トイレのつまりは日常生活で突然発生する厄介な問題の一つです。特に深夜や休日など、業者に依頼しにくい時間帯でトイレがつまってしまうと、途方に暮れてしまいがちです。そんなとき、家庭で手軽に使える道具として注目されているのが「すっぽん」です。すっぽんは適切に使用すれば、トイレのつまりを自力で解消できる便利な道具です。しかし、使い方を間違えるとトイレを傷めてしまう可能性もあるため、正しい知識と使用方法を理解することが重要です。この記事では、すっぽんの種類や使い方、効果的な場面について詳しく解説していきます。

目次

0120-240-054

トイレのつまり解消に使えるすっぽんの種類

トイレのつまりを解消するためのすっぽんには、トイレの形状に合わせて3つの種類があります。それぞれのトイレに適したすっぽんを選ぶことで、効果的にトイレのつまりを解消することができます。以下では、和式用、洋式用、節水トイレ用のすっぽんについて、それぞれの特徴とサイズの選び方を詳しく説明していきます。

和式用のすっぽん

和式トイレ用のすっぽんは、比較的シンプルな構造を持っています。円形の吸盤部分と長めの柄が特徴で、和式トイレの排水口に合わせた形状になっています。通常、吸盤部分の直径は20センチメートル前後あり、広い面積で吸引力を発揮できるように設計されています。和式トイレは排水口が大きいため、強い吸引力を持つすっぽんが必要とされます。柄の長さも十分にあり、立った状態で操作できるように配慮されています。

和式トイレでつまりが発生する原因とつまってしまったときの対処法

洋式用のすっぽん

洋式トイレ用のすっぽんは、便器の形状に合わせて特殊な設計がなされています。吸盤部分が楕円形になっているものが多く、便器の排水口にぴったりとフィットするように作られています。また、柄の角度も洋式トイレの形状に合わせて調整されており、効率的に力を加えることができます。特に重要なのは、便器を傷つけないよう、吸盤部分の素材が柔らかく作られていることです。

節水トイレ用のすっぽん

近年増加している節水型トイレ用のすっぽんは、より繊細な設計がなされています。節水トイレは通常のトイレと比べて水量が少なく、排水経路も複雑になっているため、それに適した形状と吸引力を持っています。吸盤部分は比較的小さめで、便器内の水の動きを妨げないように設計されています。また、吸引力も従来型より控えめに設定されており、トイレの構造を損なわないよう配慮されています。

トイレつまり解消に使うすっぽんの選び方

トイレの種類・サイズに合ったものを選ぶ

すっぽんを選ぶ際には、トイレの種類だけでなくサイズにも注意が必要です。吸盤部分のサイズが大きすぎると便器にフィットせず、逆に小さすぎると十分な吸引力が得られません。一般的な家庭用トイレの場合、吸盤直径が15〜25センチメートルの範囲内のものが適しています。また、柄の長さも重要で、無理のない姿勢で作業できる長さを選ぶことが推奨されます。使用前に必ず便器の寸法を確認し、適切なサイズのすっぽんを選びましょう。

すっぽんでトイレつまりを解消できるケース

すっぽんは、特定のトイレつまりの状況で高い効果を発揮します。主に水に溶けやすい物質による詰まりに対して効果的です。すっぽんでトイレつまりを解消できる代表的なケースは、以下の通りです。

  • 1、トイレットペーパーを大量に流してしまう
  • 2、生理用品による軽度の詰まり
  • 3、髪の毛やほこりによる詰まり
  • 4、洗剤の泡による詰まり
  • 5、落とした小物類による一時的な詰まり

トイレットペーパーを大量に流してしまう

トイレつまりの最も一般的な原因の一つが、トイレットペーパーの過剰な使用です。トイレットペーパーは水に溶けやすい性質を持っていますが、一度に大量に流すと詰まりの原因となります。このような場合、すっぽんの吸引力によって詰まったトイレットペーパーを押し流すことができます。特に、詰まりが発生してから時間が経っていない場合は、すっぽんでの解消が効果的です。

トイレットペーパーが原因でトイレつまりが発生した際にやるべきこととは?原因や予防策も解説

生理用品による軽度の詰まり

生理用品による軽度の詰まりは、適切なすっぽんの使用で解消できる可能性があります。ただし、これは詰まりの初期段階で、かつ比較的表面的な位置での詰まりの場合に限ります。生理用品は本来トイレに流してはいけないものですが、誤って流してしまった直後であれば、すっぽんの使用で解消できることがあります。

ナプキンはトイレつまりの原因になる!対処法とやりがちなNG行動を紹介

髪の毛やほこりによる詰まり

浴室やシャワールームに併設されたトイレでよく見られる、髪の毛やほこりによる詰まりもすっぽんで対処可能です。これらは時間とともに蓄積され、最終的に深刻な詰まりを引き起こす可能性がありますが、早期に発見された場合はすっぽんでの解消が有効です。

トイレが毛詰まりする2つの理由!便器の排水管に毛がつまるリスク&つまりの対処法

洗剤の泡による詰まり

トイレ掃除の際に使用した洗剤の泡が原因で起こる詰まりは、すっぽんで解消することができます。泡による詰まりは物理的な詰まりではないため、すっぽんの吸引力で簡単に解消できます。ただし、洗剤を使用した直後は、すっぽんの使用を避け、しばらく時間を置くことをおすすめします。

落とした小物類による一時的な詰まり

歯ブラシやヘアゴムなど、誤って落としてしまった小物類による一時的な詰まりも、すっぽんで解消できる可能性があります。ただし、これは物体が便器の表面近くに位置している場合に限ります。深部まで落ちてしまった場合は、専門業者への依頼が必要です。

トイレに異物を流したときのNG/OK対処法|業者に依頼すべき理由

トイレつまりですっぽんを使うのを控えたほうがいいケース

すっぽんを使うのを控えたほうがいいケースは、以下の通りです。

  • 1、水に溶けない固形物を流したとき
  • 2、配管の老朽化による詰まり
  • 3、排水管の構造的な問題による詰まり

水に溶けない固形物を流したとき

おもちゃや異物など、水に溶けない固形物がトイレに流れ込んでしまった場合は、すっぽんの使用は避けるべきです。すっぽんの吸引力では、これらの固形物を動かすことができない上、かえって配管の奥深くまで押し込んでしまう危険性があります。固形物が詰まった場合は、配管内部の状況を確認できる専門の機器を使用する必要があるため、すっぽんでの対処は適していません。

トイレに異物を流したときのNG/OK対処法|業者に依頼すべき理由

配管の老朽化による詰まり

築年数が経過した建物では、配管の老朽化による詰まりが発生することがあります。このような場合、すっぽんの強い吸引力によって、劣化した配管がさらに損傷する可能性があります。配管の内部に錆びや腐食が進行している状態でのすっぽんの使用は、配管の破損リスクを高めてしまいます。

排水管の構造的な問題による詰まり

排水管の設計や施工に問題がある場合、定期的に詰まりが発生することがあります。このような構造的な問題による詰まりは、すっぽんでの一時的な解消では根本的な解決になりません。むしろ、すっぽんを使用することで配管への負担が増え、より深刻な問題を引き起こす可能性があります。

トイレの排水管でつまりが発生する原因とは?つまったときの対処法や放置しても問題ないケースも解説

すっぽんを使ったトイレのつまりの解消手順

すっぽんを効果的に使用するためには、以下の正しい手順で作業を進めることが重要です。

  • 1、止水栓を止める
  • 2、便器内の水位を調整する
  • 3、すっぽんを正しく設置する
  • 4、適切な力加減で押し引きを行う
  • 5、水を流して確認する
  • 6、最終確認と清掃を行う

安全かつ確実にトイレのつまりを解消するための具体的な手順を説明します。

止水栓を止める

すっぽんを使用する前に、まず最初に行うべきことは止水栓を閉めることです。止水栓は通常、トイレタンクの横か下部に設置されています。止水栓を閉めることで、作業中に水が溢れ出すリスクを軽減できます。ただし、古い止水栓の場合は固くなっていることがあるため、無理な力をかけずに慎重に操作する必要があります。止水栓の位置が分からない場合は、事前に確認しておくことをおすすめします

便器内の水位を調整する

すっぽんを効果的に使用するためには、便器内の水位を適切に調整する必要があります。水位が高すぎると作業がしづらく、低すぎるとすっぽんの吸引力が十分に発揮されません。理想的な水位は便器の通常水位の約7割程度です。バケツを使って水を汲み出すか、足りない場合は少量の水を足して調整します。

すっぽんを正しく設置する

水位を調整したら、すっぽんを便器の排水口に正しく設置します。すっぽんの吸盤部分が便器にしっかりと密着するように配置し、隙間がないことを確認します。設置時は、すっぽんを傾けすぎないように注意し、できるだけ垂直に立てた状態を保ちます。

適切な力加減で押し引きを行う

すっぽんを設置したら、適切な力加減で押し引き操作を行います。急激な動きは避け、ゆっくりと丁寧に行うことが重要です。まず柄を押し下げて吸盤部分を押しつけ、その後ゆっくりと引き上げます。この動作を3〜4回繰り返します。力を入れすぎると便器を傷つける可能性があるため、力加減には十分注意が必要です。

水を流して確認する

押し引き操作を数回行ったら、止水栓を開いて少量の水を流し、つまりが解消されているかを確認します。この時、一度に大量の水を流すのは避け、少しずつ様子を見ながら水を流すことが重要です。水の流れが悪い場合は、再度すっぽんでの作業を行います。

最終確認と清掃を行う

つまりが解消されたことを確認したら、便器全体の水の流れを確認します。通常の水量で問題なく流れることを確実に確かめましょう。その後、使用したすっぽんは洗剤で洗い、十分に乾燥させてから保管します。また、作業で水が飛び散った場合は、床や便器周りの清掃も忘れずに行います。

すっぽんでトイレつまりが解消できない原因

使用するすっぽんの種類を間違えている

トイレつまりが解消できない主な原因の一つは、使用するすっぽんの種類を間違えていることです。和式トイレ用のすっぽんを洋式トイレに使用したり、節水型トイレに通常のすっぽんを使用したりすると、十分な効果が得られません。また、すっぽんのサイズが便器に合っていない場合も、適切な吸引力を発揮できずに詰まりが解消されないことがあります。

詰まりの位置が深すぎる

配管の奥深くで発生している詰まりは、一般的なすっぽんでは対処できません。すっぽんの吸引力が届く範囲は限られており、便器から1メートル以上奥の詰まりには効果がありません。このような場合は、より専門的な道具や機器を使用する必要があります。

トイレの排水管でつまりが発生する原因とは?つまったときの対処法や放置しても問題ないケースも解説

詰まりの原因物が固形化している

長時間放置された詰まりや、固形化した物質による詰まりは、すっぽんでの解消が困難です。特に、配管内で固まってしまった異物や、経年劣化による汚れの蓄積は、すっぽんの吸引力だけでは対処できません。このような場合は、専門業者による高圧洗浄などの処置が必要となります。

すっぽんで解消できないタイプのトイレつまり

水に流せないものによるトイレつまり

水に流せないものによるトイレつまりの場合は、専門的な機器による対処が必要です。特に効果的なのが高圧洗浄機による処理です。高圧洗浄機は、強力な水圧で詰まりの原因となっている物質を押し流すことができます。また、カメラ付きの特殊な機器を使用することで、詰まりの場所や原因を特定することも可能です。このような場合は、設備の損傷を防ぐためにも、必ず専門業者に依頼することをおすすめします

トイレ詰まりおすすめ修理業者!料金・口コミを紹介

尿石によるトイレつまり

尿石による詰まりは、時間の経過とともに徐々に形成される固形物が原因です。この場合、専用の薬品による溶解処理が効果的です。ただし、一般的な洗剤では効果が薄く、専門業者が使用する強力な溶解剤が必要となります。また、尿石の除去後は、定期的なメンテナンスが重要です。予防策として、トイレの定期的な清掃と、適切な洗剤の使用が推奨されます

トイレの尿石つまりを溶かす薬品と使い方!排水管詰まりの予防法

すっぽんで直らないときは修理業者に依頼する

すっぽんでの対処が難しい場合は、迷わず修理業者に依頼することが賢明です。特に以下のような症状が見られる場合は、専門家による対応が必要です。

  • 複数回すっぽんを使用しても改善が見られない
  • 異常な音や振動が発生している
  • 複数の箇所で同時に詰まりが発生している
  • 汚水が逆流する現象が見られる

専門業者は、高度な技術と専用の機器を使用して、トイレの詰まりを安全かつ確実に解消することができます。また、詰まりの根本的な原因を特定し、再発防止のためのアドバイスも提供してくれます。

トイレ詰まりおすすめ修理業者!料金・口コミを紹介

まとめ

トイレのつまりは、適切な対処法を知っていれば、多くの場合は自己解決が可能です。すっぽんは、その代表的な道具の一つとして、特に水に溶けやすい物質による詰まりに効果を発揮します。ただし、すっぽんの使用には適切な知識と技術が必要であり、状況によっては使用を控えるべき場合もあります。

重要なのは、トイレの種類や詰まりの状況を正確に判断し、適切な対処法を選択することです。すっぽんでの解消が難しい場合は、無理な対処を避け、専門業者に依頼することをおすすめします。また、予防的な観点から、日常的な清掃と適切な使用方法の徹底も重要です。これらの知識を活用することで、トイレのつまりによるストレスを最小限に抑えることができます。