賃貸物件のトイレでつまりが発生したときに気になるのが、保険を使ってつまりを修理できるのかどうかについて。

トイレのつまりの修理は高額になることもあるので、保険で修理できるのであれば活用したいところです。

この記事では、賃貸物件のトイレのつまりに保険は適用されるのかという点を、深堀りして解説していきます。

保険を利用する際の流れも解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

賃貸のトイレのつまりの修理費用は誰が払う?

賃貸物件のトイレでつまりが発生した場合、つまりの修理に保険を活用できるのかを把握する上でまずチェックしておきたいのが、「賃貸物件のトイレのつまりを修理する際の費用は誰が負担するべきなのか」について。

実は、修理費用を誰が負担するかについてはそれぞれのケースによって異なり、物件のオーナーである貸主が負担するべきケースもあれば、物件を借りている借主が負担するべきケースもあります。

それぞれのケースについて、詳しく解説していきます。

貸主が支払うケース

賃貸物件のトイレのつまりが発生する理由はさまざまですが、借主のトイレの使い方に問題がない場合は貸主が修理代金を支払うことになるケースがほとんどです。

借主が正しい方法でトイレを使用していたにも関わらずつまりが発生してしまった場合、便器や排水管の老朽化、あるいはメンテナンス不足などによってつまった可能性が高いと考えられます。

この場合、借主側には非がないため、修理費用を負担する必要がなく、貸主側の負担で修理するべきだと考えられるわけです。

借主が支払うケース

一方、借主のトイレの使い方に問題があり、それによってつまりが発生したと考えられる場合は、貸主ではなく借主が修理費用を負担しなければなりません。

トイレットペーパーや排泄物は本来トイレに流して処理できるものですが、一度に大量に流すと、トイレの排水能力が追いつかずにつまってしまう可能性があります。

また、トイレでスマートフォンを使っていて便器の中に落としたり、アクセサリーや子どものおもちゃを落とし、それらの固形物が便器の内部や排水管に留まってつまらせてしまうようなケースも少なくありません。

日常的に食べ残しをトイレに流して処理していたことで便器や排水管が劣化してつまりが発生した場合も、借主のトイレの使い方が悪いと判断される可能性があります。

このように、借主のトイレの使い方が悪いと判断されるケースでは、貸主ではなく借主が修理費用を負担する可能性が高くなりやすいと考えられます。

賃貸でのトイレのつまりなどのトラブルに火災保険は適用される?

物件の賃貸契約を結ぶ際に加入する火災保険ですが、賃貸物件で発生する損害などのトラブルには、この火災保険が適用されます。

ただ、火災保険に加入しているからと言って、必ずしも保険が適用されるわけではありません。

修理費用を負担する側としては保険を活用したいところですが、火災保険でまかなえるケースとまかなえないケースがあるため注意が必要です。

火災保険が適用されるケースとされないケースの違いについて、解説していきます。

火災保険が適用されるケース

火災保険は、トイレのつまりによって水漏れが発生した場合などに適用されます。

賃貸物件のトイレがつまると、汚水が逆流して便器から溢れたり、便器や排水管から水が漏れることがあります。

この水漏れによってトイレの床や壁に被害が生じたり、家財道具に被害が生じてしまった場合は火災保険で補償されます。

火災保険が適用されないケース

前述したとおり、火災保険が適用されるのは、トイレのつまりによる水漏れで部屋や家財道具に被害があった場合です。

賃貸物件のトイレでつまりが発生したときには専門の修理業者を呼ぶなどして修理しなくてはいけませんが、その修理費用に対して火災保険が適用されることはありません。

火災保険は、あくまでもトイレのつまりによる水漏れの被害に対して適用されるもので、トイレそのものの故障やトラブルには適用されないので、その点をしっかりと押さえておくようにしましょう。

保険の種類や特約によってはトイレのつまりに火災保険が適用されることもある

火災保険はトイレでつまりが発生したときの修理費用には適用されないのが一般的だと紹介してきましたが、例外的なケースもあります。

それが、保険の種類や特約によって修理費用に対しても火災保険が適用されるケースです。

火災保険の種類はさまざまで、それぞれの保険によって補償の範囲やルールが異なります。

また、トイレなどの住宅設備の修理費用に対して火災保険を適用できるよう、特約をつけることも可能です。

保険の種類や特約の有無によってはトイレの修理費用を保険でまかなえる可能性があるので、賃貸物件のトイレがつまったときには、まず保険の内容を確認することが重要になってきます。

賃貸のトイレでつまりが発生したときの対応の流れ

実際に賃貸物件のトイレでつまりが発生した場合、保険が適用されるかどうかに関わらず、迅速かつ適切な方法で対応しなくてはいけません。

賃貸物件のトイレでつまりが発生したときの具体的な対応の流れは以下のとおりです。

  1. 1〜2時間ほど放置して様子を見る
  2. 管理会社に連絡する
  3. 保険の契約内容を確認する

それぞれの工程を詳しく解説していきます。

1〜2時間ほど放置して様子を見る

賃貸物件のトイレでつまりが発生した場合は放置せずに対処するべきだと紹介してきましたが、例外もあります。

それが、トイレットペーパーや排泄物によるつまりです。

トイレットペーパーや排泄物は水に溶ける性質があるので、1〜2時間ほど放置し、分解されるのを待つことでつまりが解消される場合があります。

トイレのつまりの原因がトイレットペーパーや排泄物である場合は、まず1〜2時間放置して様子を見るようにしましょう。

管理会社に連絡する

1〜2時間ほど放置して様子を見てもつまりが解消されない場合、それ以上放置してもつまりが解消される可能性は低いので、物件の管理会社に連絡して対応してもらうようにしましょう。

賃貸物件の所有者は貸主であり、便器を含め、賃貸物件のあらゆる設備も貸主の所有物なのです。

そのため、勝手に業者を手配して修理することはできません。

管理会社に連絡し、管理会社が手配した修理業者に修理してもらう必要があるので、まずは管理会社に連絡を入れて対応をお願いするようにしてください。

保険の契約内容を確認する

トイレの使い方に問題があるなどの理由で修理費用をこちらが負担しなければならなくなった場合は、一度保険の内容をチェックしましょう。

先述したとおり、基本的にトイレの修理費用を火災保険でまかなうことはできませんが、契約内容によっては火災保険でまかなえることがあります。

また、トイレのつまりによる水漏れによって発生した部屋や家財道具への被害については火災保険でまかなえる可能性があるので、その際も保険の契約内容を忘れずにチェックするようにしましょう。

火災保険を利用するときの流れ

賃貸物件で発生するトラブルの対応に火災保険を利用できるのであれば、積極的に活用するべきです。

火災保険を利用する際の流れは以下のとおりです。

  1. 保険会社に連絡を入れる
  2. 必要な書類を記入して提出する
  3. 保険会社によるチェック
  4. 保険金の受け取り

それぞれの工程を詳しく解説していきます。

保険会社に連絡を入れる

火災保険を利用するのであれば、まずは保険会社に連絡して、火災保険を利用したい旨を伝えなければいけません。

保険会社に連絡すると、保険の契約者や契約している保険の種類、被害の状況などいろいろと質問されます。

保険証券を手元に用意し、被害の状況や聞きたいことをメモにまとめるなどして、なるべく話をスムーズに進められるよう準備しておきましょう。

必要な書類を記入して提出する

保険会社への連絡が完了したら、必要な書類を記入して提出します。

どういった書類が必要になるのかについては保険会社の担当者の方から説明があるので、しっかりとメモしておくようにしましょう。

提出する書類は、保険会社から送られてくるか、保険会社のホームページから印刷して用意します。

場合によっては、書類以外に、被害の状況がわかる写真の提出や修理にかかった金額がわかる見積書の提出を求められることもあります。

いずれにしても必要な書類を揃えて提出しなくてはならないので、しっかりとチェックした上で対応するようにしてください。

保険会社によるチェック

保険会社から指定された各種書類の提出が完了したら、保険会社によるチェックがおこなわれます。

保険は、必ずしも適用されるわけではありません。

保険の適用が妥当ではないと判断されるケースもあるので、保険会社では、提出された書類をチェックし、保険が適用されるかどうかを判断していきます。

この確認作業によって、保険が適用されるかどうかや支払われる金額が決まります。

保険金の受け取り

保険会社によるチェックが完了し、保険が適用されることや支払われる金額が決まったら、指定した口座に保険金が振り込まれます。

振込日は保険会社や手続きをおこなったタイミングで異なるので、気になる場合は事前に確認しておくようにしましょう。

また、支払われる保険金に納得がいかない場合は、異議申し立てをおこない、改めて査定してもらうことも可能です。

躊躇してしまうかもしれませんが、決められた保険金を支払っている方の当然の権利なので、納得いかないのであればその旨を伝え、改めて調査してもらうようにしてください。

以上が、トイレのつまりにともなう水漏れなどで住宅や家財道具に被害が出た場合に火災保険を利用する際の大まかな流れになります。

まとめ

賃貸物件のトイレでつまりが発生した場合、その修理費用に保険を適用することはできません。

住宅で発生するトラブルに対して適用される火災保険は、トイレがつまることで発生する水漏れなどの被害に対しては適用されますが、つまりの修理にかかる費用には適用されないため注意が必要です。

ただ、契約している保険の種類や特約の内容によっては修理費用を保険でまかなえることもあるので、まずは保険証券を確認し、保険の内容をチェックするようにしてください。

また、仮に保険で修理費用をまかなえなかったとしても、トイレのつまりを放置するのはNGです。

つまりを放置していると、症状を悪化させてしまいかねませんし、水漏れなどの被害を引き起こしてしまう可能性があるので、紹介した内容を参考にしながら適切な方法で対応を進めるようにしてください。