二日酔いや体調不良のときに嘔吐する場所としてトイレを使用しているという方は少なくないかと思います。しかしゲロによってトイレが詰まることもあるため注意しなくてはいけません。

この記事では、なぜゲロでトイレが詰まるのかを解説しつつ、実際に詰まったときにできる対処法を紹介していきます。

「嘔吐したくなったときにトイレが使えないなら、代わりにどこで吐けばいいの?」という疑問にも答えているので、ぜひ参考にしてください。

ゲロでトイレが詰まるのは本当?

「うんこが詰まらずに流れるならゲロも流れるでしょ」と簡単に考えている方も多いかと思います。

もちろん、問題なく流れていくこともありますが、ゲロはうんこなどの排泄物より詰まりやすいため「詰まらない」という考えは正すべきです。

ゲロでトイレが詰まるケースとしては、以下の3つがあげられます。

  • 食べ物がうまく消化されていない
  • 1日に何回も吐いてしまう
  • トイレットペーパーやトイレシートと一緒に流している

それぞれ詳しく解説していきます。

消化されていない食べ物はトイレに詰まる

排泄物と吐瀉物には、「消化されていない」という明確な違いがあります。

排泄物は消化器官を通って消化された上で排泄されるため、水に溶けやすく、トイレもその特性をふまえて設計されています。

一方、吐瀉物は消化される前のもので、固形の食物や油など水に溶けないものが含まれるものです。

そのため、流れづらく、トイレの内部や配管に堆積していき、最終的にトイレを詰まらせてしまいます。

1日に何回も吐くと詰まる

ゲロは、よほど多く吐かない限りトイレを詰まらせてしまうようなことはありません。

ただ、1日に何回も吐いたり、吐く場所としてトイレを日常的に使っていたりする場合は注意が必要です。

吐く回数や吐く量が多かったり、吐く場所としてトイレを日常的に使っていると、トイレの内部や排水管に徐々にゲロが堆積して詰まりを発生させる可能性があります。

また、堆積した食物や油により、トイレットペーパーやトイレクリーナーなど他の要因による詰まりが発生しやすくもなります。

トイレットペーパーやトイレシートと一緒に流すと詰まる

トイレットペーパーやトイレシートは水に溶ける性質があるため、基本的に詰まることはありません。

ただし、ゲロと一緒に流すと詰まる可能性があるため注意が必要です。

例えば、ゲロをトイレットペーパーに包んで流すとトイレットペーパーが溶けづらくなって詰まる可能性がありますし、床に吐いたゲロや便器についたゲロを拭いとったトイレクリーナーをトイレに流すと詰まる可能性があります。

ゲロでトイレが詰まった時の対処法

実際にゲロでトイレが詰まってしまったときの主な対処法としては、以下の4つの方法があげられます。

  • ラバーカップを使う
  • 真空式パイプクリーナーを使う
  • ラップを使用する
  • ワイヤーブラシを使って掃除する

それぞれの対処法について詳しく解説していきます。
また、これらの対処法はあくまでも一時的な対策方法なのでこれまでの嘔吐がトイレの内部や排水管に堆積して発生する詰まりへの対処法ではありません。

堆積した汚れによる詰まりはトイレ内部や排水管の本格的な掃除が必要になるので、その点は押さえておくようにしましょう。

ラバーカップを使う

ゲロによるトイレの詰まりは「すっぽん」の愛称でも親しまれているラバーカップで解消できます。

ラバーカップでゲロによるトイレの詰まりを解消する際の手順は以下のとおりです。

  1. トイレの中の水を汲み出す
  2. ラバーカップの先端をトイレの排水口に押し当てる
  3. ラバーカップを押し込んで勢いよく引っ張る
  4. 3の工程を何度か繰り返す

トイレの中の水がはねると衛生的によくないので、便器から水を汲み出して水量を調整しましょう。

ラバーカップの先端が半分ひたる程度まで水を汲み出したら、ラバーカップの先端をトイレの排水口に押し当てます。

排水口に密着させることを意識して、なるべく平行に押し当てるようにしてください。

あとは、ラバーカップを押し込んで引っ張る作業を何度か繰り返すだけです。

詰まりが解消された場合、「ゴボゴボ」という音がなるので、音が聞こえたら水を流して詰まりが解消されたかどうかを確認しましょう。

真空式パイプクリーナーを使う

トイレの詰まりを解消するための道具としてラバーカップより高い効果が見込めるのが、真空式パイプクリーナーです。

真空式パイプクリーナーはホームセンターなどで1,000〜2,000円で購入できる製品で、ラバーカップの5倍以上の力でトイレの詰まりを解消することができます。

真空式パイプクリーナーを使ってゲロによるトイレの詰まりを解消する際の手順は以下のとおりです。

  1. トイレの水量を調整する
  2. 真空式パイプクリーナーの先端をトイレの排水口に押し当てる
  3. 真空式パイプクリーナーを押し込んで引っ張る
  4. 3の工程を何度か繰り返す

基本的な方法や手順はラバーカップと変わりません。
まずはトイレの中の水が飛び散ってしまわないよう、汲み出すして水量を調整しましょう。

後はパイプクリーナーをトイレの排水口に押し当て、押し込む作業と引っ張る作業を繰り返すだけです。

詰まりが解消された場合、ラバーカップのときと同じように「ゴボゴボ」と水が流れていく音がするので、詰まりが解消されたかどうか確認するようにしましょう。

ラップを使用する

ラバーカップや真空式パイプクリーナーが手元にないときはラップで代用しましょう。

ラバーカップや真空式パイプクリーナーほどの効果は見込めませんが、ラップを使った方法でもゲロによる詰まりを解消できることがあります。

ラップでゲロによるトイレの詰まりを解消する際の手順は以下のとおりです。

  1. トイレのフタと便座を上げる
  2. 便器にラップを巻きつける
  3. ラップの中心部分を押して離す
  4. 3の工程を何度か繰り返す

ラップを使った方法では便器にラップをしっかりと巻きつけることが重要になるので、必ずフタと便座を上げてから作業するようにしてください。

フタと便座を上げたら、便器にラップを巻きつけていきましょう。

隙間があると詰まりを解消できないので、隙間がなくなるようしっかりと巻きつけてください。

ラップを巻きつけたら、中心部分を押し、手を離します。

あとはこの押して手を離す工程を何度か繰り返すだけです。

詰まりが解消されたら水が流れる音がするので、確認しましょう。

ワイヤーブラシを使って掃除する

ラバーカップや真空式パイプクリーナーよりも高い効果が見込めるのが、ワイヤーブラシを用いる方法です。

ワイヤーブラシは長いワイヤーの先端にブラシがついている製品で、トイレに詰まったゲロを物理的に取り除くことができます。

ワイヤーブラシでゲロによるトイレの詰まりを解消する際の手順は以下のとおりです。

  1. ワイヤーをトイレの排水口に入れる
  2. 詰まっている部分までワイヤーを入れていく
  3. 詰まりに当たったらブラシを回して取り除く

ワイヤーをトイレの排水口から入れていき、ゲロが詰まっている部分に当たるまで押し込んでいきます。

ワイヤーブラシの先端がゲロの詰まっている部分に当たったら、ブラシを回して詰まりの原因を物理的に取り除いていきましょう。

ワイヤーブラシは高い効果の見込める製品ですが、強引に押し込むとトイレの内部や配管を傷つける可能性があるので、くれぐれも慎重に取り扱うようにしてください。

嘔吐したいときはどこで吐くべき?

ゲロでトイレを詰まらせたくないのであれば、トイレで吐かないことが大切です。

嘔吐したいときはどこで吐くべきなのか、例外的なケースをふまえながら解説していきます。

キッチンでお湯を出しながら吐く

詰まりの原因となることを考えると水まわりでの嘔吐は避けるべきですが、吐き気は急にやってくるものなので準備が間に合わないということもあります。

袋や洗面器などの準備が間に合いそうもないときは、トイレではなくキッチンの排水口に吐くようにしましょう。

キッチンは日常的に油を使用し、食べカスなどの生ゴミが大量に発生する場所なので、油分や食べカスなどに強い構造になっています。

生ゴミを処分するためのディスポーザーがついているお宅もあるでしょう。

絶対に詰まらないというわけではないため、ゲロを吐く場所として常用するべきではありませんが、トイレで吐くぐらいであればキッチンで吐くことをおすすめします。

排水口にゴミ受けを設置しておくと排水管に消化前の食物が流れるのを防げるようになるので、設置しておくようにしましょう。

食中毒や感染性胃炎の場合はトイレで嘔吐して消毒もする

ゲロは詰まりの原因になるためトイレで吐くのは避けるべきだと紹介してきましたが、食中毒や感染性胃炎のときなど例外的なケースもあります。

食中毒や感染症胃炎による嘔吐の場合、吐くときにウイルスが飛散したり、吐いたところを他の人が触ることによって感染する恐れがあります。

そのため、キッチンで吐くのはおすすめできません。</span

詰まりを発生させる可能性はありますが、キッチンではなくトイレで吐くようにしましょう。

吐くときはなるべく水を流しながら吐くようにしてください。

また、吐いた後は、除菌スプレーなどを使って便器や床、壁をしっかり消毒するようにしましょう。

ビニール袋などに嘔吐して可燃ごみで処理する

ゲロは可燃ごみなど自治体のごみで処分できます。

ごみの分類は自治体によって異なるため確認する必要はありますが、ビニール袋に入れるなどして飛び散らないようにすれば基本的にはごみとして処分可能です。

水気があると袋からしみ出たり飛び散る可能性があるので、袋にティッシュやキッチンペーパーを入れるなどして対策した上で出すようにしましょう。

紹介してきたとおり、ゲロは排水管を詰まらせる可能性が高いので、なるべく水まわりで処分せずにごみとして捨てるようにしてください。

ゲロがトイレに頻繁に詰まった場合は業者を呼ぶのがおすすめ

今回紹介した方法は、あくまで応急処置的な対処法です。

ゲロによるトイレの詰まりを一時的に解消できたとしても、再度詰まってしまう可能性があります。

また、二日酔いや体調不良、病気などで嘔吐が続いてしまう場合、何度も詰まる可能性があるため、一時的な対策ではなく原因を根本から解消しなくてはいけません。

トイレの内部や排水管に堆積した汚れによる詰まりは自力で対処するのが難しく、無理に対応しようとすると配管を傷つけるなど事態を悪化させてしまいかねないので、修理業者を呼んで対応してもらうようにしましょう。

まとめ

ゲロには消化されていない食物や油分などが含まれているので、トイレを詰まらせる可能性があります。

実際に詰まってしまったときは、以下の方法で対処しましょう。

  • ラバーカップを使う
  • 真空式パイプクリーナーを使う
  • ラップを使用する
  • ワイヤーブラシを使って掃除する

また、これらの方法を試しても詰まりが解消されないときや頻繁に詰まる場合は、修理業者に依頼して対処してもらうようにしましょう。