トイレのつまりにも有効な家庭用の洗剤ですが、「本当に家庭用の洗剤でつまりを解消できるの?」とその効果を疑っている方は多いのではないでしょうか?

また、ひとくちに「洗剤」と言っても種類が多く、どの洗剤を使えばいいかわからず悩んでいるという方も少なくないかと思います。

そこでこの記事では、トイレのつまりを洗剤で解消する方法について紹介していきます。

洗剤の種類とそれぞれの洗剤で解消できるつまりの種類、おすすめの洗剤や実際に作業する際の注意点など詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。

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トイレつまりには洗剤が有効?

一般家庭で購入・使用できる洗剤には、以下の3つの種類があります。

  • 中性洗剤
  • アルカリ洗剤
  • 酸性洗剤

これらの洗剤はトイレのつまりにも有効です。

ただ、それぞれ特徴が異なり、つまりの症状によって使い分ける必要があるため、どの洗剤がどういったつまりに有効なのか把握しておかなくてはいけません。

それぞれの洗剤の特徴を詳しく解説していきます。

また、おすすめの洗剤については記事の後半で紹介しています。

中性洗剤

中性洗剤は、アルカリ性と酸性、両方の性質を持っている洗剤です。

一般家庭で使用する洗剤としては、食器用の洗剤が中性洗剤にあたります。

アルカリ性の洗剤や酸性の洗剤ほど洗浄力は高くありませんが、アルカリ性と酸性のどちらの汚れにも対応できますし、洗浄力が高くない分、肌へのダメージが少ないというメリットもあります。

完全に詰まっているわけではないものの、流れが悪いなど軽度なトイレのつまりに最適な洗剤です。

アルカリ洗剤

アルカリ洗剤は、その名のとおりアルカリ性の性質を持つ洗剤で、酸性の汚れを落としやすいという性質があります。

塩素系の洗剤や漂白剤などがアルカリ洗剤に該当します。

非常に強力な洗剤で、黒ずみや黒カビ、油汚れやたんぱく質由来の頑固な汚れにも対処可能です。

また、排泄物や髪の毛、トイレットペーパーなどによって発生するトイレのつまりにも有効で、これらを溶かして分解し、つまりを解消させることができます。

酸性洗剤

酸性洗剤は酸性の性質を持つ洗剤で、こちらも強力な洗浄力を誇ります。

尿石などアルカリ性の汚れに効果を発揮する洗剤で、尿石によって発生するトイレのつまりを解消するのによく用いられます。

トイレ用の洗剤として販売されている市販の洗剤は酸性のものがほとんどです。

トイレで発生する嫌なにおいや水垢にも効果を発揮し、定期的に便器に流し入れて掃除することでにおいや汚れを予防できるので、つまりが発生したときだけでなく日々のメンテナンス用としてもよく用いられます。

洗剤が効かないトイレつまりの原因

トイレのつまりは家庭用の洗剤でも解消できますが、すべてのつまりを洗剤で解消できるわけではありません。

排泄物やトイレットペーパーなど水に溶けるものや髪の毛、尿石によるつまりであれば適切な洗剤を使用することで解消できますが、以下のものによって引き起こされるつまりを解消することはできません。

  • スマートフォン
  • 文房具
  • アクセサリー
  • おもちゃ
  • おむつ
  • 生理用品
  • ウェットティッシュ
  • おしりふき

基本的には固形物など水の溶けないものによって発生するつまりは、洗剤では対処できないと考えておくべきです。

固形物やおむつ、生理用品など水に溶けないものによってトイレがつまった場合、無理に潜在で対処しようとすると状況を悪化させてしまいかねません。

つまりが悪化して便器から汚水が溢れると床の清掃や修理が必要になる可能性がありますし、排水管から水漏れが発生し、大掛かりな修理が必要になる可能性もあります。

集合住宅の場合、水漏れによって階下の部屋に迷惑をかける可能性もあります。

そのため、その他の適切な方法での対応が必要になるわけです。

トイレつまりを洗剤で解消する方法

つまりの原因によっては家庭用の洗剤で解消できると紹介してきましたが、解消するためには正しい方法・正しい手順で対応しなくてはいけません。

ここからは、洗剤でトイレのつまりを解消する方法・手順を、洗剤の種類別に詳しく解説していきます。

中性洗剤

中性洗剤を使ってトイレのつまりを解消する方法の具体的な手順は以下のとおりです。

  1. 便器の水を汲み出して水量を調整する
  2. 中性洗剤を100cc程度注ぎ入れる
  3. お湯を流し入れる
  4. 30分ほど放置して様子を見る
  5. 水を流してつまりが解消されたか確認する

洗剤を使用する方法では途中でお湯を流し入れる必要があるため、便器の中の水が溢れてしまわないよう、事前に便器の中のお湯を汲み出して水量を調整しておく必要があります。

紙コップや灯油ポンプを使ってある程度汲み出しておくようにしましょう。

お湯を流し入れる際は、温度に注意するようにしてください。

便器は熱湯に弱く、割れる可能性があるので、お湯の温度は40〜60度に留めておくようにしましょう。

お湯を流し入れて30分ほど放置したら、水を流し入れてつまりが解消されたか確認してください。

つまりが解消されている場合、スムーズに水が流れていくはずですし、便器の中の水が上昇することもありません。

アルカリ洗剤

アルカリ性の洗剤を使ってトイレのつまりを解消する際の具体的な手順は以下のとおりです。

  1. 便器の水を汲み出して水量を調整する
  2. 洗剤の容器に記載されている分量で薄めて便器に注ぎ入れる
  3. 30分ほど放置して様子を見る
  4. 水を流してつまりが解消されたかを確認する

基本的な手順は中性洗剤を使用するときと変わりません。

薄める際の水との分量はそれぞれの洗剤によって異なるので、使用する際は容器に記載されている内容をしっかりと確認した上で使用するようにしてください。

便器の中に溜めておくべき水の量は1Lほどなので、それを目安に洗剤の量を考え、投入するようにしましょう。

酸性洗剤

酸性の洗剤を使ってトイレのつまりを解消する際の具体的な手順は以下のとおりです。

  1. 便器の水を汲み出して水量を調整する
  2. 洗剤の容器に記載されている分量を便器に注ぎ入れる
  3. 15分ほど放置して様子を見る
  4. 水を流して詰まりが解消されたか確認する

酸性洗剤は水に薄めずに使用するタイプの洗剤です。

尿石が溜まっている場所などに直接ふりかけることでつまりを解消していきます。

洗剤を投入した後は15分ほど放置し、水を流し入れて詰まりが解消されたかどうか確認しましょう。

トイレつまりに洗剤を使う時の注意点

実際に洗剤でトイレのつまりを解消する際は、以下の点に注意しながら作業する必要があります。

  • 使用方法をよく確認する
  • 種類の異なる洗剤を混ぜない
  • 換気を行う
  • 解消しないからと無理に何度も行わない

アルカリ性の洗剤や酸性の洗剤などを使って作業する際は特に注意が必要です。

それぞれの注意点について詳しく解説していきます。

使用方法をよく確認する

中性洗剤を使ってトイレのつまりを解消する場合はそれほど気にする必要はありませんが、アルカリ性の洗剤や酸性の洗剤を使用するときは、必ず使用方法をよく確認した上で使うようにしてください。

アルカリ性の洗剤や酸性の洗剤は非常に強力な洗剤なので、用法用量を守って使わないと便器や排水管を劣化させてしまう可能性があります。

使用方法や分量の考え方、使用する上での注意点は容器の側面や裏側に記載されているので、それらを確認してから使用するようにしましょう。

種類の異なる洗剤を混ぜない

アルカリ性の洗剤と酸性の洗剤は非常に強力な洗剤です。

そのため、「混ぜて使えばもっと洗浄力が高まるんじゃないか」と考えてしまいがちですが、混ぜ合わせても洗浄力が増すことはありません。

何より、アルカリ性の洗剤と酸性の洗剤を混ぜ合わせると有毒ガスが発生し、人体に影響をあたえる可能性があり、大変危険です。

一度に2種類以上の洗剤を使用する場合は、混ぜずに使用するようにしてください。

空き容器に別の種類の洗剤を移し替えて使用する行為も大変危険な行為なので、絶対におこなわないようにしてください。

換気を行う

先述したとおり、アルカリ性の洗剤と酸性の洗剤を混ぜてしまうと有毒ガスが発生します。

そのため、混ぜて使わないことがとても重要ですが、意図せずに混ぜてしまう可能性もゼロではありません。

また、アルカリ性の洗剤はにおいがキツく、単体で使用していても気分が悪くなるなどの影響が出ることがあるので、アルカリ性の洗剤や酸性の洗剤を使って作業する際は必ず換気しながらおこなうようにしてください。

トイレに窓が設置されている場合は窓を開け、ドアも開けておくようにしましょう。

また、換気扇を回しながら作業をおこなうようにしてください。

もし作業中に気分が悪くなってしまった場合は、作業を中断し、風通しのいい場所で休憩するなど体調に注意しながら作業するようにしましょう。

解消しないからと無理に何度も行わない

トイレのつまりには洗剤で解消できるものと洗剤では解消できないものがあります。

また、排泄物やトイレットペーパーによるつまりなど、洗剤で解消できるつまりであっても必ず解消できるわけではありません。

つまりが解消されなかった場合、何度も繰り返し作業したり強引につまりを解消したりしようとする人もいますが、状況を悪化させる可能性があるためそういった対応は控えるべきです。

また、アルカリ性の洗剤や酸性の洗剤を使用している場合、洗剤が皮膚や目、口などの粘膜に付着して傷つけてしまう可能性もあります。

つまりが悪化した場合、修理費用も高額になるので、無理な対応は避けるようにしましょう。

トイレつまりの症状別おすすめ洗剤の紹介

ひとくちに中性洗剤やアルカリ性洗剤、酸性洗剤と言っても種類が多く、「どの洗剤を購入すればいいかわからない」という方も少なくないかと思います。

そこでここからは、洗剤の種類別におすすめの製品を紹介していきます。

中性洗剤:チャーミーVクイック

チャーミーVクイックは、日本を代表する生活用品メーカーであるLION(ライオン)の食器用洗剤です。

洗浄力に定評のある洗剤で、しつこい油汚れもしっかりと洗い流してくれるので、便器の内部の汚れでトイレの流れが悪くなったときなどに重宝します。

柑橘系の香りがほのかに香る製品で刺激臭はありませんし、他の洗剤のように混ぜて有毒ガスが発生するようなこともないので安心して使用できます。

中性洗剤を使ってトイレの詰まりを解消する際におすすめの洗剤です。

アルカリ洗剤:除菌洗浄トイレハイター

アルカリ性の洗剤でトイレの詰まりを解消したいときにおすすめなのが、大手消費財化学メーカーである花王が製造・販売している除菌洗浄トイレハイターです。

除菌洗浄トイレハイターはアルカリ性の洗剤の中でも特に洗浄力の高い洗剤として知られており、排泄物やトイレットペーパー、髪の毛によるつまりを解消するのにうってつけです。

漂白効果もあるので汚れにも効果を発揮しますし、トイレの嫌なにおいも解消してくれます。

酸性洗剤:サンポール

酸性の洗剤でトイレのつまりを解消したいときは、定番商品のサンポールを使いましょう。

サンポールは、衛生薬品の製造・販売をおこなっている金鳥の製品で、尿石によって引き起こされるトイレのつまりに効果を発揮します。

定番の製品でドラッグストアなどで手軽に購入できる点もサンポールの魅力の一つです。

洗剤でトイレつまりが解消できない場合はトイレ修理業者に依頼する

ここまで紹介してきた洗剤を用いるトイレのつまりの解消法を実践してもつまりを解消できない場合は、無理に自分で対処しようとせずにトイレの修理業者に依頼するようにしてください。

アルカリ性の洗剤や酸性の洗剤など強力な洗剤を使ってもつまりが解消されない場合、業務用のより強力な洗剤が必要な可能性があります。

また、つまりの度合いやつまりの原因によっては便器の脱着が必要になることもあるので、業者に依頼して適切な方法で対処してもらうのが一番です。

紹介してきたとおり洗剤では解消できないタイプのつまりもあるので、原因を特定できない場合も業者に依頼するようにするべきだと言えるでしょう。

無理に自分で対処しようとすると、状況を悪化させて大掛かりな修理が必要になり、修理費用が高額になってしまうことも想定されるので、なるべく早いタイミングで業者に相談するようにしてください。

まとめ

家庭用の洗剤にはいくつか種類がありますが、ちょっとした汚れによるつまりであれば中性洗剤で解消できますし、排泄物やトイレットペーパーによるつまりであればアルカリ性の洗剤で解消できます。

また、尿石など汚れによって発生するつまりには酸性の洗剤が効果的です。

いずれの洗剤もホームセンターなどで購入できるので、トイレがつまったときはぜひ試してみてください。

ただ、固形物による詰まりを洗剤で解消することはできないので、洗剤で対処できない場合は業者に依頼して適切な方法で修理してもらうようにしましょう。

以下の記事では、トイレが詰まった時にスッポンがない場合のその他の対処方法をまとめていますので、困ったときはぜひ参考にしてみてください。

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