トイレのつまりは、自然に治ることがあるのでしょうか?日常生活で頻繁に起こりやすいトイレのトラブルに対して、正しい知識を持つことは重要です。
この記事では、つまりが解消されたかどうかを確認する方法と、解消されていない場合の対処法を詳しく解説します。
ぜひ記事を通じて、トイレのつまりに対する理解を深め、自宅での対処法を身につけましょう。
目次
トイレのつまりは自然に治る?
トイレのつまりが自然に治るケースは確かに存在します。
特に、トイレットペーパーや排泄物など水に溶けやすいものが原因の場合、1〜2時間程度放置することでつまりが解消されることがあります。こうした現象は、水に溶ける性質のある物質が、時間をかけて分解されることによるもの。
しかし、1〜2時間程度放置してもつまりが解消されない場合は、自然に治る可能性は低く、何らかの対処が必要です。
自然に治るかどうかを判断するためには、しばらくトイレを使わずに様子を見て、水位が下がったかどうかを確認を。
もし水位が変わらない場合や、さらに水が溢れ出すようなことがあれば、すぐに適切な対処を行う必要があります。特に、トイレットペーパーが溶け切らない場合や、排泄物が多量である場合、自然に解消するのは難しいでしょう。
放置で治るトイレのつまりと治らないつまりの違い
トイレのつまりはさまざまな原因で引き起こされますが、原因によって放置で治る可能性があるかどうかが異なります。
放置で治る場合と治らない場合の違いを以下から説明します。両パターンを理解し、適切な対処ができるようになりましょう。
放置で治る可能性のあるトイレのつまり
トイレットペーパーやトイレに流せるタイプのクリーナー、排泄物によるつまりの場合、1〜2時間放置することで治る可能性があります。
それぞれ、いずれも少しずつ水に溶けるという性質があるため、時間はかかるものの放置することでつまりが治るのです。
そのため、こうした原因でトイレのつまりが発生した場合は放置することに意味があるといえます。
たとえば、大量のトイレットペーパーを一度に流した場合、それが原因で一時的につまりが発生することがあります。この場合、時間が経つとともにトイレットペーパーが水に溶けてつまりが解消されることがあるのです。
同様に、排泄物も水に溶けるため、つまったとしても放置することで自然に治ることがあります。ただし、それぞれある程度の時間が必要であり、即座に解決することは難しいものです。
放置していても治る可能性のないトイレのつまり
放置していても治る可能性のないつまりの原因として、以下が挙げられます。
- スマートフォンやおもちゃなどの固形物
- 水に流せないタイプのクリーナー
- 嘔吐物
- 食べ残し
- おむつ
- 生理用品
- 水に流せないタイプの猫砂
- 尿石
また、水圧不足やトイレの故障、排水管の劣化などが原因でつまりが発生することもあります。
こうした要因でトイレがつまった場合、放置していても状況が改善されず、むしろ悪化することも。それぞれ、プロの手を借りて対処する必要があります。
たとえば、子供が誤っておもちゃをトイレに流してしまった場合、そのおもちゃは水に溶けません。放置していてもつまりが解消されることはなく、むしろ便器内の水位が上がって溢れ出す可能性があります。
また、尿石が原因で排水管がつまっている場合も、自然に解消されることはありません。トイレの故障や排水管の劣化が原因の場合も、専門業者に依頼するのが最善なのです。
トイレのつまりが治ったか確認する方法
トイレがつまってしまい、しばらく放置した後でトイレのつまりが治ったかどうかを確認する方法として、「水位のチェック」があります。
今の水位をチェックしておき、しばらく放置した後に水位が下がっている場合は、つまりが治ったと判断できます。
まず、トイレがつまった直後の水位を確認します。水位が通常より高くなっている場合は、つまりが原因で水が正常に流れなくなっている可能性が高いです。この時点で、水位をしっかりと記憶しておきましょう。
次に、トイレを1〜2時間放置します。放置の理由は、トイレットペーパーや排泄物などが自然に水に溶けて流れる時間を確保するためです。
しばらく放置した後で再度トイレの水位を確認。もし、水位が下がっていたのであれば、つまりが解消されたと判断できます。
たとえば、放置前の水位が便器の縁まであったのに対し、放置後に水位が便器の半分程度まで下がっていれば、つまりが解消されている可能性が高いです。
つまりが発生してからしばらく時間が経過している場合は、ペットボトルやコップなどで少量の水を便器に注いでみましょう。
この方法を試しても水位が全く変わらない、もしくは逆に上がってしまう場合は、つまりが解消されていない可能性が高いため、次から紹介するような別の対処法を検討しなければなりません。
トイレがつまったときに自分でできる対処法
トイレがつまった場合、自分でできる対処法も以下の通り存在します。
- お湯を流し入れる
- 重曹とクエン酸を使う
- ラバーカップを使う
- 割り箸や手でつまりの原因を引っ張り出す
- 洗剤を使う
それぞれの対処法を、以下から詳しく見ていきましょう。
お湯を流し入れる
お湯を流し入れる方法は、トイレットペーパーや排泄物など水に溶けやすいものが原因でつまりが発生している場合に効果的です。
お湯を使うことで、こうした物質が早く溶け、つまりが解消されるのです。
ただし、熱湯を使用すると便器が割れる恐れがあるため、必ず50〜60度程度の控えめな温度のお湯を使用してください。
お湯を流し入れる方法の手順は、以下の通りです。
- 50〜60度のお湯を準備する。
- 便器にお湯をゆっくりと注ぎ入れる。
- しばらく放置し、お湯がつまりを溶かすのを待つ。
- 水を流してつまりが解消されたか確認する。
お湯を注ぐ際には注意が必要。急激に大量のお湯を流すと便器が割れる可能性があるため、ゆっくりと少しずつ注ぎ入れることが大切です。
この方法で対処できないつまりとして、異物や固形物が原因のつまりが考えられます。こうしたつまりには、別の対処法が必要となります。
お湯を使ったつまり対処法として、詳しくは以下の記事もご覧ください。
関連記事:トイレつまりはバケツとお湯で解消できる?手順とポイントを紹介
重曹とクエン酸を使う
重曹とクエン酸(お酢)を使う方法も、トイレットペーパーや排泄物など水に溶けやすいものが原因でつまりが発生している場合に効果的です。
重曹とクエン酸が反応して発生する泡がつまりを押し流すことで、つまりが解消されやすくなるのです。
重曹とクエン酸を使う方法の手順は、以下の通りです。
- 始めに用意したビニール袋を開き、トイレの便器周りを囲むように敷く。
- できるだけ排水口のギリギリまで水を汲み出す。
- 便器の水を減らしたら、便器の表面にまんべんなく重曹をかける。
- 重曹の上からさらにクエン酸(またはお酢)をかける。重曹を先に入れ、その次にクエン酸をかける順番が重要。
- 用意していた60℃ほどのお湯を全体に回しかけ、泡立ってきたら、そのまま約1時間放置。
- 最後にバケツで水を少しずつ入れ、問題なく水が流れるか確認。
この方法で対処できないつまりとして、異物や固形物が原因のつまりが挙げられます。
重曹とクエン酸の反応による泡は、つまりの原因物質を分解し、流れやすくする効果があります。ただし、反応が激しすぎると便器内の水が溢れ出す可能性があるため、少量ずつ行うことが重要。
重曹とクエン酸(お酢)を使ったつまり解消法について、詳しくは以下の記事も参照してください。
関連記事:重曹とお酢でトイレつまりを解消する方法!炭酸ガスがつまりに効く?
ラバーカップを使う
ラバーカップ(スッポン)を使う方法は、トイレットペーパーや排泄物など水に溶けやすいものが原因でつまりが発生している場合に効果的です。
ラバーカップは物理的につまりを解消する方法。ラバーカップを使う手順は、以下の通りです。
- 水が多すぎる場合はバケツやポンプで便器内の水を汲み出す。水が少なすぎる場合はバケツから水を注ぎ足し、ラバーカップのゴム部分が浸かる程度の水位にする。
- ビニール袋を開き、便器の周りに敷く。ビニール袋に便器の中心に切り込みを入れ、ラバーカップの持ち手部分を通せるようにする。
- ラバーカップを排水口に密着させる。カップ部分を強めに押し下げ、素早く引き上げる動作を数回繰り返す。
- 少量の水を流して、通りが良くなったか確認する。水がスムーズに流れる場合、タンクの水を流して最終確認。
この方法で対処できないつまりには、異物や固形物が原因のつまりが考えられます。
ラバーカップを使用する際には、充分な水量があることを確認し、しっかりと圧力をかけるようにしましょう。複数回行うことでつまりが解消されることもあります。
本対処法に関連する情報として、以下の記事も参考にしてみてください。
関連記事:トイレつまりはバケツとお湯で解消できる?手順とポイントを紹介
割り箸や手でつまりの原因を引っ張り出す
割り箸や手でつまりの原因を引っ張り出す方法は、目視でつまりの原因が確認できる場合に効果的です。
たとえば、おもちゃや異物が便器につまっている場合、割り箸や手を使えば取り出すことができます。
まず、割り箸でつまりの原因を引っ張り出す方法の手順は、以下の通りです。
- 灯油ポンプや容器で便器の中の水を汲み出し、物体を割り箸でつまみ出しやすい位置に水位を調整する。
- 便器の水位を下げたら割り箸でつまりの原因をつまみ出す。トイレットペーパーなどふやけやすい物がつまっているときは破れないようゆっくりと。
- 割り箸でつまみ出したつまりの原因をビニール袋などに入れて一旦避難させる。つまりの原因を水が流れる程度まで取り出したら、トイレの水を流してみる。
- トイレの水を流して便器の水位が下がっているようなら、つまりが解消されている。
- 避難させたつまりの原因は数回に分けてトイレに流すか、そのままゴミとして処分。
続いて、手で直接物体を取り除く方法の手順は以下の通りです。
- ゴム手袋やビニール袋を使用して手を保護する。
- トイレの排水口に手を伸ばして、届く範囲に異物がないか確認。
- 異物に手が届いたら、直接拾い上げる。このときに奥に押し込まないように注意。拾い上げた異物はすぐにゴミ袋に入れて処分。
手をラバーカップの代わりに使う方法もあり、以下の手順で行います。
- 拳を作り、2重・3重に重ねたビニール袋に手を入れる。タオルや雑巾を握ると効果が強くなる。
- トイレの排水口に拳をラバーカップのように出し入れする。
- つまりが解消するまで繰り返す。
こうした方法は、つまりの原因が目視できる場合にのみ意味があります。目視できない場合や、深くつまっている場合には無理に引っ張り出そうとせず、他の対処法を試みるか、専門業者に依頼することをおすすめします。
割り箸や手を使ったつまり解消法について、詳しくは下記の記事もご覧ください。
関連記事:トイレ詰まり解消に割り箸を使う方法と対処のポイントを紹介
関連記事:トイレつまりを手を突っ込むことで直す方法は?事前に試したいこともチェック
洗剤を使う
洗剤を使う方法は、トイレットペーパーや尿石など水に流せるものが原因でつまりが発生している場合に効果的です。
洗剤の化学成分が、つまりを溶かしやすくなるのです。トイレ用の洗剤でなくても、中性洗剤がトイレつまりに役立ちます。
洗剤を使ってつまりを解消する方法の手順は、以下の通りです。
- ビニール袋を切り開いて、便器まわりの床に沿うように敷いておく。
- 作業に入る前に、便器の水量が適量か見ておく。便器内の水位が半分より高い場合は、泡があふれないようバケツなどで汚水を汲み出す。
- 中性洗剤100mlを便器に注ぎ入れる。続けてお湯を便器にゆっくりと注ぐ。お湯を注ぐことで洗剤が行き渡る。
- 洗剤とお湯を入れた後、約20分間放置。
- 時間が経ったら、お湯をゆっくり注ぎ、便器の水位が上がらずに流れていくか確認。
中性洗剤の中には手荒れを起こしやすい強力な洗浄成分が含まれているものがあるため、必ず手袋をつけましょう。
また、洗剤は必ず1種類だけを使ってください。複数の洗剤を混ぜると有毒ガスが発生する可能性があるため、特に「混ぜるな」「危険」などの表記があるものは絶対に混ぜないように。洗剤を使う際には、適切な量を守り、放置時間も説明書に従うことが重要です。
洗剤を使った詳しい対処法については、以下の記事もご覧ください。
関連記事:トイレつまりに洗剤は有効?症状別のおすすめ洗剤とつまりの解消法を紹介
まとめ
この記事では、トイレのつまりが自然に治る場合と治らない場合の違いについて詳しく説明しました。
トイレットペーパーや排泄物が原因の場合は、放置することで自然に治ることがありますが、固形物や異物が原因の場合は、早急に適切な対処が必要です。
また、つまりが治ったかどうかの確認には水位のチェックを。自分でできる対処法としてお湯を流し入れる方法、重曹とクエン酸を使う方法、ラバーカップを使う方法、割り箸や手でつまりの原因を引っ張り出す方法、洗剤を使う方法があるため、自分に合った方法を試してみてください。
トイレのつまりが発生した際には、ぜひこの記事を参考にして適切な対処を行いましょう。