トイレのさまざまな箇所に用いられているゴムパッキン。
水漏れを防ぐ重要なパーツであるゴムパッキンですが、消耗品であるため、使い続けていく中で徐々に劣化していくパーツでもあります。
ゴムパッキンが劣化すると、最終的にトイレから水漏れが発生するようになるため注意が必要です。
この記事では、トイレで水漏れが発生したときにゴムパッキンを交換して修理する方法を解説していきます。
ゴムパッキンが用いられている場所別に修理方法や修理の手順を紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
トイレで水漏れが発生する理由
トイレで水漏れが発生する理由はさまざまなので、まずはどういったことが原因で水漏れが起きるようになるのかを把握しておかなくてはいけません。
水漏れの主な原因としては、以下の4つがあげられます。
- ゴムパッキンの劣化
- 便器のひび割れ
- タンク内の部品の劣化・破損・故障
- ウォシュレットの劣化・破損・故障
それぞれの理由について詳しく解説していきます。
ゴムパッキンの劣化
トイレでは、さまざまな箇所にゴムパッキンが用いられていますが、このゴムパッキンが劣化すると水漏れが発生するようになります。
ゴムパッキンは配管と配管のつなぎ目などに用いられる部材で、配管の中を通る水が漏れ出てしまわないようにする役割を持っています。
ゴムパッキンが用いられている主な箇所は以下のとおりです。
- レバーハンドル
- ボールタップ
- トイレタンクの底
- 止水栓
- 給水管
- 分岐水栓
ゴムパッキンは消耗品で、10年ほどで寿命を迎えます。
使い続けていくうちに切れたり亀裂が入ったりすることで水が外に漏れ出るのを防げなくなり、その結果、水漏れが発生するようになるわけです。
この場合、古くなったゴムパッキンを新しいものに交換する必要があります。
便器のひび割れ
私たちが用を足す便器は陶器でできており、非常に高い耐久性を誇ります。
そのため、用を足したり掃除などのメンテナンスをする中で壊れてしまうことはほとんどありませんが、重量のあるものを思いっきりぶつけてしまったりすることで小さなヒビが入ってしまうことがあります。
また、便器は熱湯をかけられることを想定して作られているわけではないので、60度以上のお湯をかけることでヒビ割れてしまうことも。
ヒビが入った場所にもよりますが、便器の下側や床下との接合部分のあたりにヒビが入ると、そこから水漏れが発生する可能性があります。
この場合は、便器を新しいものに交換して対処する必要があります。
タンク内の部品の劣化・破損・故障
トイレの水漏れはタンクから発生することもあります。
トイレのタンクにはさまざまなパーツが設置されていますが、それらのパーツが劣化したり不具合が生じることで水漏れが発生するようになります。
この場合は、タンク内をチェックして不具合が発生しているパーツを見つけ、新しいものに交換することで対処可能です。
ウォシュレットの劣化・破損・故障
ウォシュレット付きのトイレを使用しているお宅も少なくないかと思いますが、そのウォシュレットから水漏れが発生することもあるため注意が必要です。
貯湯式のウォシュレットには水抜栓と呼ばれるパーツが配置されていますが、この水抜き栓の不具合によって水漏れすることもありますし、給水ホースの接続部分のナットが緩んで水漏れが発生することもあります。
この場合は、ウォシュレットの状態を確認し、水抜き栓を新しいものに交換したり、緩んでいるナットを締め直すなどの対応が必要になります。
フラッシュバルブの故障
ビルや施設のトイレには、フラッシュバルブと呼ばれるパーツが採用されています。
これは、水道管に直接取り付けられるタイプのパーツで、水圧で操作し、便器の洗浄をおこなうという役割を持っています。
フラッシュバルブが採用されているトイレで水漏れが発生している場合は、ここまで紹介してきた理由の他に、フラッシュバルブの故障による水漏れの可能性も考えられます。
フラッシュバルブにはピストンバルブと呼ばれるパーツが用いられていますが、このピストンバルブに不具合が生じると、水圧による水量の調節を適切におこなえなくなり、その結果、水漏れが発生してしまうようになるわけです。
この場合は、ピストンバルブの交換やフラッシュバルブ本体の交換が必要になります。
パッキンを交換してトイレの水漏れを直す方法
ゴムパッキンが劣化するとトイレから水漏れが発生するようになると紹介してきましたが、トイレはさまざまな場所にゴムパッキンが用いられているため、それぞれの箇所に適した方法での対応が必要です。
ゴムパッキンが用いられている箇所としては、以下の6つの箇所があげられます。
- レバーハンドル
- ボールタップ
- トイレタンクの底
- 止水栓
- 給水管
- 分岐水栓
ゴムパッキンを交換する手順はそれぞれの箇所によって異なるので、正しい交換の手順を把握しておくようにしましょう。
それぞれの箇所のゴムパッキンを交換する際の手順を詳しく解説していきます。
レバーハンドルに使用されているパッキンの交換方法
レバーハンドルに使用されているゴムパッキンを交換する際の手順は以下のとおりです。
- 止水栓を閉める
- 水を流してタンクの中の水を空にする
- レバーハンドルのチェーンを外す
- レバーハンドルを固定しているナットを外す
- レバーハンドルのゴムパッキンを新しいものに交換する
- 元に戻して止水栓を開ける
レバーハンドルのゴムパッキンを交換する際は、以下のものが必要になるので用意しておきましょう。
- マイナスドライバー
- モンキーレンチ
- 交換用の新しいゴムパッキン
まず、マイナスドライバーで止水栓を閉めてタンクに水が供給されないようにしたら、水を流してタンクの中の水を空にします。
レバーハンドルにはチェーンがついているので、そのチェーンを外し、ハンドルを固定しているナットを外したら、レバーハンドルに取り付けられているゴムパッキンを新しいものに交換しましょう。
後は、元に戻して止水栓を開け、水が供給されるようにするだけです。
作業が完了したら、レバーをひねって問題なく水を流せるか確認しつつ、水漏れが解消されているか確認しましょう。
ボールタップのパッキンの交換方法
ボールタップに用いられているゴムパッキンを交換するときの手順は以下のとおりです。
- 止水栓を閉める
- タンクの中の水を空にする
- 給水管からボールタップを取り外す
- ボールタップを固定しているナットを取り外す
- ボールタップのゴムパッキンを新しいものに交換する
- 元に戻して止水栓を開ける
実際に作業をおこなうときは、以下のものが必要になります。
- マイナスドライバー
- モンキーレンチ
- 交換用の新しいゴムパッキン
止水栓を閉めて水が供給されないようにした状態でタンクの中の水を空にしたら、モンキーレンチを使って給水管からボールタップを取り外しましょう。
後は、ボールタップを固定しているナットを取り外し、ゴムパッキンを新しいものに交換するだけです。
交換したら、それぞれのパーツを元に戻して止水栓を開け、水漏れが直っているか確認しましょう。
トイレタンクの底に使用されているパッキンの交換方法
トイレタンクの底に使用されているゴムパッキンを交換する際の手順は以下のとおりです。
- 止水栓を閉める
- タンクの中の水を空にする
- 給水管を取り外す
- タンク固定用のナットを取り外す
- トイレタンクを取り外す
- トイレタンクの底に設置されているゴムパッキンを交換する
- 元に戻して止水栓を開ける
実際に作業をおこなうときは、以下のものが必要になります。
- マイナスドライバー
- モンキーレンチ
- 交換用の新しいゴムパッキン
止水栓を閉めてタンクの中の水を空にしたら、給水管を取り外しましょう。
トイレタンクはナットで固定されているので、モンキーレンチを使ってナットも取り外します。
ナットを取り外してタンク本体を取り外したら、タンクの底に設置されているゴムパッキンを新しいものに交換します。
後は、元に戻して止水栓を開け、水が供給されるようにするだけです。
作業が完了したら、水が供給されるかどうかと、水漏れが解消されているかどうかを確認しましょう。
止水栓のパッキンを交換方法
止水栓に用いられているゴムパッキンを交換する際の手順は以下のとおりです。
- 止水栓を閉める
- ナットを取り外す
- 三角パッキンとコマパッキンを新しいものに交換する
- 元に戻す
止水栓に用いられているゴムパッキンを交換する際は、以下のものが必要になります。
- マイナスドライバー
- ウォーターポンププライヤー
- 交換用の新しいゴムパッキン
止水栓を閉めたら、ウォーターポンププライヤーを使ってナットを取り外します。
止水栓には三角パッキンとコマパッキンが用いられているので、劣化しているものを新しいものに交換しましょう。
後は、元に戻して水漏れが解消されているかどうか確認するだけです。
給水管に使用されているパッキンの交換方法
給水管に使用されているゴムパッキンを交換する際の手順は以下のとおりです。
- 止水栓を閉める
- 給水管のナットを取り外す
- ナットを取り外した部分に設置されているゴムパッキンを新しいものに交換する
- 元に戻す
実際に作業をおこなうときは以下のものが必要になります。
- マイナスドライバー
- モンキーレンチ
- 交換用の新しいゴムパッキン
止水栓を閉めて水が供給されない状態にしたら、タンクと給水管の間にあるナットをモンキーレンチで緩めて取り外します。
ナットを取り外した箇所にゴムパッキンが設置されているので、古いものを取り除いて新しいものに交換しましょう。
交換が完了したら、元に戻して止水栓を開け、水漏れが解消されているか確認してください。
分岐水栓のパッキンを交換方法
分岐水栓のゴムパッキンを新しいものに交換する際の手順は以下のとおりです。
- 止水栓を閉める
- ナットを取り外す
- ゴムパッキンを新しいものに交換する
- 元に戻す
作業をおこなう際は以下のものが必要になるので揃えておきましょう。
- マイナスドライバー
- モンキーレンチ
- 交換用の新しいゴムパッキン
まずはマイナスドライバーを使って止水栓を閉め、水が供給されないようにします。
給水栓と分岐水栓を接続しているナットを取り外したら、古いパッキンを取り除いて新しいものに交換しましょう。
後は、元に戻して止水栓を開け、水漏れが解消されているか確認するだけです。
自分でトイレのゴムパッキンを交換するときの注意点
業者に依頼せずに自分でトイレのゴムパッキンを交換する場合は、ゴムパッキンのサイズに注意しましょう。
ゴムパッキンにはさまざまなサイズがありますが、正しいサイズのものを選ばないと水漏れを防ぐことはできません。
サイズの小さいものを選んでしまうとうまく設置することができませんし、大きいものに交換してしまうと、隙間ができて水漏れの症状が悪化してしまう可能性があるので、サイズ選びは慎重におこなうようにしてください。
ゴムパッキンはホームセンターや通販で購入できますが、ホームセンターで購入する場合であれば、古いゴムパッキンをお店に持っていって選ぶようにするとサイズ選びで失敗しづらくなるのでおすすめです。
まとめ
トイレで水漏れが発生する理由はさまざまですが、ゴムパッキンの劣化が原因で水漏れしてしまっている場合は、古いゴムパッキンを新しいものに交換しなくてはいけません。
ただ、トイレはさまざまな場所にゴムパッキンが用いられているので、今回紹介した内容を参考にしながら、正しい方法・正しい手順で交換するようにしましょう。
また、注意点として紹介したとおり、ゴムパッキンにはサイズがあります。
異なるサイズのゴムパッキンに交換してしまうと水漏れを解消することはできないので、必ず正しいサイズのゴムパッキンを購入して用いるようにしてください。