トイレの水位が急に下がってしまった経験はありませんか?この現象は、日常でのトイレ使いの中で突然起こりますが、多くの方は原因がわからないままにしてしまうのではないでしょうか。
この記事では、水位が下がる主な原因から、「つまり」が発生した際の対処法、さらには「つまり」以外で水位が下がる理由まで、幅広く解説していきます。さらには、トイレの水位低下に関する疑問にも答えています。
ぜひ、この記事を参考に、トイレの水位に関するトラブルを解決してください。
目次
トイレがつまると水位が下がるのはなぜ?
トイレの水位が下がる原因は、以下のとおりです。
- つまったトイレットペーパーが水を吸い上げるため
- 固形物が排水管を塞いでしまうため
以下からは、こうした原因についての対処法を詳しく解説していきます。
つまったトイレットペーパーが水を吸い上げるため
トイレがつまる原因として、トイレットペーパーが過剰に使われるなどして、排水管に流れたトイレットペーパーが水を吸って膨らみ、排水管を塞いでしまうことが挙げられます。
トイレットペーパーには水を吸収しやすい性質があります。この吸収作用は、毛細管現象によるものです。
毛細管現象とは、例えばアルコールランプの芯がアルコールを吸い上げるように、自然に何らかの隙間に液体が移動する物理現象です。トイレットペーパーが排水管に詰まり、そこへ毛細管現象により移動してきた大量の水が吸収されることで、トイレの水位が目に見えて下がることにつながります。
毛細管現象による水の移動は、トイレットペーパーの細かな繊維間に入り込むようにして行われます。この現象は自然界でも見られ、たとえば植物が根から水分を葉まで運ぶ際にも同様の原理が働いています。トイレットペーパーが詰まった場合、その細かな繊維が排水管内の水を集めてしまい、結果的に便器内の水位が低下するのです。
固形物が排水管を塞いでしまうため
固形物が排水管を塞いでしまうことも、トイレの水位を下げる一因です。
おもちゃやスマートフォンといった、水に溶けない物体がトイレに落ちてしまうと、これらが排水管内で詰まりを引き起こし、水の流れが阻まれます。その結果、トイレの水位が下がることになるのです。
このような詰まりは水の自然な流れを妨げ、トイレの機能に重大な障害をもたらす可能性があります。
トイレつまり以外で水位が下がる原因
トイレのつまり以外で水位が下がる現象として、以下のように複数の原因が考えられます。
- 水が蒸発している
- 誘引現象で水が減少している
- 流れる水の量が減っている
以下からは、トイレのつまり以外の理由で、水位が下がる原因それぞれについて詳しく解説していきます。
水が蒸発している
長期間トイレを使用しないことで、便器内の水が自然に蒸発してしまうことがあります。
特に、気温が高い季節や、換気が良すぎるトイレでは、水の蒸発が起こりがちです。蒸発した水の量によっては、水位が著しく下がることもあります。
しかし、この現象は水を一度流すことで簡単に解決します。水を新たに流せばトイレの水位がもとに戻り、再び正常に使えるようになるでしょう。
誘引現象で水が減少している
上階からの排水が原因で、トイレの水が誘引されてしまうことにより、自宅のトイレの水位が下がることもあります。これを誘引現象といいます。
誘引現象とは、建物の排水システム内で気圧の変化が起きた時に、関連して起こる現象です。たとえば、上階で水が流れる際に、強い流れや気圧の変化が起きた場合、下階のトイレの水を「吸い上げる」ようにして排水管に引き込むことがあります。
結果として、自宅のトイレの水位が下がることになり、場合によってはゴボゴボという音が発生することもあるのです。この現象は、建物全体の排水システムの構造に原因があるため、個別に対処するのが難しいケースもあります。
流れる水の量が減っている
トイレのタンク内部の部品が劣化や破損などしてしまっている場合、流れてくる水の量が減少してしまいます。これにより、水を流した時の水量が不足し、結果として便器内の水位が下がることがあるのです。
こうしたトラブルは、タンク内の部品を交換することで解決できます。タンクの破損チェックなどメンテナンスを定期的に行い、部品の状態を正常に保つことで、水位の低下を未然に防ぎましょう。
トイレの水位が下がった時にコポコポ音がするのはつまりのせい?
トイレの水位が下がり、その際に便器から「コポコポ」という音が発生する場合、トイレのつまりが原因となって起きています。
コポコポという音が起こる原因は、トイレの配管内がつまりによって負圧となり、空気が配管内に吸い込まれたことによるものです。
負圧とは、周囲の大気圧よりも圧力が低くなった状態を指します。通常、配管内部は外部の大気圧と同等かそれ以上の圧力を持っています。しかしこのバランスが崩れると、配管内の圧力が周囲の大気圧よりも低くなることがあるのです。
トイレの排水管内で負圧が発生し、その結果として外の空気が配管内に吸い込まれると、排水管は周囲の空気を吸い込むことで圧力のバランスを取ろうとします。このとき、水が空気により動かされることで「コポコポ」という音が発生するのです。
コポコポという音が発生した場合、トイレのつまりを疑いましょう。詳細については、「トイレの水位が低い現象に関する、コポコポとした音」について別途解説した記事を参照してください。
トイレの水位が戻れば放置しても大丈夫?
トイレの配管につまっていたと思われるトイレットペーパーが自然に流れたり、長時間トイレが使用されておらず水が蒸発したため一時的に水位が下がっていただけであれば、放置しても問題ないことはあります。
しかし、水位が下がる現象自体は、配管の詰まりや何らかの機能不全を意味している可能性が高いため、水位が戻らないのであれば放置すべきではありません。
特に、トイレがつまって水位が下がる場合、トイレの使用に支障をきたすだけでなく、最悪のときは汚水が逆流してくる恐れもあります。こうした状況では、速やかに原因を特定し、適切な対処を行う必要があります。
トイレつまりが原因で水位が下がる時の対処法
トイレがつまったことによる理由で、水位が下がってしまった時にできる対処法は以下です。
- 水やお湯をトイレに流す
- ラバーカップを利用する
- 固形物を回収する
- トイレ修理業者に依頼する
ここからは、トイレのつまりによって水位が下がったときの対処法について、詳しく解説していきます。
水やお湯をトイレに流す
トイレットペーパーのつまりが水位低下の原因である場合、水やお湯を流す方法を試してみましょう。水やお湯を使う理由は、トイレットペーパーが水に溶けやすい性質があるからです。
実際に行う際には、水や適度に温めたお湯(50℃以下)を、トイレに少しずつ、複数回に分けてゆっくりと流し込みます。こうすることでトイレットペーパーが徐々に溶けて詰まりが解消され、水位が元に戻るのです。
この方法は必要な道具も少なく簡単ですが、便器は熱湯に弱いことをしっかり覚えておきましょう。熱湯で便器を壊してしまわないように、お湯の温度は50℃程度にしてください。
ラバーカップを利用する
トイレのつまりを解消する際、水やお湯だけでは効果がないこともあります。そうした場合には、ラバーカップを使ってみましょう。
ラバーカップの基本的な使い方は、まずラバーカップを便器の排水口にしっかりと密着させた後、ゆっくりと押し下げ、急に引き上げる動作を繰り返します。
この一連の動作により、排水管内の水を強制的に流動させ、つまりを除去することができるのです。
また、ラバーカップには洋式用・和式用があるため、新しく購入する場合は事前にトイレのタイプに合ったものを調べておきましょう。
固形物を回収する
トイレにおもちゃやスマートフォンなど、トイレットペーパー以外の固形物が詰まってしまった場合は、ゴム手袋やビニール袋を手につけ、直接固形物を取り出しましょう。
あるいは、便器内に溜まっている水を灯油ポンプなどで抜き取ることで、便器の奥の方に浮かんでいる固形物が見える位置まで降りてきて、回収しやすくするという方法もあります。
固形物が原因のトイレのつまりに対してラバーカップを使用すると、つまりをさらに悪化させる恐れがあるため、使わないようにしてください。固形物による詰まりを防ぐためにも、普段からトイレに不適切な物を持ち込まないような注意をしておくことも必要です。
トイレ修理業者に依頼する
つまりが原因でトイレの水位が下がり、自分で対処する方法をとったとしても、つまりが解消しない場合があります。こうした状況では、トイレ修理業者への依頼を検討してみてください。
自分でできる方法があるからとなんとかしようと無理をしたことで、逆に状況を悪化させる可能性があります。
無理な対処をしてしまったことによって、追加の不具合・損害が起きてしまうと、業者に依頼する際の修理費用がさらに高くなってしまうので注意が必要です。
余計なコストを発生させないためにも、無理はせず早い段階でトイレの修理業者に依頼を出すことをおすすめします。トイレの修理業者であれば、専門的な知識と技術により、現在起きている問題を正確に診断し、適切な対応を行うことが可能です。
依頼する際は、信頼できる修理業者を見極めましょう。業者選びのポイントとしては、過去の実績、口コミや評判、対応の速さ、見積もりの明確さなどが挙げられます。また、緊急時に迅速に対応してくれるかどうかも、業者選定の際の重要な要素です。専門業者に依頼することで、トイレつまりのトラブルを根本から解決し、再発防止にもつなげることができます。
まとめ
この記事では、トイレの水位が下がる原因とその対処法について解説してきました。
トイレットペーパーや、固形物が原因でトイレにつまりを起こし、水位が下がることがある一方で、長期間のトイレ未使用による自然蒸発や、建物の排水システムの構造による誘引現象など、つまり以外の理由で水位が下がることがもあります。
トイレの水位が下がった際には、まずは原因を特定し、適切な対処を行うことが重要です。自身で解決できない場合は、迷わず専門の修理業者に相談することをおすすめします。
また、つまりのトラブルを未然に防ぐためには、日常的なトイレのメンテナンスや使用方法を見直すことも重要です。トイレの水位についてのトラブルが実際に起きてしまったら、ぜひこの記事を見返して解決してください。