トイレが詰まって水が流れない場合の解消法の1つとしてコーラがあります。
「コーラってジュースのコーラ?」と思われた方もいると思いますが、まさしく飲み物のコーラです。
この記事では、トイレ詰まりがコーラで解消できる理由と手順、コーラ以外でトイレ詰まりを解消する方法を解説します。
また、コーラでトイレ詰まりが解消しない場合の原因と対策にも触れているので、ぜひ最後までお読みください。
目次
コーラがトイレ詰まりに効果的な理由
前提として、コーラで解決できるトイレ詰まりの原因は尿石によるつまりです。
尿石が排水管内に付着して管の中が狭くなると、トイレットペーパーや大便に含まれる固形物が堆積し、つまりの原因となります。
尿石が原因でトイレ詰まりが発生している場合は、原因である尿石を分解しなければなりません。
そこで役立つのがコーラです。
コーラには、以下のような成分が含まれます。
- 糖類
- 炭酸
- カラメル色素
- 酸味料
- 香料
- カフェイン
コーラのpH(水素イオン濃度※液体が酸性か、アルカリ性か示す単位)は2.2pHで、これは胃酸やクエン酸に匹敵する強さです。
- phが6以下のものが酸性であり、数値が低いほど酸性度が高くなります
この強い酸性の性質を利用して、尿石を溶かすことができます。
尿石の正体は尿に含まれるリン酸カルシウムという成分が、タンパク質や尿素と結合し、アルカリ性の結晶になったものです。
アルカリ性と酸性の物質を混ぜると化学反応が発生し、双方の性質を打ち消しあって中性になります。
この作用を利用してアルカリ性の尿石を酸性のコーラで溶かすのが、本記事で解説するコーラを使ったトイレ詰まりの解消法の仕組みです。
コーラを使ってトイレ詰まりを解消する手順
トイレ詰まりが発生した際に、コーラで解消する手順は以下のとおりです。
前述したようにコーラを使う方法は、あくまで尿石によるトイレつまりに対してのみで、他の原因だとこの方法では解決しないことがあります。
- 便器内の水を抜く
- コーラを便器に注ぐ
- 一定時間放置する
- 水を流す
便器内の水を抜く
コーラを流し入れる前に、便器の中に溜まっている水を抜きましょう。
便器内に水が溜まったままでコーラを注ぐと成分が薄まり、十分な分解効果が得られません。
便器の水を抜くには、灯油ポンプやコップを使いましょう。
灯油ポンプを使えば、手を汚さずに便器内の水を吸い出せます。
バケツなどを用意して、ポンプを使って便器内の水を抜いてください。
ポンプをお持ちでない場合は、コップを使用して少しずつ便器の水を抜きましょう。
便器内に溜まった水は多量ではないため、何度かすくい出せば水が抜けるはずです。
その場合は紙コップなど使い捨ての製品を使用し、ゴム手袋を使うようにしましょう。
コーラを便器に注ぐ
便器内の水を抜いたら、コーラを便器に注ぎましょう。
コーラの酸性成分で尿石を分解するのが目的なので新品である必要はなく、飲みかけで炭酸が抜けたもので構いません。
アルカリ性のものを溶かす際に炭酸は必要ではなく、コーラに含まれる酸味料です。
具体的には、コーラに含まれるクエン酸やリン酸が尿石を溶かします。
そのため、炭酸が抜けた古いコーラであっても問題なく使用が可能です。
一定時間放置する
コーラを注いだら、一定時間そのまま放置してください。
コーラの酸味料が尿石を溶かすにはしばらく時間がかかります。
尿石は長年の蓄積で固くなっているため、目安としては6時間程度放置するのが理想的です。
その間トイレは使用できないので、出かける前や寝る前にコーラを注ぎ、朝まで放置する方法を取ると良いでしょう。
水を流す
放置時間が終わったら、便器に水を流してみましょう。
トイレの詰まりの原因の尿石が分解されていれば、つまりが解消されているはずです。
ただし、一気に水を流すと水が逆流する可能性があるため、水栓レバーの「小」を使い、少量の水を流すようにしてください。
水がスムーズに流れるようになっていれば、トイレ詰まりは解消したと判断して良いでしょう。
万が一、トイレの水の流れがスムーズでない場合、水が逆流してきた場合は他に原因があります。
原因が特定できる場合は他の方法を試し、原因がわからない場合は業者を呼んで、原因の特定と修理を依頼しましょう。
コーラと同じ効果が期待できる身近なもの
人が口にする飲み物であるコーラをトイレに流す行為に対して「生理的に受け付けない、勿体無い」と強い抵抗を感じる方もいるでしょう。
また、多量の糖分が含まれるコーラをトイレに流すと虫が湧いたり、糖分で便器に余計な汚れが発生するリスクを考えてしまう方もいるはずです。
その場合は、酸性度が強いものを使って、尿石を溶かすと良いでしょう。
- 重曹とクエン酸
- サンポール
重曹とクエン酸
クエン酸はコーラと同等の酸性度を持つ物質で、アルカリ性の尿石を分解する効果があります。
ここに重曹を加えるのは、重曹とクエン酸を混ぜ合わせた際に発生する炭酸ガスを利用して、尿石周りについたトイレットペーパーや流れ切らなかった排泄物の残りを溶かすためです。
重曹とクエン酸を使ったトイレ詰まり解消法の手順は、以下の通りです。
- トイレの窓を開けて換気する(マンション等の場合は換気扇をつける)
- ゴム手袋やマスクを装着する
- 便器の水をできる限り抜く
- 150cc程度の重曹を便器に入れる
- 100cc程度のクエン酸を便器に入れる
- 発泡が始まったらトイレを出て、そのまま30分程度放置する
- 最後に40〜50度のお湯を便器容量の半分程度まで流し入れる
- 水が流れるか確認する
重曹とクエン酸を使った方法では炭酸ガス(二酸化炭素)が発生するので、必ず換気環境を整えてください。
その後衛生対策をし、便器の水をポンプやコップを使ってできる限り抜きます。
さらに重曹150ccとクエン酸100ccを加えて、発泡したらそのまま放置します。
30分程度放置したらトイレに戻り、40〜50度のお湯を便器の半分程度まで流し入れ、その後水を流してください。
なお、お湯の温度が高すぎると陶器製の便器が割れてしまう可能性があるので、温度は50度を超えないようにしましょう。
最後に水が流れるか確認し、問題なくトイレが流せればトイレ詰まりは解消されています。
サンポール
サンポールを使って尿石を溶かす方法もあります。
サンポールは強酸性のトイレ専用洗剤で、トイレの尿石や黄ばみを落とす用途で開発されています。
なお、サンポールのpH値は1といわれており、コーラやクエン酸よりも酸性度は強いです。
強力であるが故に使用にも注意が必要なので、説明書等をよく読んで使用しましょう。
サンポールを使ったトイレ詰まりの解消法は、以下の手順で実施してください。
- ゴム手袋やマスク・メガネを装着する
- ポンプなどを使い便器の水を抜く
- サンポールを50cc便器の中に注ぐ
- 15〜30分程度待つ
- 最後に水を流す
サンポールは強い酸性の洗剤で、業者もトイレつまりの解消に使用するほど強力です。
皮膚についたり、目に入ると危険なので必ずゴム手袋とマスク、メガネなどで防御してから使用しましょう。
使い方はコーラと同様に便器の水を抜き、その後50cc程度注いでから放置するだけです。
放置後に水を流して問題なく流せれば、トイレ詰まりが解消していると判断して良いでしょう。
コーラで解消しないトイレつまりの原因
冒頭でも説明しましたが、コーラで解消できるトイレ詰まりの原因は尿石です。
そのため、尿石以外の原因でトイレが詰まっている場合は、コーラでは解決できません。
例えば、以下のような原因によるトイレつまりの場合はコーラ以外の解決法を試す必要があります。
- スマホや子供のおもちゃをトイレに流してしまった
- 大量の排泄物やペーパーが詰まった
- 屋外の排水枡が詰まっている
スマホや子供のおもちゃなどの異物を流した場合は、どんな薬剤でも溶かせません。
異物が便器に見えている場合は、ゴム手袋などをはめたうえで取り出すことで、詰まりを解消できます。
大量の排泄物やペーパーが詰まっている場合は、ラバーカップを使って水圧で押し出す方法が有効です。
また、屋外の排水枡に原因があるような場合は、排水枡の掃除が必要となります。
以上のように、トイレつまりの解消法は原因によって異なります。
あれこれ試すうちに詰まりを悪化させてしまうこともあるため、原因がわからない場合はトイレの修理業者を呼んで修理してもらいましょう。
トイレ詰まりが解消できない場合はトイレ修理業者に相談を
便器や排水管にこびりついた尿石が原因のトイレつまりは、コーラで解消できます。
飲料をトイレに流すのに抵抗がある場合は、クエン酸と重曹やサンポールを使うと良いでしょう。
ただし、尿石以外が原因のトイレ詰まりは上記の方法では解消できません。
トイレ詰まりの原因は異物や大量の排泄物、排水枡の詰まりなど多岐にわたります。
トイレの水が流れないとつい焦ってあれこれ修理を試しがちですが、詰まりを悪化させたり、便器を壊したりするリスクがあります。
原因不明のトイレ詰まりが発生したり、コーラを流し入れてもトイレの水が流れない場合は、修理業者に依頼してトイレを修理しましょう。