トイレは私たちの日常生活に欠かせない大切な設備です。
しかしながら、不適切な使用をしてしまうと、トイレを詰まらせる原因となります。
特に、残った食べ物などをトイレに流すと、トイレの詰まりを引き起こしやすいのです。
そこでこの記事では、なぜ食べ物をトイレに流してはいけないのか、そしてもし詰まらせてしまった場合の対処法について解説します。
油分が多い食べ物や水に溶けない食べ物は、特に注意が必要です。正しい知識と対処法を学び、トイレを正しく、安全に使用しましょう。
目次
食べ物をトイレに流すのは危険!
食べ物は、トイレに流してしまうと、排水管を詰まらせる原因となります。
このため、トイレに食べ物を流すと危険です。
まず、以下二つのポイントを覚えてください。
- 油分が多いのでトイレを詰まらせる
- 食べ物は水に溶けずに残る
さらに以下からは、食べ物をトイレに流すべきでないそれぞれの理由を、具体的に説明します。
油分が多いのでトイレを詰まらせる
特に油分が多い食べ物は、トイレに流すと危険です。
たとえばラーメンの汁など、油分を多く含むものを流すと、その油が冷えて固まり、排水管の中で固まってしまいます。固まりが排水管の奥で詰まると、トイレが利用できません。
排水管が詰まると、水が流れなくなり、最悪の場合、専門の業者を呼んで修理してもらわなければならなくなることもあります。油分を多く含む食べ物は、トイレに流さないようにしましょう。
食べ物は水に溶けずに残る
食べ物とは、水に溶けてなくなるわけではありません。このため、トイレに食べ物を流すべきではないのです。
実際、トイレに食べ物を流してしまうと、食べ物は水に溶けずに排水管の中に残ってしまいます。その結果、排水管を詰まらせる原因となってしまうのです。
ただちに詰まることはないかもしれませんが、時間が経つにつれて、食べ物のかけらがトイレットペーパーや他のゴミと絡み合い、徐々に排水管の詰まりを引き起こすことがあります。
このような詰まりは後から大きな問題となりうるので、食べ物は決してトイレに流さないように心がけましょう。
食べ物をトイレに流して詰まった際の対処法
トイレに食べ物を流してしまったことによる詰まりは、家庭で起こりがちな問題です。
こうした問題が起きてしまったときのために、適切な対処方法を知っておきましょう。以下は、食べ物によるトイレの詰まりを解消する方法の一覧です。
- 手が届く範囲に食べ物が残っている場合は、簡単な道具を使う
- 掃除用洗剤や排水管用洗剤を使う
- ラバーカップを使う
- 真空式パイプクリーナーを使用する
- ワイヤーブラシを使う
- 水回りの専門業者に相談する
上記の方法の中で、自分一人だけで行う方法を試す際は、注意深く、安全に行ってください。また、詰まりを未然に防ぐためには、トイレに食べ物を流さないことが重要です。日頃から注意し、トイレを適切に使用しましょう。
それではここからは、各対処法について詳しく見ていきましょう。
手が届く範囲に食べ物が残っている場合は、簡単な道具を使う
トイレに食べ物を流した結果、手が届く範囲に食べ物が残ってしまったときの対処方法は以下の通りです。
- トングで回収する
- 網で回収する
- ゴミ袋やゴム手袋を使って手でかき出す
こうした状況では、まずは安全を考え、ゴム手袋をはめることから始めましょう。
トングや網を使用する場合は、食べ物を慎重につかみ、トイレの外に取り出してください。
もし手で直接取り除く必要がある場合もゴミ袋などを手に巻いてから行い、衛生面に注意しながら取り扱うようにしてください。
異物を取り除いた後は、トイレをしっかりと洗浄し、清潔に保つことが大切です。
こちらの対処法は、比較的簡単に行えます。もし、詰まりの原因が食べ物であるとわかっていて、手が届く範囲にあるのであれば、詰まりを早めに解消することが可能です。
掃除用洗剤や排水管用洗剤を使う
掃除用洗剤や排水管用洗剤を使用して、トイレの詰まりを解消する手順は以下の通りです。
- 適量の洗剤溶液をトイレに直接注ぐ
- 少量の温水を注ぎ、掃除用洗剤・排水管用洗剤が排水管内で広がるようにする
- 2時間から4時間(※使用する製品の取扱説明書の内容を優先してください)程度待機した後、トイレを流して詰まりが解消されているか確認する
掃除用洗剤や排水管用洗剤を使う方法は、特に油性の汚れに有効です。トイレに洗剤溶液を直接注ぎ、その後温水を少し加えることで掃除用洗剤や排水管用洗剤が排水管内を流れ、詰まりの原因となっている油分や食べ物のかけらを分解します。
掃除用洗剤や排水管用洗剤を試すときは、排水管を傷つけないタイプのものを選ぶことが重要です。
排水管を傷つけてしまうタイプの洗剤として、以下のタイプがあるため注意してください。
- 強酸性または強アルカリ性の洗剤:これらは排水管の材質を腐食させる可能性があります。特に、金属製の管に対して腐食性が高いです。
- 化学薬品を多量に含む洗剤:「次亜塩素酸ナトリウムと水酸化ナトリウム」といった化学成分は、排水管の内部を侵食する可能性があり、長期的には漏れや破損の原因となることがあります。
- 研磨剤を含む洗剤:物理的に排水管の内面を傷つける可能性があります。
掃除用洗剤や排水管用洗剤の使用後、2時間から4時間(※放置時間については、使用する製品の取扱説明書の内容を優先してください)程度待機した後、トイレを流して、詰まりが解消されているか確認しましょう。こうした方法は、簡単でありながら効果的な対処法の一つです。
ラバーカップを使う
ラバーカップを使用してトイレの詰まりを解消する手順は、以下の通りです。
- ラバーカップをトイレの排水口にしっかりと押し付ける
- 上下に激しく動かして空気圧を利用し詰まりを解消する
- 詰まりが解消されたかを確認し、必要に応じて操作を繰り返す
ラバーカップは、柄のついた大きなゴム製のカップです。
ラバーカップを使う方法は、物理的な力を利用して詰まりを解消する手法。ラバーカップを排水口にしっかりと密着させた後、上下に激しく動かして空気圧の変化を利用します。この動作により、詰まりを引き起こしている食べ物のかけらやその他の異物が排水管から押し出されます。
ラバーカップの使用は、一般的にも簡単で効果的な詰まり解消法として知られていますが、操作には少し力が必要です。詰まりが解消されない場合は、操作を数回繰り返すか、他の方法を試すことをおすすめします。
真空式パイプクリーナーを使用する
真空式パイプクリーナーを使用する際の手順は、次の通りです。
- 真空式パイプクリーナーの取扱説明書をよく読む
- クリーナーをトイレの排水口にしっかりと固定する
- 機械を起動させ、真空状態を作り出して詰まりを吸引する
- 詰まりが解消されたか確認し、必要に応じて操作を繰り返す
真空式パイプクリーナーは、強力な吸引力でトイレの排水管内の詰まりを除去する機械です。
真空式パイプクリーナーを使う方法は、食べ物の残骸やその他の異物が原因で起こる詰まりに対して、特に効果的です。
操作は比較的簡単ですが、機械の取扱説明書を事前に読み、正しく使用することが重要です。
機械を正しく設置し、起動させた後は、真空状態を利用して詰まりを吸引します。一度で解消しない場合は、操作を繰り返してください。
真空式パイプクリーナーは、「手の届かない場所」の詰まり解消に効果的です。
ワイヤーブラシを使う
ワイヤーブラシを使用する際の手順は次の通りです。
- ワイヤーブラシをトイレの排水口に挿入する
- ブラシを回転させながら奥に押し進める
- 詰まりをかき混ぜて分解する
- 詰まりが解消されたか確認し、必要に応じて「1~3」の操作を繰り返す
- 使用後はワイヤーブラシを清潔に保つ
ワイヤーブラシは、トイレの排水管内の固着した汚れや食べ物のかけらをかき混ぜて分解するのに適した道具です。
しかし、使用する際には便器を傷つけないよう注意が必要です。
ブラシを使うときは、ブラシをゆっくりと回転させながら奥へと進めていきます。詰まりがある部分を丁寧にかき混ぜることで、詰まりを除去できます。
詰まりが解消されたかの確認後に、必要に応じてこれまでの「ワイヤーブラシをトイレの排水口に挿入」、「ブラシを回転させながら奥に押し進める」、「詰まりをかき混ぜて分解する」操作を繰り返してください。使用後は、ブラシを清潔に保つために、ブラシを洗浄することも忘れずに。
水回りの専門業者に相談する
トイレの詰まりが発生した際、自分で対処せず水回りの専門業者に相談するべき状況もあります。具体的には以下のような場合です。
- 詰まりが頻繁に発生する場合
- 詰まりが深刻で自力で解消できない場合
- 排水管の奥に汚れがある場合
それぞれの状況では、無理に自分で対処しようとすると、問題を悪化させる可能性があります。
特に、排水管の奥に汚れがある場合や、詰まりが深刻な場合は、専門の知識と道具を持つ業者に依頼した方が安全です。
業者は問題を正確に診断し、適切な方法で迅速に解決してくれます。自分で解決できない場合や、詰まりが再発する場合は、早めに専門業者に相談しましょう。
食べ物が原因のトイレ詰まりのNG対処法
もしトイレに食べ物が詰まった場合、正しい対処法を知っていることが重要です。
一見、効果的に思えるトイレ詰まり対処法の中には、実際にはトイレの問題を解決するどころか、さらに大きなトラブルを引き起こす恐れのある方法が存在します。
以下のような間違った方法で対処してしまうと、状況を悪化させることがあるので注意しましょう。
- クエン酸と重曹を使う
- 熱湯をかける
そこで以下では、食べ物が原因でトイレが詰まった際に避けるべき2つの対処法について説明します。
クエン酸と重曹を使う
クエン酸と重曹は、一部の汚れを分解する効果があるものの、以下のような特徴を持っています。
クエン酸は、カルシウムなどのミネラルの沈着物を溶かす能力がありますが、油脂やたんぱく質を分解する力が少ないのです。
また重曹は、油分を乳化させます。しかしながら、固形の食べ物の残骸や、排水管に固着した大量の油分を完全に分解することはできません。
こうした理由から、クエン酸と重曹はトイレの詰まりとなる食べ物の残骸や油分を効果的に解消するには力不足です。
そして、家庭でよく使われる掃除用品ではあるものの、クエン酸と重曹はトイレの排水管のような狭く複雑な環境では、トイレ内の他の汚れを新たに掘り起こしてしまうことがあります。
また、クエン酸と重曹により掘り起こされた他の汚れと先の詰まり物質が合わさり、固まりを余計に大きくしてしまうことも。
さらにクエン酸と重曹が、もし排水管内で完全に溶け切らなかった場合などは、詰まりを引き起こした物質と結合してしまうこともあるのです。
こうした理由から、クエン酸と重曹はトイレの詰まりを解消する際には使うべきではありません。
熱湯をかける
熱湯は、トイレの陶器を急激に温めることで、ひび割れや破損の原因となり得ます。
このため、熱湯を使ってトイレの詰まりを解消しようとする方法は、リスクが高いのです。
トイレの便器は、急激な温度変化によって強度が低下し、最悪の場合、水漏れや完全な破損につながる可能性があります。
また、熱湯が原因で排水管の構造にダメージを与えることも。さらに、熱湯を流すことで一時的に流れが良くなったとしても、根本的な詰まりの原因を解消できるわけではなく、後で以下のようにさらに大きな問題が発生する可能性があるのです。
- 便器のひび割れや破損:急に温度が変わると、トイレの陶器が弱くなり、割れたり最後には壊れたりすることがあります。
- 水漏れ:トイレや排水管が傷つくことは、水漏れの原因です。
- 排水管へのダメージ:お湯を排水管に流すと、排水管が傷ついて、排水のシステム全体がうまく動かなくなることがあります。
こうした理由により、トイレの詰まりを解消しようと熱湯を使うことは避けてください。
まとめ
今回は、トイレに食べ物を流すことのリスクと、万が一食べ物が詰まってしまった際の適切な対処法について解説しました。
大切なことは、トイレは排泄物やトイレットペーパーを流す専用の場所であるため、トイレを詰まらせる原因となる食べ物の残骸や油分などは流さないようにすることです。
自分で対処するのが難しそうだと感じたら、専門業者に相談しましょう。つまりの状況によっては、自分で対応したことでつまりをさらに悪化させてしまうこともあります。
また、小さな問題と思えるものでも、放置すると大きなトラブルに発展する可能性があるので注意が必要です。
トイレは私たちの生活に欠かせない大切な設備です。そのため、正しい使用方法を守り、きちんとしたメンテナンスを行い、快適で衛生的なトイレ環境を維持しましょう。
以下の記事では、その他の主なトイレつまりの原因についてまとめていますので、困ったときはぜひ参考にしてみてください。