トイレつまりのトラブルが発生して業者を呼びたいけれど、水道局指定工事業者とは何で他の業者の違いは何だろうか…と気になっていませんか?

できれば、より信頼できる業者に適切な価格で対応してもらいたいですよね。

そこで、今回は水道局指定工事業者について解説します。

さまざまな業者の中で、水道局指定業者がおすすめな理由まで解説しているため、業者選びの参考にしてみてください。

水道局指定工事業者とは?

水道局指定工事業者とは「指定給水装置工事事業者制度」 や「指定排水設備工事事業者規定 」の要件を満たしている水道修理工事業者を指します。

[水道局指定工事業者の要件]

  •  給水装置工事主任技術者・排水装置工事主任技術者を専任している
  • 工事事業者制度が指定する機械・器具を保有している
  • 適切に水道修理工事が行える技能を有する者を従事させている
  • 工法や条件に沿って水道修理工事を行っている
  • 主任技術者などに研修の機会を与えている
  • 主任技術者に水道修理工事に関する記録を作成させて3年間保存する

※要件を満たさなくなった場合は水道局指定工事店が取り消される

給水・排水管の不適切な工事を行うと漏水事故が起きたり、水質の異常が発生し水を使用する方の健康被害に直結したりします。

安全な水道工事のために、国は1996年に水道法を改正し、指定給水装置工事事業者制度を創設しました 。

つまり、水道局指定工事業者を選んだ方が、安全・安心な工事を受けられます。

参考:厚生労働省 指定給水装置工事事業者制度について

参考:東京都下水道局 東京都指定排水設備工事事業者規程

水道局指定業者とその他の業者の違い

水道局指定工事業者と他の業者の違いは、水道局が管理する設備(給水管や排水管など)を工事できるかどうかです。

水道局が管理する設備の修理工事では、管に孔(あな)を開けなければいけません。

つまり、高度な技術が必要になるため、水道局は水道局指定工事業者に水道工事の施行を依頼しているのです。

水道局は水道局指定工事業者のみに、以下の工事を依頼しています。

[水道局指定工事業者のみ対応できる工事内容]

  • 新たに給水管を設置する
  • 給水管の経路を変更する
  • 水栓を増設する
  • 分岐する管から給水管や水栓を撤去する

※排水管工事に関しても同様です

参考:東京都下水道局 水道工事のお申込先一覧

家庭のトイレつまり修理工事は水道局指定工事店以外でも行えます。

しかし、汲み取りトイレから水栓トイレに改造する場合は、排水管を新設しなければいけないため、水道局指定工事店ではないと対応できません。

水道局指定業者とその他の業者の違いをご紹介しましたが「対応範囲」「知識」「施行力」が異なると理解しておきましょう。

トイレつまりの時は水道局指定業者がおすすめな理由

トイレつまりトラブルが発生したら、水道局指定業者へ依頼しましょう。ここでは、水道局指定業者がおすすめな理由をご紹介します。

自治体の基準をクリアした業者なので安心

水道局指定業者は、「指定給水装置工事事業者制度」や「指定排水設備工事事業者規定」の要件を満たしている水道修理工事業者です。

国の制度の要件を満たしており、認定されているためより信頼できる業者であるといえます。

万が一、トラブルを起こした場合は、水道局指定業者の認定が取り消されるなど厳しい規定がある制度です。

そのため、水道局指定業者であれば高額請求などのトラブルも少なく、安心してトイレつまりトラブルの相談ができます。

技術力が高く安全な施工をしてくれる

水道局指定業者には、給水装置工事主任技術者排水装置工事主任技術者が在籍しています。

給水装置工事主任技術者は国家資格合格率30%~45%と難関資格です。

また排水装置工事主任技術者は国家資格ではありませんが、合格率30%~50%と難関資格となっています。

給水管・排水管工事に関する高い専門知識や施行力を持っている技術者が在籍しているため、サービス品質が高いといえるでしょう。

対応可能な工事範囲が広い

水道局指定業者は給水管・排水管の新設工事や増設工事、撤去工事ができます。

つまり、汲み取りトイレから水栓トイレに改装工事にも対応可能です。

汲み取りトイレから水栓トイレに改装するためには排水管を新設する必要があります。

そして、この工事は、水道局指定業者ではないと対応できません。

このように、水道局指定業者は対応可能な工事範囲が広いことも魅力です。

万が一トラブルが起きた場合は水道局に相談できる

水道局指定業者は水道局から認定されている業者です。

そのため、水道局指定業者にトイレつまりの修理を依頼してトラブルが発生したら、水道局お客さまセンターに相談できます。

その他の業者に依頼した場合は、消費者ホットラインでなければ相談できません。このように、万が一トラブルが起きた場合に相談先が複数あることも魅力です。

トイレのつまりを水道局指定業者へ依頼する場合の注意点

水道局指定工事業者へ依頼する際の注意点

トイレつまりのトラブルは水道局指定業者へ依頼するのがおすすめと説明しました。

しかし、業者の中にはいい加減な対応をするところも稀にあります。

そのため、以下の点に注意して業者選びをしましょう。

作業内容と金額に納得したうえで契約を結ぶ

工事品質やサービスの良さを口コミなどで判断する

ここでは、それぞれの注意点について詳しく解説します。

作業内容と金額に納得したうえで契約を結ぶ

トイレつまりの修理を依頼するときは緊急の場合が多く、慌てて契約してしまいがちです。

トイレつまりを早く直して欲しいという気持ちから、業者の説明を聞き逃してしまい、トラブルに発展することも。

そのため、落ち着いて作業内容や金額の説明を受けましょう。

下記のポイントを守れば、水道修理トラブルを防げます。

[ポイント]

  • 電話で申し込むときは「出張料」「点検料」がかかるのかを確認する
  • 見積書の内容を確認して、作業内容と金額に納得した上で契約する
  • 見積金額に納得できない場合は契約せずに、複数社を比較する

工事品質やサービスの良さを口コミなどで判断する

少しでも品質の高いサービスを受けたい方は、水道局指定業者に依頼することに満足するのではなく、口コミ評判も確認しておきましょう。

信頼できる口コミや評判を確認したい方は、Googleマップの口コミがおすすめです。

Googleマップの口コミは第三者の率直な意見や感想が書かれているので、信頼できる業者かを判断するのに役立ちます。

水道修理業者のホームページにも口コミや評判が書かれていますが、業者が操作している恐れがあるため、お客様が自由に書き込みできるGoogleマップを参考にしましょう。

水道局指定業者へトイレつまりの修理を依頼する流れ

次に、実際に水道局指定業者へトイレつまりの修理を依頼する流れをご紹介します。

自治体の水道局指定業者一覧を確認する

まずは、お住まいの地域を管轄する水道局のサイトで紹介されている「指定給水設備工事事業者の一覧」「指定排水設備工事事業者の一覧」をご覧ください。

水道局のサイトがどこにあるかわからない場合は、GoogleやYahoo!で「水道局指定工事店●●(地域)」と検索するとサイトのページが出てきます。

さまざまな業者が一覧で紹介されているため、候補をピックアップしましょう。

指定業者の口コミや実績をチェックする

次に水道局指定業者の口コミ・評判をGoogleマップで確認しましょう。

Googleマップの開き方がわからない場合は、GoogleやYahoo!で「 ●●●●(水道修理工事業者の名前)」で検索すると店舗情報が表示されます。

また、口コミだけでなく、どのような工事内容を得意としているかホームページに掲載している工事実績で確認しましょう。

工事実績の内容からスキルや対応範囲がわかります。

無料見積もりを依頼する

候補先を見つけたら、見積もりを依頼します。

繰り返しになりますが、見積もりを依頼する場合は以下に気をつけてください。

[ポイント]

  • 電話で申し込むときは「出張料」「点検料」がかかるのかを確認する
  • 見積書の内容を確認して、作業内容と金額に納得した上で契約する
  • 見積金額に納得できない場合は契約せずに、複数社を比較する

水道指定局業者以外へトイレつまりを依頼した場合のトラブル事例

トイレつまりのトラブルは水道指定局業者へ依頼するのがおすすめだと説明しました。

反対に他の業者に依頼するとどうなるのでしょうか?

ここでは、水道指定局業者以外へトイレつまりを依頼した場合のトラブル事例をご紹介します。

HP記載の費用と全く違う高額を請求された

マンションで1人暮らしをしている20代男性は、トイレつまりを修理してもらうために、インターネットで上位表示されていた水道修理業者へ相談をしました。

電話で説明したところ「恐らくラバーカップで修理できて5,000円程度かかる」と言われて了承しました。

しかし、ラバーカップで作業しても直らず「便器を取り外して配管に詰まったものを砕く必要がある。その作業に3万円程度かかる」と言われました。

その作業でトイレつまりは直りましたが「念のため高圧洗浄をした方がいい」と言われ、サービスだと思い承諾したら約40万円を請求されてしまいました。

このように業者の説明と違う高額な請求をされてしまうトラブルは非常に多いです。

出典:東京都消費者被害救済委員会 トイレの詰まりをきっかけとした高額な修理契約に係る紛争案件報告書

見積もり無料と聞いていたが費用を請求された

70代の女性は蛇口から水が漏れていたため、チラシで見積もり・出張費無料と書かれていた水道修理業者を呼びました。

水道修理業者は「詳しく調べるために水道管の内部を見る必要がある」と蛇口を外して「水道管の内部の状態がよくないから交換が必要」と50万円の見積金額を提示してきたのです。

女性が「50万円は高額のためすぐに返事はできません」と回答したところ「断る場合は蛇口を取り外し料金代2万円を支払ってください」と請求されてしまったのです。

このようなトラブルが多いため、電話や見積もり依頼時に作業内容や料金について尋ねておくようにしましょう。

出典:独立行政法人国民生活センター  水漏れ!広告では「見積もり無料」でも、作業費は請求!?

不要な工事を提案された

「広告には数百円から依頼できる」と記載されていた水道工事修理業者に相談したのに、1つの修理方法を試しても直らず「他の作業が必要だ」と次々と提案されて、最終的に50万円を超える請求を受けたというトラブルが国民生活センターへ寄せられています。

また、水道局指定業者以外には対応できないはずの汲み取りトイレから水栓トイレに改装工事の提案をされ高額請求される事例もあるため気をつけましょう。

出典:独立行政法人国民生活センター  トイレ修理で高額請求された!

まとめ

水道局指定工事業者とは「指定給水装置工事事業者制度」や「指定排水設備工事事業者規定」の要件を満たしており、水道局から認定を受けている業者です。

給排管や排水管に関する知識や施行力を持つスタッフがおり、幅広いトラブルに対応することができます。

万が一問題を起こした場合は認定証が剥奪されるため、指定を受けていない業者と比べて安心・安全なサービスを提供していると言えるでしょう。

そのため、トイレつまりのトラブルを依頼する際は水道指定工事業者へ依頼してみてください。