トイレの詰まりは、日常生活の中で突然起こってしまうものです。

 

そのようなトラブルを迅速に解消するためには、適切な道具と方法が必要です。中でもパイプクリーナーは、トイレのつまりを効果的に解消するための道具であることを知っていますか。

 

本記事では、トイレ詰まりを解消するためにパイプクリーナーを使う方法について、詳細に解説します。

 

パイプクリーナーの種類、使い方、そしてそれぞれの特徴についても詳しく説明しますので、トイレの詰まりに困っている方はぜひ参考にしてみてください。

トイレ詰まりを解消できるパイプクリーナーの種類

パイプクリーナーには、次の4種類があります。

 

  • 液体タイプ
  • 粉末タイプ
  • ワイヤー式タイプ
  • 真空式タイプ

 

ここからは、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

液体タイプ

液体タイプのパイプクリーナーは、排水管に直接流し入れることで、内部に付着した汚れやヘドロを化学的に分解して洗浄するタイプの商品です。

 

液体タイプは、軽度から中度のつまりに対して効果を発揮します。

 

液体タイプのメリットは、その使いやすさと即効性です。短時間で効果を確認できるため、急ぎの場合でも対応できます。

 

ただし、人体に刺激の強い成分が含まれているため、取り扱いには注意が必要です。皮膚に触れないようにし、使った後はしっかりと換気を行うなど注意点があります。

 

また、配管を傷める可能性があるため、使用頻度にも気をつけなければなりません。

粉末タイプ

粉末タイプのパイプクリーナーは、水に溶かして使うことで、液体タイプと同様の洗浄効果が期待できる商品です。

 

粉末を排水口に入れ、水を流すことで、化学反応を引き起こし、つまりの原因となる汚れを分解します。

 

粉末タイプは、液体タイプと比べて保管がしやすく、使う時に手に洗浄剤が付着する恐れが少ないことがメリット。特に、粉末が水に溶けることで効果を発揮するため、排水管の奥深くまで行き渡りやすく、しっかりと汚れを除去します。

 

粉末タイプのパイプクリーナーは、長期間使わない場合でも劣化しにくく、保存が簡単であるため、家庭での常備品としてもおすすめです。ただし、使う時には適切な換気と安全対策を行わなければなりません。

ワイヤー式タイプ

ワイヤー式タイプのパイプクリーナーは、物理的につまりを取り除くための道具です。

 

長いワイヤーの先にブラシやフックがついており、排水管内に挿入してつまりの原因を直接除去します。

 

ワイヤー式タイプは、液体タイプや粉末タイプでは対応できない頑固なつまりにも効果的です。

 

値段は1,000円から3,000円と少し高いですが、その分確実につまりを解消できます。一方で、使い方にはコツが必要で、初めて使う場合は少し慣れが必要かもしれません。

 

使い方を間違えると排水管を傷つけることがあり、水漏れの原因になることもあります。力任せに押し込まず、優しく使うことが大切です。

 

また、長いワイヤーを収納するスペースも必要です。さらに使用後はしっかりと清掃し、乾燥させてから保管しましょう。

真空式タイプ

真空式タイプのパイプクリーナーは、排水管内を真空状態にし、つまりの原因を物理的に押し引きして解消する商品です。

 

真空式のラバーカップにポンプがついているような形であり、ラバーカップよりも強力な吸引力を持ち、効果的に詰まりを解消します。使い方にハンドル操作が必要であることも特徴です。

 

価格は1,000円から2,000円程度で、購入後に組み立ては不要です。

 

真空式パイプクリーナーを買う時は、カップの形や種類をよく確認しましょう。浴室とトイレで使いたい場合は、衛生面を考えてカップが取り外せるタイプが便利です。

 

大きさの違う交換用のゴムが付属している商品であれば、使う場所に応じて適切なゴムを使い分けることができます。たとえば浴室用なら、排水口より大きく、先端に突起がないゴムが適しています。

 

ラバーカップがなくて困っている場合は、以下の記事も参考にしてみてください。

トイレが詰まったけどスッポンがない!身近なもので代替する方法

パイプクリーナーで解消できるトイレ詰まりの原因

パイプクリーナーで解消できるトイレ詰まりは、汚物やトイレットペーパーなど水に溶けるものが原因の場合です。

 

パイプクリーナーは、こうした有機物を化学的に分解することで、排水をスムーズにします。特に、液体タイプや粉末タイプのパイプクリーナーは、汚物やトイレットペーパーを効率的に分解し、詰まりを解消します。

 

汚物やトイレットペーパーが原因の場合、排水管内に詰まった物質を溶解することで、流れが改善されます。パイプクリーナーの成分や部品が詰まりに直接効き、分解された物質が水とともに流れ出るため、効果的に詰まりを解消できます。

 

トイレが詰まる原因について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

トイレのつまりの原因は?つまった時の対処法と予防策を紹介

パイプクリーナーで解消できないトイレ詰まりの原因

おもちゃやスマホなどの固形物や、水に溶けないウェットティッシュやおむつが原因のトイレ詰まりは、パイプクリーナーでは解消できません。

 

このような場合、無理せずトイレ修理業者に依頼してください。

 

パイプクリーナーは有機物に効果がありますが、固形物や水に溶けない異物には無効です。

 

特に固形物を無理に取り除こうとすると配管を傷つける恐れがあり、ウェットティッシュやおむつも水を含んで詰まりを悪化させることがあります。専門家の助けを求めることが最善です。

 

ウェットティッシュなど紙製品でのトイレつまりについてより詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

トイレのウェットティッシュつまりを解消する方法を解説

パイプクリーナーを使ってトイレ詰まりを解消する手順

ここからは、パイプクリーナーを使ってトイレ詰まりを解消する手順を、各タイプごとにそれぞれ説明します。まずはそれぞれ、付属の説明書などを熟読しておきましょう。

 

液体タイプ・粉末タイプ・ワイヤー式タイプ・真空式タイプと、種類ごとに利用手順が異なるため、充分注意してください。

液体タイプ

液体パイプクリーナーは、排水溝や排水管の汚れに触れずに掃除できることがメリットです。

 

このメリットを活かすため、以下の正しい手順で使いましょう。

 

  1. 準備:洗浄剤は強力なので、使う時はマスクやゴム手袋、メガネ(ゴーグル)をつけて、目や口、肌に触れないように注意しましょう。また、使用中は窓を開けて換気してください。
  2. 洗浄剤の投入:パッケージに書いてある量の洗浄剤を排水溝に流し込みます。排水管の内側に沿って流し入れると、汚れが落ちやすくなります。
  3. 放置:洗浄剤を流した後は、15分から30分ほどそのままにして汚れを溶かします。
  4. すすぎ:最後に、大量の水を勢いよく排水溝に流して、洗浄剤と溶けた汚れを洗い流します。

この手順を守ることで、液体パイプクリーナーを効果的に使い、排水管の汚れをしっかりと落とすことができます。

粉末タイプ

固形や粉末タイプのパイプクリーナーは、水に溶けると洗浄液になります。

 

液体タイプと違い、手に付く心配が少なく、扱いやすいのが利点です。ただし、水がない状況では効果が出にくいです。

 

使い方は、投入・待機・すすぎ、の順が基本。流れは以下の通りです。

 

  1. 洗浄剤の投入:パッケージに書いてある量の洗浄剤を排水溝に入れます。
  2. 放置:洗浄剤を入れた後、15〜30分待ちましょう。洗剤が汚れを分解しやすくなります。
  3. すすぎ:最後に、大量の水を排水溝に流して、洗浄剤と汚れを洗い流してください。必要に応じて同じ作業を繰り返し、つまりを解消します。

 

パイプクリーナーが手についたら、すぐに洗い流してください。洗剤は皮膚の成分も分解してしまうため、手がヌルヌルすることがあります。これは皮膚のたんぱく質が分解されている証拠です。石けんは使わず、水だけでしっかり洗い流しましょう。

 

パイプクリーナーは、家庭用から業務用までさまざまな種類があります。業務用は特に成分が強力なので、慎重に使う必要があります。

ワイヤー式タイプ

ワイヤー式パイプクリーナーの使い方は、以下の通りです。

 

  1. ワイヤーの固定ネジを緩め、ワイヤーの先端部分を排水管の詰まり箇所まで慎重に送り込み、ネジを締めて固定する
  2. ハンドルを時計回りに回転させてワイヤーを進め、詰まりを解消する
  3. 掃除が終わったら固定ネジを再び緩めてワイヤーを引き出し、元の位置に戻してネジを締め作業完了

 

この手順を守ることで、ワイヤー式パイプクリーナーを安全かつ効果的に使用できます。

真空式タイプ

真空式タイプのパイプクリーナーを使った、トイレ詰まりを解消する手順は以下の通りです。

 

  1. 真空式パイプクリーナーのカップを便器の穴にしっかり当て、穴にぴったりはまらない場合はバケツで水を追加する
  2. トイレの水からカップを引き上げ、ハンドルをゆっくり押して真空を作り、詰まりを解消する準備を整える
  3. カップを便器の穴に強く押し付け、ハンドルを勢いよく引く動作を繰り返す
  4. 最後に、水がスムーズに引くか確認し、念のためバケツの水を流してもう一度確認する

 

一度で改善されない場合は、各動作を何度か繰り返してください。

 

トイレットペーパーなどの柔らかい物が原因なら、この方法で解消できますが、固い物が原因の場合は手や道具を使って取り出す必要があります。

 

詰まりの原因が引き出されたりして戻ってきたら、ビニール手袋をして便器の中に手を入れ、取り出してください。取り出さないと、再度詰まる可能性があります。

まとめ

トイレの詰まりを解消するためには、適切なパイプクリーナーを選び、正しい使用方法を守ることが重要です。

 

液体タイプ、粉末タイプ、ワイヤー式タイプ、真空式タイプのパイプクリーナーそれぞれに特徴があり、詰まりの原因や状況に応じて使い分けることが効果的です。

 

安全に作業を進めるためには、手袋や換気などの対策を徹底しましょう。トラブルが複雑だったりした場合は、必要に応じて業者などプロに相談することも考慮してみてください。

 

正しい方法でトイレの詰まりを解消し、快適な生活を送りましょう。