便器の内部や排水管に付着し、堆積することでつまりを引き起こす尿石。

尿石は、つまりの原因になるだけでなく、汚れや臭いの元にもなるため非常に厄介です。

この記事では、そんなトイレの尿石による汚れを溶かす市販の薬品について紹介していきます。

おすすめの製品や使い方、使用する際の注意点など詳しくまとめて解説していくので、ぜひ参考にしてください。

トイレつまりの原因になる尿石とは

私たちの尿にはさまざまな成分が含まれていますが、その中の一つであるカルシウム分が固まってできるのが「尿石」です。

尿のほとんどはトイレの後にレバーをひねって水を流すことで落とせますが、一部が流れきらずに便器に付着したままとなることで徐々に石化し、尿石になります。

尿石が溜まりやすい場所としては以下の3ヶ所があげられます。

  • 便器のふち
  • 便器のトラップ(水が溜まっている部分)
  • 便器の裏

尿石はトレイの掃除を怠るなどして放置する期間が長くなれば長くなるほど、強固になり、大きくなっていきます。

尿石が原因のトイレつまりは市販洗剤で溶かす!

トイレを使用するたびに少しずつ溜まっていく尿石ですが、尿石が原因でトイレがつまってしまうこともあるため注意しなくてはいけません。

尿石は便器の表面などの目に見える部分だけでなく、便器の内部や排水管などにも溜まります。

尿石が溜まるとトイレや排水管の水の流れも悪くなるため、ずっと放置しているとつまるようになるわけです。

そんな厄介な尿石ですが、市販の洗剤で溶かすことができます。

特におすすめの製品であるサンポールを例に、その効果と尿石に有効な理由を解説していきます。

サンポールやデオライトが効果的

尿石によるトイレのつまりは市販の洗剤で解消できますが、ドラッグストアやスーパーなどで購入できる市販の洗剤の中でも「サンポール」と「デオライト」は効果が高いためおすすめ。

サンポールは塩酸など尿石によるつまりを解消するのに有効な成分が複数含まれている洗剤で、蚊取り線香で有名な金鳥が製造・販売している製品です。

そのサンポールより強力なのがデオライトで、洗剤が届きづらい排水管の尿石も落とすことができます。

デオライトは医薬用外劇物に指定されている製品でもあり、一般の方が購入できるのはデオライトLのみとなっています。

サンポールで排水管の尿石を溶かせる理由

ここまで紹介してきたとおり、尿石は尿に含まれるカルシウム分が固まり石化したものです。

カルシウムはアルカリ性であるため同じアルカリ性の洗剤や中性の洗剤では綺麗に落としきることができません。

そこで効果を発揮するのが、サンポールなどの酸性洗剤です。

アルカリ性の尿石に酸性のサンポールをかけると、尿石が徐々に分解されていき、こびりついたものでも綺麗に落とせるようになります。

また、トイレの嫌なアンモニア臭もアルカリ性なので、サンポールはトイレのにおいにも効果的です。

尿石が原因のトイレつまりを解消する3つの方法

尿石が原因のトイレのつまりは、以下の3つの製品で解消できます。

  • サンポール
  • デオライト
  • ラバーカップ

それぞれの対処法の概要と手順を解説していきます。

サンポールを使う場合

酸性洗剤のサンポールで尿石によるトイレのつまりを解消する際の手順は以下のとおりです。

  1. 便器の中の水を汲み出す
  2. 便器にサンポールを流し込み、15分ほど放置する
  3. 水を流す

便器の中の水の量が多すぎると、サンポールが必要以上に薄まってしまい、本来の効果を発揮できない可能性があります。

そのため、まずは便器の中の水をなるべく汲み出しておくようにしましょう。

便器の中の水を汲み出したら、サンポールを50gほど便器に流し入れていきます。

流し入れたら、15分ほど放置し、サンポールをしっかりと浸透させましょう。

あとは水を流してつまりが解消されたか確認するだけです。

尿石が多く一度でつまりを解消できない場合は、手順の2と3を何度か繰り返すようにしてください。

デオライトを使う場合

サンポールは強力な酸性洗剤ですが、排水管の奥に溜まった尿石まで落としきることはできません。

そこでおすすめなのが、さらに強力な酸性洗剤であるデオライトです。

デオライトで尿石によるトイレのつまりを解消する際の手順は以下のとおりです。

  1. 便器の中の水を汲み出す
  2. 便器の中にデオライトを入れて30分ほど放置する
  3. 水を流す

基本的な使い方はサンポールと変わりません。

便器の中の水を汲み出したら、便器の中に100ml程度デオライトを投入し、30分ほど放置しましょう。

あとは水を流してつまりが解消されたか確認するだけです。

尿石が多い場合は、手順の2と3を繰り返しおこなってみてください。

ラバーカップを使う場合

サンポールやデオライトほどの効果が期待できるわけではありませんが、ラバーカップ(すっぽん)でも尿石によるトイレのつまりを解消できる場合があります。

ラバーカップで対処する際の手順は以下のとおりです。

  1. 便器の中の水を汲み出す
  2. ラバーカップの先端をトイレの排水口に押し当てる
  3. ラバーカップを押し込んで勢いよく引っ張る
  4. 3の工程を何度か繰り返す

3つの工程を何度か繰り返しているときに「ゴボゴボ」という音がしたら、トイレのつまりが解消された可能性が高いので、水を流して確認してみましょう。

ただ、ラバーカップを使った方法では尿石を綺麗に取り除くことはできないので注意しましょう。

尿石によるトイレつまりを業者に対応依頼した方が良い場合

尿石によるトイレのつまりはサンポールやデオライトなどの酸性洗剤、あるいはラバーカップで対処できますが、自分で対処せずに業者に依頼した方がいいケースもあります。

業者に依頼するべきケースとしては以下の3つがあげられます。

  • 強力な薬剤を使用するのが怖い場合
  • つまりの原因が尿石かどうかわからない場合
  • サンポールやデオライトでも排水管のつまりが解消しない場合

それぞれのケースについて、なぜ業者に依頼するべきなのか詳しく解説していきます。

強力な薬剤を使用するのが怖い場合

サンポールやデオライトはこびりついた尿石に対しても効果を発揮する強力な洗剤ですが、強力すぎるがゆえに「使うのが怖い」という方もいるかと思います。

実際、使用する際はゴム手袋をしたりゴーグルを装着するなどして、洗剤が目や皮膚に付着しないよう注意しなくてはいけません。

また、塩素系の洗剤と一緒に使用すると人体に有毒なガスが発生する可能性がありますし、サンポール単体での使用でも十分に換気しながら使用する必要があります。

このように、サンポールやデオライトなどの強力な洗剤は使用する上での注意点が多く、使い方を間違うと危険なので、使用するのが怖いと感じる場合は専門家であるトレイの修理業者に対応を依頼するようにしましょう。

つまりの原因が尿石かどうかわからない場合

トイレのつまりはさまざまな理由で発生します。

尿石によってトイレの流れが悪くなってつまることもありますし、固形物などトイレに流してはいけないものを誤って流してしまうことでつまることも。

水に溶けるトイレットペーパーや排泄物によってつまる可能性もゼロではありません。

また、トイレがつまった時の対処法はその原因によって変わるため、憶測で対処するのは避けるべきです。

つまりの原因が尿石である場合は先述した方法で対処できますが、そうでない場合に間違った方法で対処すると、事態を悪化させてしまいかねません。

つまりの原因が尿石かどうかわからないときは、自分で対処するのではなく、業者に依頼して専門家に対応してもらうようにしましょう。

サンポールやデオライトでも排水管詰まりが解消しない場合

尿石によるつまりはサンポールやデオライトで解消できると紹介してきましたが、それらの洗剤を使用したからといって必ずしもつまりが解消されるわけではありません。

もし自分でできる対処法を実践してもつまりが解消されない場合は、無理に自分で対応しようとするのではなく、業者に依頼して対応してもらうようにしましょう。

無理に自分で対処しようとして、NGな行動を取ってしまうと事態を悪化させる可能性があるので、一度冷静になって対応方法を慎重に検討してください。

尿石によるトイレつまりを予防する方法

尿石は尿に含まれるカルシウム分が石化して発生するものなので、何度でもトイレをつまらせてしまう可能性があります。

そこで押さえておきたいのが、尿石によるトイレのつまりを予防する方法です。

具体的な予防法としては以下のようなものがあげられます。

  • 座って用を足して尿を飛び散らせない
  • こまめにトイレ掃除する
  • トイレを使用後にしっかり流す

それぞれの予防法について解説していきます。

座って用を足して尿を飛び散らせない

水で洗浄できないところに飛び散った尿は尿石化しやすいので、用を足すときは尿を飛び散らせないことが大切です。

男性の場合、家でも立って用を足すという方が多いかと思いますが、尿石を予防したいのであれば座った状態で用を足すようにしましょう。

座って用を足すことで尿が飛散しづらくなり、尿石が発生しにくくなります。

こまめなトイレ掃除

尿石によるトイレのつまりを防ぐには、尿が尿石化するのを防ぐことが重要です。

尿石は便器や排水管に付着した尿をしばらく放置し続けることで発生するので、定期的にトイレを掃除し、便器や排水管に付着した尿を尿石化させないようにしましょう。

明確な決まりはありませんが、尿が飛散しやすい便器のフチやフタの裏の拭き取り掃除は週に1回程度の頻度でおこなうことをおすすめします。

便器の奥や排水管の尿石は通常の掃除では防げませんし解消できないので、月に1回程度はサンポールやデオライトなどの酸性洗剤で掃除するようにしてください。

トイレを使用後に水をしっかり流す

節水のためにトイレを流す回数を制限しているという方もいるかと思いますが、尿石を防ぎたいと考えるのであればトイレは毎回しっかりと流して洗浄するべきです。

トイレを流さずに放置していると尿石化が進み、水では流しきれなくなってしまいます。

その状態が悪化すると尿石によるつまりが発生するようになるので、過度な節水は避け、トイレで用を足した後は毎回しっかりと流すようにしてください。

まとめ

尿に含まれるカルシウムが石化することで発生する尿石は、トイレの汚れや臭いの原因になるだけでなく、つまりを引き起こすこともある厄介な存在です。

便器や排水管にこびりついた尿石はいくら水を流したりブラシで強くこすったりしても落としきることはできません。

尿石をしっかりと落としたいのであれば、サンポールやデオライトなどの酸性の洗剤を用いて対処するようにしましょう。

ただし、酸性の洗剤は非常に強力な洗剤で、目や皮膚につくと危険なので、必ずゴーグルやゴム手袋などを装着した状態で使用するようにしてください。

また、尿石によるつまりを避けるためには、尿石が溜まらない環境を整えることが大切です。

  • 座って用を足して尿を飛び散らせない
  • こまめにトイレ掃除する
  • トイレを使用後にしっかり流す

上記の予防法を実践し、尿石が溜まりづらい環境を整えるようにしましょう。

以下の記事では、その他の主なトイレつまりの原因についてまとめていますので、困ったときはぜひ参考にしてみてください。

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