100円均一のお店などでも購入できる安価な製品である針金製のハンガー。
この記事では、トイレのトラブルをハンガーで解決する方法を紹介していきます。
ハンガーを使って修理する際の流れや、気をつけるべきポイント、コツなどをまとめて解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
針金ハンガーでトイレのつまりが直せる?
ハンガーでトイレを修理する際に気になるのが、「本当にハンガーなんかでトイレのつまりを直すことなんてできるの?」という点について。
もちろんすべてのつまりを直せるような万能アイテムではありませんし、あくまでも応急処置に使用するものではありますが、つまりの原因によっては針金ハンガーでも十分に対処できます。
トイレのつまりの原因はさまざまですが、水に溶けるものによって発生するつまりであれば十分に対処できます。
水に溶けるものとしてあげられるのは、以下の4つです。
- 排泄物
- 吐瀉物
- トイレットペーパー
- ティッシュペーパーやウェットティッシュ
トイレに流して処分できる排泄物やトイレットペーパーですが、いくらトイレに流して処分できるとは言え、一度に大量に流すのは危険です。
なぜなら、流す量が多くなって処理が追いつかなくなるとつまってしまうことがあるからです。
また、吐瀉物には食べかすや油が含まれていますが、これらがつまりの原因になることもあります。
ティッシュペーパーやウェットティッシュは本来トイレに流して処分する製品ではないので、トイレに流してしまった場合は注意が必要です。
ただ、これらは比較的柔らかく、金属製のハンガーで移動させたり崩したりできるので、正しく対処すればつまりを解消できます。
針金ハンガーで直せないトイレのつまりもある
万が一のときに使える金属製のハンガーですが、以下の製品によるつまりを直すことはできません。
- スマートフォン
- おもちゃ
- おむつ
- ボールペン
- 生理用品
これらは、いずれも水に溶けない固形物です。
トイレを使用する中でこれらの固形物を誤ってトイレに落としたり流したりすることがあるかと思いますが、これらがトイレの内部や排水管につまってしまった場合、ハンガーで解決するのは困難です。
固形物でのつまりは専門家しか対処できないことがほとんどで、無理に作業すると状態を悪化させてしまう恐れがあります。
排泄物やトイレットペーパー以外の固形物によってトイレがつまってしまったときは、針金ハンガーでの対応は避けるようにしましょう。
針金ハンガーでトイレのつまりを直す手順
ハンガーを使って修理するときは、適切な流れで対応しなくてはいけません。
針金ハンガーを使ってトイレを直すときの手順は以下のとおりです。
- 針金ハンガーを準備する
- 先端を加工する
- 床を養生し便器の水位を調整する
- 針金ハンガーを排水口に入れる
- 水を流して確認する
それぞれの工程を詳しく解説していきます。
①針金ハンガーを用意する
まずは必要なアイテムを用意していきます。
用意しておきたい製品は以下のとおりです。
- 針金ハンガー
- ペンチ
- バケツ
- コップやペットボトル
- ゴム手袋
- ビニール袋
ハンガーはそのままだと使えないので、便器の排水口に入れられる状態にする必要があります。
金属製のハンガーには硬いものと柔らかいものがあるので、なるべく手で簡単に加工できる柔らかいものを用意するようにしましょう。
ペンチはハンガーを切ったり曲げたりするのに使いますが、ないときはハサミで代用してください。
②針金ハンガーを加工する
ハンガーの先端をペンチ(ペンチがない場合はハサミ)で切断したら、先端部分を輪っか状にしていきます。
先端はもともと鉤状に曲げられていますが、そのままだと強度が足りないので、強度を増すために丸くする必要があるわけです。
ただ、つまっているものを引っかけて引き出したいときには、丸くするのではなく、釣り針のようにして使用することもあります。
また、なるべく便器の奥の部分にハンガーを押し込むためにも、胴体部分についても少し曲げてスムーズに入れられるようにしておきましょう。
③床を養生し便器の水位を調整する
トイレの修理では、便器の中の水が跳ねて床が汚れることもあります。
便器の中の水は雑菌だらけで不衛生なので、床に新聞紙やビニール袋、雑巾を敷いて養生しましょう。
また、水が溢れてくる可能性もあるので、すくって水位を調整しておく必要もあります。
紙コップやバケツ、灯油ポンプを使ってできるだけ減らしておきましょう。
④針金ハンガーを排水口に入れる
トイレの床を養生して便器の水位を調整したら、ハンガーを挿し込んでいきます。
金属製という性質上、柔らかいタイプのものであっても便器を傷つけてしまう危険性があるので、乱暴に作業しないようにしてください。
挿し込んだハンガーがつまりの元に当たったと感じたら、前後左右に動かしてかき回し、ほぐしていきます。
一回でほぐし切るのが難しいこともあるので、つまりが解消されるまで何度か繰り返しましょう。
⑤水を流して確認する
つまりが解消されると、便器の水位が通常の状態に戻ったり、「ゴボゴボ」という、溜まっていた水が流れていくような音がします。
それらの現象が確認できたら、水を流してつまりが解消されたかチェックしてください。
解消しきれていない場合、流す水の量が多すぎると逆流してくることがあるので、「大」ではなく「小」の方を使うようにしてください。
また、バケツに水を溜め、少しずつ流し入れるという方法もあります。
トイレつまりに針金ハンガーを使う時の注意点
トイレのつまりを針金ハンガーで解消する場合、以下の2点に注意しなくてはいけません。
- 便器を傷つけないように注意
- 固形物のつまりには利用しない
これらの注意点を意識せずに対応を進めてしまうと、つまりを解消できないだけでなく、状況を悪化させてしまいかねません。
それぞれの注意点を詳しく解説していきます。
便器を傷つけないように注意
針金ハンガーは金属製の製品なので、使用する際は便器を傷つけないよう注意しなくてはいけません。
先端部分は尖っていて特に便器を傷つけやすいので注意が必要です。
便器は陶器製で耐久性の高い製品ではありますが、表面には特殊な塗装が施されていて、強くこするとその塗装がはがれ、劣化や故障につながりやすくなります。
加工した針金ハンガーでトイレのつまりを解消するときは手元が見えなくなる分トイレを傷つけてしまう可能性も高くなるので、なるべく慎重に対応し、無理な対応は避けるようにしましょう。
固形物のつまりには利用しない
トイレがつまる原因はさまざまで、つまりの原因によって適切な対処法が異なります。
確かに加工した針金ハンガーを使ってトイレのつまりを解消することは可能ですが、すべてのトイレのつまりに有効と言うわけではありません。
針金ハンガーを使ったつまりの解消法は排泄物やトイレットペーパーなど水に流れるものに対しては有効ですが、おもちゃやアクセサリーなど固形物によるつまりには効果を発揮しません。
それどころかつまりを悪化させてしまう可能性があるので、水に流せないものによってつまりが発生した場合は針金ハンガーでの対処は避けるようにしましょう。
トイレつまりに針金ハンガーを使う時のコツ
トイレのつまりを針金ハンガーで解消するときに注意点とあわせて押さえておきたいのが、針金ハンガーを使うときのコツです。
コツを押さえておくことで、トイレのつまりを解消できる可能性が高まります。
トイレのつまりを針金ハンガーで解消するときのコツとしては以下の3点があげられます。
- 水の代わりにお湯を使う
- 重曹とクエン酸を併用する
- ラバーカップを使う
それぞれのコツを詳しく解説していきます。
水の代わりにお湯を使う
排泄物やトイレットペーパーなど水に溶けるものがつまっている場合は、水の代わりにお湯を用いるのがおすすめです。
水温が高くなると排泄物やトイレットペーパーがより早く溶けて分解されるようになるため、つまりが解消される可能性も高まります。
お湯を使う場合は、便器に溜まっている水を汲み出し、40〜60度のお湯を流し入れましょう。
その後しばらく放置して排泄物やトイレットペーパーを柔らかくした上で、針金ハンガーを使って作業していきます。
60度以上のお湯を使うと便器が割れてしまう可能性があるので、必ず60度以下のお湯を使用するようにしてください。
重曹とクエン酸を併用する
自宅に重曹とクエン酸がある場合は、針金ハンガーと併用するとよりつまりを解消しやすくなります。
重曹とクエン酸を混ぜ合わせると炭酸ガスが発生しますが、この炭酸ガスの効果によって排泄物やトイレットペーパーの分解が促され、よりつまりが解消されやすくなるわけです。
重曹とクエン酸を針金ハンガーと併用する際の手順は以下のとおりです。
- 重曹を入れる
- クエン酸を入れる
- お湯を入れる
- 1時間ほど放置する
重曹とクエン酸を入れた後にお湯を入れ、1時間ほど放置してから針金ハンガーを使ってつまりを解消するようにしましょう。
ラバーカップを使う
針金ハンガーだけで対処できない頑固なつまりにはラバーカップの併用がおすすめです。
「スッポン」の愛称でも知られているラバーカップは、排水口に押し当てて真空状態を作り、便器の内部の水を引き出すことでつまりが解消されます。
針金ハンガーで排泄物やトイレットペーパーなどのつまりの元を削ったり柔らかくした上でラバーカップを使い、つまりを解消しましょう。
ラバーカップが手元にない場合は、ペットボトルやビニール袋、ラップなどで代用することも可能です。
それぞれの代用品の使い方について解説していきます。
ペットボトルで代用する
ラバーカップの代わりにペットボトルを使ってトイレのつまりを解消するときの手順は以下のとおりです。
- ペットボトルの底を切り落とす
- ペットボトルの底部分を便器の排水口に押し当てる
- ラバーカップを使うときの要領でペットボトルを上下させる
ペットボトルの底を切り落とす際は、底から3〜4センチの位置から切り落とすようにしてください。
また、真空状態を作り出す必要があるので、ペットボトルのふたを外し、飲み口に指を入れて作業するようにしましょう。
ビニール袋で代用する
ラバーカップの代わりにビニール袋を使ってトイレのつまりを解消するときの手順は以下のとおりです。
- ゴム手袋を装着する
- その上からビニール袋をかぶせて手首の部分をゴムで縛る
- 手を拳の形にして便器の排水口から入れる
- 手を押し引きする作業を何度か繰り返す
つまりが解消された場合、便器の中の水位が少なくなったり「ゴボゴボ」というつまりが解消されたような音がするので、水を流し入れて確認してみるようにしましょう。
ラップで代用する
ラバーカップの代わりにラップを使ってトイレのつまりを解消するときの手順は以下のとおりです。
- 便器の蓋と便座をあげる
- 便器にラップを巻きつける
- レバーをひねって少し水を流す
- ラップの中央部分を押し引きする
隙間があるとうまく真空状態を作り出せなくなってしまうので、ラップを巻くときは何重にも巻きつけてしっかりと真空状態を作り出すようにしてください。
トイレのつまりが解消できない場合はトイレ修理業者に依頼する
ここまで紹介してきた方法を実践してもトイレのつまりが解消されない場合は、無理に自分で対処しようとせず、トイレの修理業者に依頼して対応してもらうようにしましょう。
針金ハンガーで無理に対処しようとすると便器の内部や排水管を傷つけてしまう可能性があります。
また、水に溶けないものによるつまりの場合、針金ハンガーでは対処できないので、別の方法を試すか修理業者に依頼して修理してもらうしかありません。
無理に対応しようとして状況を悪化させてしまうと余計に修理費用が高くついてしまう可能性があるので、一度試してみてもつまりが解消されない場合は、修理業者に依頼して対応してもらうようにしましょう。
まとめ
排泄物やトイレットペーパーなど、トイレに流せるものによるつまりであれば加工した針金ハンガーで対処できます。
ただ、針金ハンガーは金属という特性上、乱暴に扱うと便器を傷つけてしまう可能性があります。
実際に使用してトイレのつまりに対処するときは、できるだけ丁寧に扱い、便器に傷をつけないようにしましょう。
また、すべてのトイレのつまりに有効というわけではありません。
おもちゃやアクセサリーなど水に流れないものによって引き起こされるつまりを針金ハンガーで解消することはできないので、その場合は適切な対処法で対応するか、トイレの修理業者に依頼して対応してもらうようにしましょう。
以下の記事では、トイレが詰まった時にスッポンがない場合のその他の対処方法をまとめていますので、困ったときはぜひ参考にしてみてください。