糖尿病の方や高血圧の方など、普段から薬を服用しているという方は少なくないかと思いますが、これらの薬の影響によってトイレが詰まってしまうケースもあるため、薬を服用している方は注意しなくてはいけません。

この記事では、薬がどう影響してトイレの詰まりを引き起こしてしまうのかという点に触れながら、普段から実践できる詰まりを防ぐ方法や実際に詰まってしまったときの対処法についてまとめているので、ぜひ参考にしてください。

糖尿病や血圧の薬でトイレ詰まりが起きる理由

糖尿病や血圧の薬などの薬でトイレの詰まりが発生しやすくなる主な理由としては、以下の2つがあげられます。

  • 薬の副作用で便が硬くなる・粘度が強くなる
  • 節水式トイレで流れる水の量が少ない

それぞれの理由について詳しく解説していきます。

薬の副作用で硬くなる・粘度が強くなる

病院で処方される医療用の薬を服用すると、症状の軽いものから重いものまで何かしらの副作用が出ることがあります。

発生する副作用の症状はさまざまですが、便秘がちになって便が硬くなったり、便の粘度が強くなったりするなど、排泄物に影響が出るケースも少なくありません。

便の粘度が強くなると、トイレの内部や排水管にへばりついて流れが悪くなるため、最終的に詰まってしまいます。

また、便秘によって便が硬くなると溶けづらくなるため、同様に詰まりの原因となることがあるのです。

節水式トイレで流れる水の量が少ない

水道代の節約につながる人気の節水トイレやスタイリッシュなデザインが人気のタンクレストイレですが、節水式トイレは流れる水の量が通常のトイレよりも少ないというデメリットがあります。

紹介したとおり、薬を日常的に服用している人の便は硬かったり粘度が強くなりがちなので、余計に詰まりが発生しやすくなります。

また、節水のためにタンクにペットボトルを入れてかさ増ししていたりする場合も同様です。

浄化槽の作用に薬が影響することも

戸建てや集合住宅などの住宅には、必ず浄化槽が設置されています。

浄化槽は、排泄物などの固形物を取り除き、微生物の働きによって浄化された排水を海や川に排出するための設備です。

先ほど紹介したとおり、薬を日常的に服用している方の便は通常の便とは異なる状態であることが多いため、浄化槽の作用に影響を及ぼしてしまうことがありますし、排出先となる海や川の水質を低下させてしまうこともあります。

糖尿病や血圧の薬でのトイレ詰まりを防ぐ方法

糖尿病や血圧の薬など、普段服用している薬でトイレの詰まりを発生させないための対策法としては、以下の6つがあげられます。

  • 腸内環境を改善する
  • 定期的に配管の洗浄を実施する
  • 少し時間を置いて便をふやかして流すようにする
  • トイレットペーパーをダブルからシングルに変える
  • トイレットペーパーの使用量を減らす
  • 節水対策をしない

それぞれの対策方法について解説していきます。

腸内環境を改善する

便秘になると便が硬くなり、流れづらくなるため、詰まりの原因となってしまう可能性があります。

薬の影響で便秘がちになっている場合は、腸内環境を整え、便秘を解消するようにしましょう。

腸内環境が改善されると便秘は解消されますし、便も硬くなりづらくなります。

食生活の見直しで腸内環境を整えるのはもちろん、薬の影響によって便秘がちになっている場合は医師に相談して便秘用の薬を追加で処方してもらうなどの対処法もおすすめです。

定期的に配管の洗浄を実施する

薬の影響によって硬くなった便や粘度の強い便は、トイレの内部や排水管に少しずつ堆積していき、やがてトイレの詰まりを発生させます。

排水管などにこびりつく粘度の強い便は特に注意が必要です。

便の堆積による詰まりを避けたいのであれば、定期的に配管の洗浄を実施し、トイレの内部や排水管に便が溜まっていない状態を維持するようにしましょう。

トイレの配管の洗浄は市販の洗浄薬でもおこなえますし、業者に高圧洗浄を依頼して徹底的に綺麗にすることもできます。

少し時間を置いて便をふやかして流す

薬の影響によって便が硬くなってしまっているようなケースでは、トイレの後にすぐ水を流すのではなく、少し放置して、便をふやかしてから流すという方法も有効です。

便は水に溶ける性質があるため、しばらく放置していると少しずつ分解され、柔らかくなっていきます。

便秘のときの便は硬くて流れづらく、その硬さが詰まりの原因となるため、少し柔らかくするだけでも詰まりは発生しづらくなります。

便を放置するのは気分のいいものではありませんし、同居人がいる場合は配慮が必要になりますが、便秘がちの方はぜひ意識してみてください。

トイレットペーパーをダブルからシングルへ変える

トイレで使用するトイレットペーパーには、紙が二重になっているダブルタイプのものと、紙が二重になっていないシングルタイプのものがあります。

普段からダブルタイプのトイレットペーパーを使用している方は、シングルタイプのものに変えることで詰まりを防ぐことができるのでおすすめです。

紙が二重になっているダブルタイプのトイレットペーパーは、紙の厚さも2倍になるので、トイレットペーパーを使いすぎてしまう傾向がある方は特に注意が必要です。

また、外国製のトイレットペーパーは厚手のものや水に溶けにくいものが多く、薬を服用している方との相性が悪いので、日本製のシングルタイプのものに変更することをおすすめします。

トイレットペーパーの使用量を減らす

非常にシンプルかつ基本的な方法ではありますが、トイレットペーパーの使用量を減らすのも効果的です。

薬の影響によって便が硬くなったり便の粘度が強くなっている方の場合、トイレットペーパーの量が多いとどうしても詰まりやすくなってしまいます。

そのため、トイレットペーパーの使用量を意識して、少しでも詰まる可能性を減らすことが重要になるわけです。

ウォシュレットを使用するとトイレットペーパーの使用量が減る傾向があるので、ウォシュレットの導入や活用も検討してみてください。

節水対策をしない

トイレのタンクにペットボトルを入れたり、トイレの後に流す水の量を意図的に少なくしたりするなどの節水対策をおこなっているのであれば、それらの過度な節水対策を控えるようにしましょう。

これらの方法を実践すると、流れる水の量が少なくなり、排泄物をしっかりと流しきることができなくなるため、詰まりが発生しやすくなります。

現状で節水トイレやタンクレストイレを導入しているお宅の場合は、この方法は実践できないので、ここまでに紹介してきた別の方法を試してみましょう。

薬が原因のトイレ詰まりしてしまった場合の対処法

普段服用している薬の影響でトイレの詰まりが発生してしまった場合の対処法としては、以下の2つがあげられます。

  • ラバーカップやパイプクリーナーを使用する
  • 業者を手配する

それぞれの対処法について詳しく解説していきます。

ラバーカップやパイプクリーナーを使用する

服用している薬の影響によるトレイの詰まりは、ラバーカップや真空式パイプクリーナーを使って解消できます。

使用方法は以下のとおりです。

  1. トイレの中の水を汲み出す
  2. 先端をトイレの排水口に押し当てる
  3. 押し込んで引っ張る動作を何回か繰り返す

どちらも基本的な使用方法は同じで、押し込んで引っ張る動作を繰り返すことで詰まりの元をトイレの内部や排水管から引き出し、詰まりを解消します。

詰まりの元となっている便を引き出し、詰まりが解消されたのが確認できたら、改めて流して処理しましょう。

業者を手配する

自分で対処しても詰まりが解消されない場合や、詰まりが繰り返されてしまう場合は、業者に依頼して対応してもらいましょう。

先ほど紹介したラバーカップや真空式パイプクリーナーを用いる方法では、詰まりを解消できないようなケースもありますし、これらは一時的な対処法なので、便の堆積などの問題を根本的に解消することはできません。

トイレの修理業者に依頼し、適切な方法で原因を根本から解消してもらうようにしましょう。

まとめ

薬には副作用があり、その副作用の影響で便の粘度が強くなったり便が硬くなったりすることがあります。

粘度の強い便や硬い便はトイレの詰まりの原因となることもあるので、糖尿病や高血圧の方など、薬を日常的に服用している方は注意が必要です。

今回紹介した日常的におこなえるトイレの詰まりを防ぐ方法を実践しつつ、実際に詰まってしまった場合はラバーカップや真空式パイプクリーナーを使って対処するようにしましょう。

また、自分で対処するのが難しい場合や詰まりが常態的に発生する場合は、業者に依頼して対応してもらうようにしてください。

以下の記事では、その他の主なトイレつまりの原因についてまとめていますので、困ったときはぜひ参考にしてみてください。

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