近年被害が急増しているトイレの修理業者による高額請求トラブル。
中には「トイレのつまりの修理を依頼しただけなのに数十万円の費用を請求された」というケースもあるため注意しなくていけません。
この記事では、トイレのつまりの修理にともなう高額請求トラブルについて紹介していきます。
実際の事例に触れながら、高額請求されたときの対処法や高額請求を避ける方法などについて解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
トイレつまりで業者から高額請求されるトラブルが急増中
近年急増しているトイレの修理業者による高額請求のトラブル。
生活文化局が公表しているデータによると、東京都内における高額請求の件数は増加傾向にあり、平成30年度には266件だったものが令和2年度には954件にまで増加しています。
また、消費生活センターなどの機関によせられる相談の多くが若い世代からのものとなっている点も特徴の一つです。
一人暮らしを始めたばかりの学生など、若い世代はトイレをつまらせた経験がないことがほとんどで、対処法も把握していません。
そのような状況に加えて「早く修理しなければ」という焦りもあるため、安易に「格安」などのうたい文句に飛びつき、トラブルに巻き込まれてしまっているという現状があります。
参考:生活文化局「トイレの詰まりをきっかけとした高額な修理契約に係る紛争」
業者との間で発生したトイレつまりの高額請求トラブル事例
近年トイレの修理業者から高額請求されるケースが急増していると紹介してきましたが、実際どのようなケースがあるのでしょうか?
高額請求のよくある手口や事例としてあげられるのが以下のような事例です。
- 5000円程度で直ると言われたが40万円請求された事例
- 980円から工事可能といわれて依頼したが25万円請求された事例
- 見積もり無料もウソでさらに工事費用も21万円を提示された事例
それぞれの事例について詳しく解説していきます。
5000円程度で直ると言われたが40万円請求された事例
自宅マンションのトイレでトイレットペーパーをつまらせてしまった相談者。
インターネットで修理業者を検索し、上位に表示されていた業者に修理を依頼しました。
当初は「ラバーカップでの作業となり、5,000円ほどで直る」と説明されていたものの、「便器の取り外しが必要になるため3万円ほどかかる」と、作業内容と金額が変更になりました。
この時点でつまりは解消したものの、「念の為高圧洗浄もしておいた方がいい」と言われ、サービスかと思い対処してもらうことに。
その結果、すべての作業が終わった後に40万円の作業料金を請求される形となってしまった。
参考:東京暮らしWEB「トイレの詰まり解消修理に関する相談が激増しています。 ~思いがけない高額請求にご注意ください~」
980円から工事可能といわれて依頼したが25万円請求された事例
自宅のトイレがつまったため、インターネットで検索して一番上に出てきた業者に修理を依頼した相談者。
サイトには「980円〜」などと格安で修理できるという旨の内容が記載されていたため、その点に魅力を感じて依頼しました。
電話で修理を依頼した時点では作業内容や金額に関する話は一切なく、訪問後も見積もりをとらずに作業を開始。
その後はつまりがなかなか解消しないことを理由にさまざまな修理方法と金額を提示してきましたが、「とにかくつまりをどうにかしないと」という思いからそれらすべての作業を了承。
結果的に25万円もの費用を請求され、支払うことになってしまいました。
参考:生活文化局「トイレの詰まりをきっかけとした高額な修理契約に係る紛争」
見積もり無料もウソでさらに工事費用も21万円を提示された事例
トイレでつまりが発生したため、トイレの修理業者に修理を依頼した相談者。
サイトには「見積もり無料」や「◯件の実績」など魅力的な文言が書かれており、非常に綺麗に作り込まれたサイトでもあったため、安心できると感じて依頼することに。
ただ、実際は見積もりも有料で、高額請求されることになってしまいました。
相談者は不審に思い、「なぜこんな金額になるのか」と問いただしたものの、業者は「実際に工事をしてみないといくらになるかわからない」の一点張りで、21万円もの修理費用を請求されることとなりました。
参考:Twitter
トイレつまりで高額請求されて支払ってしまう理由とは
トイレつまりで高額請求されたときに思わず支払ってしまう理由としては、以下の4つがあげられます。
- 焦っているため冷静に費用が適正か判断できない
- 費用相場がわからず適正価格だと思ってしまう
- 業者から不安になることを言われる
- 工事したあとに高額請求されている
それぞれの理由について詳しく解説していきます。
焦っているため冷静に費用が適正か判断できない
トイレは日常生活に欠かせない住宅設備です。
トイレが壊れて使えなくなった場合、近隣のコンビニや商業施設などのトイレを借りなければいけなくなるため、生活が一気に不便になります。
そのため、トイレでつまりが発生すると「早く直さないと…」と考えるようになり、焦っていることもあって正しく判断することができず、つい支払ってしまうわけです。
費用相場がわからず適正価格だと思ってしまう
トイレはそう頻繁に壊れるものではありません。
製造されてからどれくらい経っているかにもよりますし使い方にもよりますが、つまりが発生することも稀です。
壊れにくいことやトラブルが発生しにくいことは私たち消費者にとって非常に良いことですが、その反面、業者に修理を依頼したときの適正価格がわからず、「提示された修理費用=適正価格」だと思いこんでしまいがちです。
そのため、「高いな」とは思いつつも、つい支払ってしまう傾向があります。
業者から不安になることを言われる
紹介してきたとおり、トイレはそう頻繁に壊れるものではありませんし、つまるものでもありません。
そのため、業者の言葉を過剰に重く受け止めてしまいがちですし、不安に感じてしまうのです。
悪徳業者はそのことをよく理解しており、その消費者心理を巧みについてきます。
例えば、便器を外した状態で金額を提示し、こちらが断ろうとすると便器を元に戻さずに引き上げようとしたりしますし、「今すぐ修理しないと水が漏れて〜」などと不安を煽り、正常に判断できないようにして契約や支払いを迫ります。
工事したあとに高額請求されている
悪徳業者の手口はさまざまですが、中でも特に厄介なのが勝手に作業を始めてしまうタイプの業者です。
悪徳業者の中には、見積もりの作成や契約、作業内容の説明などを一切おこなわず、勝手に作業に着手する業者もいます。
このような業者は作業が完了した後で費用を請求してきますが、作業が完了しているため、費用が高額でも断りづらく、つい支払ってしまうケースも少なくありません。
トイレのトラブルが初めての方は、事前に見積もりをとってから、その内容になっとくしたうえで契約するというような正しい手順を把握していないため、業者が勝手に作業を始めたとしても止めることができず、最終的に高額な費用を支払うことになるわけです。
トイレつまりで業者に高額請求された場合の対処法
トイレの修理を依頼した業者に実際に高額請求されてしまった場合は以下の4つの方法で対処可能です。
- 後日支払う意思を示してその場での支払いを避ける
- 支払うよう脅されるなど身の危険を感じる場合は警察へ連絡
- 消費者生活センターへ相談する
- クーリングオフ制度を利用して返金してもらう
それぞれの対処法について詳しく解説していきます。
後日支払う意思を示してその場での支払いを避ける
紹介してきた事例のようにあまりにも高額の修理費用を請求されてしまった場合は、後日支払う意思を示してその場での支払いを避けるようにしましょう。
「支払わなくて大丈夫なの?」と感じるかもしれませんが、この対処法は国民生活センターが提唱している方法なので問題ありません。
支払ってしまった場合であっても返金してもらうことはできますが、こちらの主張が必ず通るわけではありませんし、手間もかかるので、その場での支払いを避ける方法をおすすめします。
支払うよう脅されるなど身の危険を感じる場合は警察へ連絡
高額請求でのトラブルを避けるには、後日支払う意思を見せてその場での支払いを避けるべきだと紹介してきましたが、高額請求をおこなう悪徳業者の中には後日の支払いに応じない業者もいます。
中には今すぐ料金を支払うよう脅迫してくるような業者もいるため注意が必要です。
一人暮らしの女性が依頼した場合などは、特に高圧的な態度で支払いを迫ってくるケースが多いようです。
その場合は、無理に自分で対処しようとせず警察を呼んで対応してもらうようにしましょう。
消費者生活センターへ相談する
高額請求に関するトラブルは消費生活センターに相談するのが一番です。
消費生活センターは商品やサービスなどに関する苦情などのトラブルを処理してくれる独立行政法人で、トイレの修理にともなう高額請求にも対応してくれます。
業者が作業している最中におかしいと感じた場合は、作業を中断してもらい、その場で相談するようにしましょう。
すでに作業が終了して修理費を支払ってしまった場合でも相談は可能です。
支払い済みの場合はクーリングオフを利用しての対応が必要になりますが、その際のサポートもしてもらえます。
クーリングオフ制度を利用して返金してもらう
ホームページに記載されている金額と実際の請求費用が大きく異なる場合は、クーリングオフを利用して契約を解除し、修理費用を返金してもらうことができます。
契約書に「クーリングオフの対象外です」と書かれていたとしても問題ありません。
クーリングオフは消費者が契約を再考するための制度で、条件はありますが、作業してもらった後であっても契約を破棄して返金してもらうことができるありがたい制度です。
トイレのつまりで高額請求されたときのクーリングオフについては以下の記事でより詳しく解説しています。
騙される前に知っておくべきトイレつまりの費用相場
悪徳業者に騙されないためには、そのような業者に依頼しないことがとても重要になってきます。
そこで押さえておきたいのが、トイレのつまりの修理を業者に依頼した場合の費用相場です。
あくまで一例ではありますが、トイレのつまりの修理を弊社にご依頼いただいた場合の費用の目安は以下のようになります。
修理の内容 | 基本料金 | 作業費 | 合計 |
高圧ポンプ | 3,300円 | 5,500円 | 8,800円 |
高圧洗浄機 | 27,500円 | 30,800円 | |
薬品洗浄 | 8,800円 | 12,100円 |
トイレのつまりは現場に到着して状態を確認するまで原因や状況を正しく判断することができないため必ずしもこの金額になるわけではありませんが、おおよその参考にはなるはずです。
上記の金額とあまりにもかけ離れてしまっている場合は、高額請求である可能性を疑うべきだと言えるでしょう。
また、下記サイトの「ミツモア」では、トイレつまりの修理業者の選び方や「トイレつまりの救急センター」以外の業者を紹介しているので、比較する際の参考にしてみてください。
※外部サイトに遷移します
トイレつまりの修理で高額請求されない方法
トイレつまりの修理で高額請求されない方法としては、以下の5つの方法があげられます。
- 異常に安い料金を謳う業者に依頼しない
- トイレ修理の相場を把握しておく
- 日頃から水回りトラブルに対応できる業者を比較検討しておく
- 見積もりだけしてもらい複数業者を比較する
- 見積もりを提示せず作業しようとした場合は中断してもらう
これらの対処法を把握しておくだけで悪徳業者に騙される可能性がかなり低くなるので、ぜひ押さえておくようにしましょう。
それぞれ詳しく解説していきます。
異常に安い料金を謳う業者に依頼しない
トイレの修理をおこなっている業者の中には「格安」をうたっている業者もいますが、ホームページなどに掲載されている金額があまりにも安い場合は注意が必要です。
高額請求をおこなうような悪徳業者は数百円など極端に安い価格を提示してユーザーの興味を引き、追加費用などの名目で高額な修理費用を請求してきます。
こちらは弊社のホームページに記載されている料金表の一部ですが、極端に安い金額を提示している業者ではなく、このように相場に見合うしっかりとした金額を提示している業者を選んで依頼するようにしましょう。
トイレ修理の相場を把握しておく
トイレの修理での高額請求を避けたいのであれば、トイレ修理の費用相場を把握しておくようにしましょう。
相場を把握しておけば極端に安い金額を提示している業者に依頼してしまうこともありませんし、極端に高い金額での依頼を避けることもできるようになります。
日頃から水回りトラブルに対応できる業者を比較検討しておく
つまりなどのトイレのトラブルはそう頻繁に発生するものではありません。
ただ、実際につまってから慌てて業者を探そうとすると悪徳業者に引っかかる可能性が高くなってしまうので、水回りのトラブルに対応できそうな業者を日頃からチェックし、比較検討しておくようにしましょう。
そうすることで、トラブルが発生してしまったときにも焦らず正しい業者に依頼できるようになります。
見積もりだけしてもらい複数業者を比較する
適切な金額で修理を依頼するには業者の比較が必要不可欠です。
時間と手間はかかりますが、いくつかの業者に見積もりを依頼し、それらを比較しながら選ぶようにすると、悪徳業者に騙される確率はかなり低くなります。
数日であればコンビニや商業施設のトイレを利用させてもらうこともできるので、可能であればこの方法を実践することをおすすめします。
見積もりを提示せず作業しようとした場合は中断してもらう
見積もりを提示せずにいきなり作業を始めようとする業者や契約書を発行せずに作業を始めるような業者には、トイレの修理を依頼するべきではありません。
トイレを修理する場合は、見積書や契約書を発行するのが一般的です。
見積もりも提示せずに作業を始めようとする場合は、作業を中断してもらうようにしましょう。
まとめ
トイレの修理に関する高額請求のトラブルはここ数年で急増しています。
悪徳業者による高額請求を避けるには、費用相場の把握や正しい対処法を把握しておくことが重要になるので、今回紹介した内容をしっかり把握しておくようにしましょう。
また、悪徳業者に依頼しないことが何よりも重要になってくるので、普段から業者をリサーチしたり比較検討するなどして、万が一のトラブルに備えておくようにしてください。