トイレの水漏れは、放置すると深刻な問題へと発展する可能性のある住宅トラブルです。突発的な水漏れに対して、補修テープによる応急処置が有効な場合もありますが、これはあくまでも一時的な対処方法です。
この記事では、補修テープの種類や正しい巻き方、テープで水漏れを直すときに覚えておきたいことについて解説します。自宅や会社のトイレから水漏れが発生したときやテープを使って水漏れを防ごうと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
トイレの水漏れは補修テープで直せる?
根本的に直すことはできない
補修テープは一時的な応急処置としては有効ですが、根本的な解決にはなりません。水漏れの原因は、配管の劣化やパッキンの破損、接続部分の緩みなど、多岐にわたります。
これらの問題は、テープで表面を覆うだけでは完全に解決することはできません。特に、水圧のかかる箇所や継続的な水の流れがある部分では、テープによる補修は長期的な解決策とはなりません。
また、テープの接着力は時間とともに低下し、水漏れが再発する可能性が高くなります。
水漏れを防げる補修テープの種類と特徴
仮補修テープ
仮補修テープは、漏水箇所を一時的に塞ぐための応急処置用テープです。水の存在する環境でも接着力を保つ特殊な素材で作られており、緊急時の対応に適しています。ただし、耐久性には限界があり、数日程度の使用が限度となります。
また、仮補修テープは一般的なホームセンター(コーナンやカインズ、ケーヨーデイツーなど)やドラッグストア、インターネット通販で購入することができます。
仮補修テープの商品例
- 1、住友スリーエム「スコッチ 配管補修テープ」1,000円前後
- 2、セメダイン「水漏れ補修テープ」800円前後
- 3、コニシ「ボンドテープ 水漏れ補修」900円前後
防水補修テープ
耐水性と耐久性に優れた補修テープで、比較的長期間の使用に耐えることができます。厚手のタイプが多く、水圧にも一定の耐性があります。ただし、接着面の状態や環境によって効果が大きく異なるため、使用前の表面処理が重要です。
また、防水補修テープは、ホームセンターや自動車用品店、インターネット通販で購入できます。近くにお店がない場合は、インターネットで購入するのがおすすめです。
防水補修テープの商品例と価格
- 1、エーモン「強力防水テープ」1,200円前後
- 2、ニトムズ「強力防水補修テープ」1,500円前後
- 3、寺岡製作所「防水アルミテープ」1,000円前後
シリコーン自己融着テープ
巻きつけることで層同士が融着し、強力な防水効果を発揮するテープです。伸縮性があり、複雑な形状にも対応可能です。特に配管部分の水漏れに効果を発揮しますが、正しい巻き方が必要です。
シリコーン自己融着テープは、他2種類のテープと同じようにホームセンターで購入することができます。ドラッグストアやスーパーでは扱っていない可能性があるため、探すのが面倒な方はインターネットで購入してください。
シリコーン自己融着テープの商品例
- 1、エスロン「自己融着テープ」2,000円前後
- 2、カクダイ「シリコン自己融着テープ」1,800円前後
- 3、レジテックス「シリコーンゴムテープ」2,500円前後
水漏れ箇所ごとの補修テープの選び方
便器と床の隙間からの水漏れは防水補修テープ
- 1、幅広タイプ(5cm以上)を選ぶ
- 2、強力な接着力を持つ製品を選ぶ
- 3、防カビ効果のある製品が望ましい
便器と床の隙間からの水漏れには、幅広の防水補修テープが最適です。水が床に染み出す範囲より広いテープを選び、便器の付け根に沿って貼り付けられるよう、柔軟性のある製品を選びましょう。防カビ効果のある製品を選ぶことで、湿気による二次被害も防ぐことができます。
また、床材を傷めないようにはがしやすいタイプを選ぶのがおすすめです。
配管やホースからはシリコーン自己融着テープ
- 1、耐圧性の高い製品を選ぶ
- 2、伸縮性のあるタイプを選ぶ
- 3、耐熱性のある製品が望ましい
配管やホースの水漏れには、シリコーン自己融着テープが最も効果的です。水圧がかかる箇所なので、耐圧性と耐久性に優れた製品を選びましょう。また、配管の形状に合わせやすい伸縮性のあるテープがおすすめで、より確実な補修ができます。
タンクや便器のひび割れは仮補修テープ
最適なテープ:仮補修テープ
- 1、透明または白色の製品を選ぶ
- 2、強力な防水効果のある製品を選ぶ
- 3、幅の広いタイプを選ぶ
タンクや便器のひび割れには、強力な防水効果を持つ仮補修テープが適しています。ひび割れの長さや幅に対して十分な大きさのテープを選び、見た目を考慮して白色や透明な製品を選びましょう。便器の曲面にもしっかりと密着する柔軟性のある製品が望ましいです。
【場所別】補修テープの正しい巻き方
トイレの便器と床の隙間から水漏れしているとき
便器と床の隙間からの水漏れに対しては、まず漏水箇所を完全に乾燥させることが重要です。防水補修テープを使用する場合は、便器の付け根に沿って慎重に貼り付けていく必要があります。テープは床面から便器側に向かって貼り、空気が入らないように慎重に作業を進めます。
ただし、この方法は一時的な対処に過ぎず、フランジ部分の修理や便器の据え直しが必要となる場合が多いです。
トイレがひび割れて水漏れしているとき
陶器部分のひび割れによる水漏れは、非常に危険な状態です。応急処置として補修テープを使用する場合は、まずひび割れの範囲を超えて十分な余裕を持たせます。テープは複数層に重ねて貼り付け、水圧に耐えられるようにします。
ただし、これはあくまでも一時的な措置であり、便器の交換が必要となる可能性が高いでしょう。
止水栓や水道管から水漏れしているとき
配管からの水漏れに対しては、シリコーン自己融着テープが最も効果的です。まず漏水箇所を特定し、表面の水気を拭き取ります。テープは管の周囲に50%程度重ねながら巻いていき、漏水箇所の両側に十分な余裕を持たせます。テープを引っ張りながら巻くことで、より強力な防水効果を得ることができます。
テープを使って水漏れを防ぐときの注意点・覚えておきたいこと
あくまでも応急処置にしかすぎない
補修テープによる処置は、専門業者に修理を依頼するまでの一時的な対策です。長期的な使用は避け、できるだけ早く適切な修理を行うことが重要です。放置すると、より深刻な問題に発展する可能性があります。
事前に汚れや埃は取り除いておく
補修テープの接着効果を最大限に引き出すためには、施工面の清掃が不可欠です。水気、油分、埃などを完全に除去し、可能であれば表面を軽く研磨することで、より確実な接着が期待できます。
隙間を作らないように巻く
テープを巻く際は、空気が入らないよう注意深く作業を進めます。特に配管部分では、テープを均一な力で引っ張りながら、50%程度重ねて巻いていくことが重要です。隙間があると、そこから水が染み出す可能性があります。
シールテープでは水漏れは防げない
配管用のシールテープは、ねじ込み部分の密閉性を高めるためのものであり、水漏れの修理には適していません。必ず水漏れ補修専用のテープを使用するようにしましょう。
トイレの水漏れを直すなら修理業者に依頼する
トイレの水漏れは、配管システムの一部で発生している問題の兆候である可能性があります。専門業者による点検・修理により、問題の根本的な解決が可能です。業者選びの際は、評判や実績、料金体系などを十分に確認することをお勧めします。また、修理の内容や費用について、事前に詳しい説明を受けることも重要です。
まとめ
補修テープによる水漏れ対策は、あくまでも応急処置として考えるべきです。根本的な解決のためには、専門業者による適切な修理が不可欠です。
水漏れの早期発見と迅速な対応が、トラブルの拡大を防ぎ、修理費用の削減にもつながります。日頃からの点検と適切なメンテナンスを心がけ、トイレの長寿命化を図りましょう。