予防し、修理費用の節約にも繋がります。特にノズルについては、ほとんどのウォシュレットには自動洗浄機能が備わっていますが、月に一度は手動で丁寧に掃除することをおすすめします。
掃除には中性洗剤を利用する
ウォシュレットを掃除する際には、中性洗剤を使いましょう。ウォシュレットはプラスチック製品であるため、アルカリ性や酸性である強い洗剤を使用するとトイレやウォシュレット本体を傷めたり、色褪せや劣化を早めたりする恐れがあります。
中性洗剤はトイレまわりの素材に優しく、効果的に汚れを落とすことができます。掃除の際は、柔らかい布に中性洗剤を少量つけ優しく拭き取るようにしましょう。強くこすると表面を傷つける可能性があるため注意が必要です。
ウォシュレットに尿がかからないようにする
ウォシュレットのノズルや着座センサーに尿がかかると、時間の経過とともに尿石が形成されやすくなり、故障の原因となることがあります。
特に男性が使用する際は、立って使用すると尿がノズルに直接かかりやすくなるため、座って使用することをおすすめします。こうした日々の気遣いにより、尿が直接ノズルに触れることを防ぎ、故障を未然に防ぐことにつながるのです。
また、小さな子どもがいる家庭では、使用後は便座を閉じる習慣をつけることで、誤ってノズルに触れることを事前に防げるため取り入れてみてください。
まとめ
ウォシュレットから水が出ない問題は、家庭内で発生しがちなトラブルの一つです。
今回紹介した9つの原因とその対処法を理解すれば、ウォシュレットから水が出ない問題が発生したときにスピーディに対処することが可能となります。
ウォシュレットから水が出ないときは、電源の確認からリモコンの電池交換、各部の掃除・調整、そして最終的に故障であると判断するまで、水が出ない原因と思われる部分を一つずつ確認することが重要です。
こうした段階を踏むことで、多くの場合専門業者などへの依頼前に自身で解決することができます。
しかし、問題が解決しない場合は、適切な修理や交換のために専門業者の手を借りることをおすすめします。ウォシュレットを長持ちさせるためのコツを実践し、日常的なメンテナンスを心掛けることで、ぜひ快適なトイレ環境をキープしてください。