トイレの便座が古くなったり故障したりした際、交換を検討される方は多いのではないでしょうか。
便座交換は、依頼すれば専門業者に任せられる作業ですが、実は正しい手順を踏めば自分でも交換することができます。
この記事では、便座の選び方から交換方法、業者に依頼する際の注意点まで、便座交換に関する情報をくわしく解説します。
初めて自分で便座交換をする方や専門業者に依頼したときの費用感について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
自分でトイレの便座は交換できるのか?
型番によっては便座のみの交換ができない
便座の交換作業は、一般的な工具があれば十分に対応可能です。
ただし、取り付けたい便座がトイレ本体と適合しているかどうかの確認が重要になります。特に古いタイプのトイレでは、現在販売されている便座と取り付け穴の位置が合わないことがあり、便器ごと交換する必要が出てきてしまいます。
また、最新の温水洗浄便座の中には、特殊な取り付け方法を採用している機種もあり、これらは専門の工具が必要になることもあります。
便座交換を検討する際は、まず手持ちのトイレの型番を確認し、適合している便座を選ぶようにしてください。
自分にあった便座の選び方
自分にあった便座の選び方は、以下の通りです。
- トイレを快適に使いたいなら「暖房便座」がおすすめ
- 安さを重視したいなら「普通便座」がおすすめ
トイレを快適に使いたいなら「暖房便座」がおすすめ
暖房便座は、寒い季節でも快適にトイレを使用できる機能を備えています。
特に冬場は冷たい便座に座るのを避けたい方も多く、この機能は重宝されています。最新の暖房便座には、温度調節機能が付いており、好みの温度に設定できるのです。
また、省エネ機能も搭載されており、使用頻度の少ない時間帯は自動で温度を下げるなど、電気代の節約にも配慮されています。
さらに、便座に座ると自動で暖房が作動し、離れると停止する人感センサー付きの機種もあり、より効率的な使用が可能です。
安さを重視したいなら「普通便座」がおすすめ
普通便座は、暖房機能や温水洗浄機能がない分、価格を抑えることができます。
構造がシンプルなため故障のリスクも少なく、メンテナンスも容易です。特に、夏場はむしろ冷たい便座の方が快適と感じる方も多く、季節を問わず使用できます。
また、電気代もかからないため、ランニングコストを抑えたい方にもおすすめです。最近の普通便座は、抗菌加工が施されているものも多く、衛生面でも安心して使用できます。
取り付けも比較的簡単で、初めての方でも自分で交換作業ができる可能性が高いのも特徴です。
メーカーごとのおすすめの便座
主要メーカーの人気商品をご紹介します。
- TOTO「アプリコットシリーズ」
- Panasonic「ビューティ・トワレ AWMシリーズ」
- LIXEL「New PASSO」
TOTO「アプリコットシリーズ」
TOTOのアプリコットシリーズは、きめ細かな温度調整が可能で、便座・温水・乾燥の全てにおいて快適な温度設定ができます。特に「瞬間式温水加熱」により、温水が切れることなく使用できる点が特徴です。また、節電機能も充実しており、使用状況に応じて自動で電力消費を抑える機能も搭載されています。
Panasonic「ビューティ・トワレ AWMシリーズ」
PanasonicのAWMシリーズは、独自の「泡コート」技術により、便器の汚れを付きにくくする機能が特徴です。温水シャワーの水圧調整も細かく設定でき、優しい洗い心地を実現しています。さらに、リモコンの操作性も良く、直感的に使用することができます。
LIXEL「New PASSO」
LIXELのニューパッソは、コンパクトなデザインながら高機能な温水洗浄便座です。「パワー脱臭」機能により、トイレの嫌な臭いを効果的に除去します。また、「スリム設計」により、狭いトイレでも設置しやすい点が特徴です。
通常タイプの便座を交換する方法
通常タイプの便座交換は、基本的な工具があれば対応可能です。以下の手順に従って作業を進めていきましょう。
- 1.便座のカバーを外す
- 2.固定ナットを緩める
- 3.古い便座を取り外す
- 4.便器の取り付け部分を清掃する
- 5.新しい便座を仮置きする
- 6.位置を調整して固定する
作業時間の目安は30分程度です。工具は、プラスドライバーとモンキーレンチがあれば十分です。
便座のカバーを外す
便座交換は、まず初めに古い便座のカバーを外してください。
多くの便座では、カバーの後ろ側に固定ボルトを隠すためのプラスチック製のカバーが付いています。このカバーは、指で軽く押すことで簡単に外れる設計になっています。
ただし、古いものは経年劣化で固くなっている場合もあるので、その場合はマイナスドライバーを使って破損しないように丁寧に作業するようにしてください。
固定ナットを緩める
カバーを外すと、便座を固定しているナットが見えてきます。このナットをモンキーレンチで慎重に緩めていきます。ナットは左右2か所あり、両方とも完全に外す必要があります。固定ナットが錆びついている場合は、潤滑剤を使用すると作業がスムーズになります。
また、緩める際は便座が急に動かないように、片手で便座を支えながら作業を行うことが重要です。
古い便座を取り外す
固定ナットを外したら、古い便座を持ち上げて取り外します。便座の裏側や便器との接触部分には汚れが付着している可能性が高いので、作業用手袋を着用して作業するのがおすすめです。
取り外した便座は適切に廃棄するか、リサイクルに出すようにしましょう。この時、便器に傷をつけないよう、慎重に作業してください。
便器の取り付け部分を清掃する
古い便座を取り外したら、便器の取り付け部分をしっかりと清掃します。
長年の使用で汚れや水垢が蓄積している可能性が高いため、中性洗剤を使用して丁寧に拭き取ります。特に、ボルトを通す穴の周りは入念に清掃することが重要です。清掃後は、完全に乾かしてから次の作業に移ります。
新しい便座を仮置きする
清掃が終わったら、新しい便座を便器に仮置きします。この時点では、まだボルトを完全に締め付けないようにしてください。
便座の位置を前後左右に微調整して、最適な位置を確認します。ボルトの穴位置が合わない場合は、便座が対応していない可能性があるので、再度適合を確認する必要があります。
位置を調整して固定する
便座の位置が決まったら、付属のボルトとナットで固定します。この時、左右均等に力を加えながら締め付けることが重要です。
締め付けすぎると便座や便器を破損する可能性があるので、適度な強さで固定します。最後に、便座が安定しているか、がたつきがないかを確認して作業完了です。
ウォシュレット・シャワートイレタイプの便座を交換する方法
- 1.電源プラグを抜く
- 2.給水を止める
- 3.ホースを外す
- 4.便座の固定ボルトを外す
- 5.古い便座を慎重に取り外す
- 6.便器の取り付け部分を清掃する
- 7.新しい便座を設置する
- 8.接続を確認して試運転する
電源プラグを抜く
温水洗浄便座の交換で最も重要なのは、安全に作業を完了させることです。
まず電源プラグをコンセントから抜き、完全に電源が切れていることを確認します。
プラグを抜く際は、コードを引っ張らずに、必ずプラグ部分を持って抜くようにしましょう。
また、プラグやコードに傷みや劣化がないかも、この機会に確認しておくのがおすすめです。
給水を止める
便座の取り外し作業の前に、必ず給水を止めます。給水栓は通常、便器タンクの横か下にあります。給水栓を時計回りに回して完全に閉めます。この時、水が完全に止まっていることを、実際に温水洗浄機能を動かして確認します。
ホースを外す
水が完全に止まったら、次に給水ホースの接続を外します。この際、必ずタオルか雑巾を下に敷いておきましょう。ホース内に残っている水が漏れる可能性があるためです。ホースを外す際は、専用のレンチを使用して、接続部分を慎重に緩めていきます。
便座の固定ボルトを外す
便座を固定しているボルトを外します。温水洗浄便座は通常の便座より重いため、落下させないように気を付けて作業してください。取り外しの際は、必ず両手でしっかりと支えながら作業を行います。
古い便座を慎重に取り外す
全ての接続を外したら、古い便座を慎重に取り外します。温水洗浄便座は重量があるため、取り外す際は腰を痛めないように無理をせず作業してください。取り外した便座は、リサイクルできる部分があるため、可能な限り分別して処分します。
便器の取り付け部分を清掃する
古い便座を取り外した後、便器の取り付け部分を入念に清掃します。特に給水管の接続部分は、水垢やカルキが付着している可能性が高いため、専用のクリーナーを使用して丁寧に清掃しましょう。清掃後は、完全に乾燥させてから次の作業に移ります。
新しい便座を設置する
新しい便座を取り付けます。この時、給水ホースが折れ曲がらないよう、配線にも注意を払いながら設置しましょう。便座の位置を調整し、付属のボルトで固定します。締め付けは均等に行い、片締めにならないよう注意します。
接続を確認して試運転する
全ての取り付けが完了したら、給水ホースを接続し、電源プラグを差し込みます。給水栓を開けて水漏れがないか確認し、各機能が正常に動作するかテストが必要です。異常が見られた場合は、すぐに使用を中止し、取り付けをやり直すか専門業者に相談しましょう。
トイレの便座交換が不安な場合は専門業者に依頼しよう
自分での便座交換に不安を感じる場合は、専門業者への依頼をおすすめします。
特に温水洗浄便座の交換は、電気と水回りの知識が必要となるため、安全面を考慮すると専門業者に任せるのがおすすめです。
業者に依頼することで、適切な工具と経験に基づいた確実な施工が期待できます。また、保証サービスが付くため、万が一の故障時にも安心です。
取り付け後の調整や使い方の説明まで丁寧に対応してくれる業者も多く、長期的な視点で見ると費用対効果は十分にあると言えます。
トイレの便座交換の費用相場
便座交換の費用は、便座の種類や工事の内容によって大きく異なります。
一般的な便座の場合、本体価格は5,000円から15,000円程度です。温水洗浄便座になると、30,000円から100,000円以上まで幅広い価格帯があります。工事費用は、通常の便座で5,000円から10,000円、温水洗浄便座で10,000円から20,000円が相場となっています。
ただし、既存の配管状態や便器の型によっては、追加工事が必要になる場合もあり、その場合は費用が上乗せされます。また、休日や緊急の依頼の場合は割増料金が発生することも考慮に入れておく必要があります。
トイレつまりの救急センターでは、休日や深夜・早朝料金無料で対応させていただくので、お気軽にご相談ください。
専門業者を選ぶ際のポイント
水道局指定工事店かどうかを確認する
水道局指定工事店の資格を持っているかどうかは、業者選びの重要なポイントです。
この資格は、地域の水道局が認定した信頼できる工事店であることを示す証明となります。
水道局指定工事店は、定期的な講習や技術研修を受けており、最新の設備知識と技術を持っています。
また、工事に関する保証も充実していることが多く、万が一の事故や不具合にも適切に対応してくれます。
見積もり内容を詳しく確認する
業者からの見積もりは、必ず詳細な内訳を確認しましょう。
見積もりには、便座本体の価格、工事費用、材料費、出張費などが明確に記載されているべきです。
追加料金が発生する可能性がある場合は、その条件も事前に確認することが重要です。
また、複数の業者から見積もりを取ることで、適正な価格かどうかの判断材料にもなります。
アフターサービスの内容を確認する
便座交換後のアフターサービスの内容も重要な選定基準です。保証期間や保証内容、故障時の対応時間、修理の範囲など、具体的なサービス内容を確認しましょう。
特に、24時間対応可能か、休日対応の有無なども確認しておくと安心です。また、定期的なメンテナンスサービスを提供している業者であれば、より長期的な安心感が得られます。
まとめ
便座の交換は、適切な知識と工具があれば自分でも可能な作業です。
ただし、温水洗浄便座の場合は電気と水回りの作業が必要となるため、経験がない方は専門業者への依頼をおすすめします。
便座選びの際は、自分のニーズや予算に合った製品を選択することが重要です。
また、専門業者に依頼する場合は、資格や実績、アフターサービスなどをしっかりと確認し、信頼できる業者を選びましょう。