汚水の逆流などを引き起こす、厄介な排水管のつまり。

トイレの排水管がつまってしまったときは、つまりの原因を正しく把握し、適切な方法で対処することが重要です。

この記事では、トイレの排水管でつまりが発生する原因と対処法を詳しく解説していきます。

ただ対処法を解説するだけでなく、どういったつまりに有効な方法なのかという点にも触れながら解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。

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トイレの排水管でつまりが発生したときに考えられる5つの原因

トイレの排水管でつまりが発生する原因はさまざまですが、主なものとしては、以下の5つがあげられます。

  • トイレットペーパーや排泄物などの水に流せるもの
  • スマートフォンやおもちゃなどの水に流せないもの
  • 尿石などの汚れ
  • 排水管の劣化
  • 大雨などによって排水桝付近の排水管がつまっている

それぞれの原因について、詳しく解説していきます。

トイレットペーパーや排泄物などの水に流せるものがつまる

トイレの排水管は、トイレットペーパーや排泄物などの水に流せるものによってつまることもあるため注意が必要です。

これらは本来トイレに流して処分できますが、一度に大量のトイレットペーパーや排泄物を流すと、トイレの排水能力が追いつかずに排水管がつまってしまうことがあります。

トイレットペーパーや排泄物は水に溶ける性質があるため、1〜2時間程度放置することでつまりが解消される場合もありますが、解消されない場合は対処が必要になります。

スマートフォンやおもちゃなどの水に流せないものがつまる

トイレにはトイレットペーパーや排泄物以外を流すことはできません。

トイレットペーパーや排泄物以外を流してしまうと、うまく排出できず、排水管がつまってしまいます。

トイレに落としたり誤って流してしまいがちなものとしては、以下のようなものがあげられます。

  • スマートフォンやおもちゃなどの固形物
  • おむつ
  • 生理用品
  • トイレクリーナー
  • 猫砂
  • 嘔吐物
  • 食べ残し

スマートフォンなどの固形物やおむつ、生理用品は水に溶けないためつまりの原因となりますし、油が含まれる嘔吐物や食べ残しも排水管のつまりを引き起こしてしまいかねません。

トイレクリーナーや猫砂の中には水に流せるタイプのものもありますが、一度に大量に流すとつまりを引き起こす可能性があります。

尿石などの汚れが原因でつまる

尿が石化したものを尿石と言いますが、この尿石もトイレの排水管のつまりを引き起こす原因の一つです。

通常、尿はトイレを流したときにそのほとんどが流されていきますが、一部が流れきらずに便器や排水管に堆積してしまうことがあります。

長い期間をかけて排水管に尿石が大量に堆積すると、徐々に水の流れが悪くなり、最終的につまりが発生するようになります。

尿石による排水管のつまりを予防するには、尿石に効く酸性の洗剤を使って定期的にトイレを掃除するようにしなくてはいけません。

排水管の劣化によりつまる

トイレなどの水まわり製品とつながっている排水管は、消耗品です。

使用しているうちにどんどん劣化していくため、使用している期間が長くなればなるほどつまりが発生しやすくなります。

劣化のスピードは排水管の種類やトイレの使い方、手入れの頻度などによって異なりますが、通常通りに使用できる期間を示す耐用年数は10〜20年ほどです。

耐用年数を過ぎると、排水管の内部に汚れが堆積して排水能力が落ちるため、つまりが発生しやすくなります。

大雨などによって排水桝付近の排水管がつまる

排水管と排水管を接続する役割を持つ設備である、「排水桝」。

住宅からの汚水や雨水を排出する排水管と、それらを下水へと排出する排水管をつなぐ設備で、排水に含まれているゴミや油分を取り除くという役割も持っています。

重要な役割を持っている排水桝ですが、点検や清掃を怠ることで排水桝にゴミが堆積すると、水がうまく排出されなくなり、汚水が逆流してつまりが発生するようになります。

また、排水桝は大雨の影響を受けることもあります。

大雨によって排水の量が排水桝の排水能力を超えてしまうと、排水枡からの逆流が起こり、排水管がつまって適切に排水されなくなります。

トイレの排水管でつまりが発生したときの対処法

実際にトイレの排水管でつまりが発生した場合、以下のような方法で対処可能です。

  • 便器にお湯を流し入れる
  • 重曹とクエン酸を使う
  • ラバーカップを使う
  • 真空式パイプクリーナーを使う
  • ペットボトルやサランラップなどをラバーカップの代わりに使う
  • 割り箸や手を使ってつまりの元を引っ張り出す
  • 洗剤を使って排水管の汚れを落とす
  • 排水桝をあけてゴミを取り除く

それぞれの対処法の概要や、どういったつまりに対して有効なのかを詳しく解説していきます。

便器にお湯を流し入れる

トイレットペーパーや排泄物は水に溶ける性質がありますが、その水に溶ける性質を利用してつまりを解消するのがお湯を使った対処法です。

この方法はトイレットペーパーや排泄物などの水に溶けるもの・水に流れるものによる排水管のつまりに有効で、お湯によって分解を促進し、つまりを解消していきます。

実際に作業をおこなうときの手順は以下のとおりです。

  1. 便器の水を汲み出す
  2. 40〜60度のお湯を流し入れる
  3. 1〜2時間放置して様子を見る
  4. 水を流してつまりが解消されたか確認する

この方法では、お湯を流し入れていくため、便器の中の水が多いと溢れてしまう可能性があります。

そのため、カップなどを使って便器の中の水をある程度汲み出しておくことが大切です。

水を汲み出したら、40〜60度のお湯をゆっくりと流し入れていきます。

お湯の温度が高すぎると便器が割れる可能性があるので、60度以上のお湯は使用しないようにしてください。

1〜2時間ほど様子を見たら、ゆっくりと水を流し入れてつまりが解消されたか確認しましょう。

つまりが解消されていない場合、便器の中の水位が増しますが、つまりが解消されている場合は水位は変化しないはずです。

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重曹とクエン酸を使う

掃除用のアイテムとして人気の重曹。

トイレの排水管のつまりは、その重曹とクエン酸で解消することもできます。

重曹とクエン酸を混ぜると炭酸によって泡が発生しますが、この泡がつまりの元の分解を促し、つまりを解消してくれます。

この対処法は、トイレットペーパーや排泄物など水に溶けるものに対して有効な方法です。

作業をおこなう際の手順は以下のとおりとなっています。

  1. 便器の水を汲み出す
  2. 重曹を入れる
  3. クエン酸を入れる
  4. お湯を流し入れる
  5. 1〜2時間ほど放置する
  6. つまりが解消されたかどうか確認する

まず、便器の中の水をある程度汲み出し、重曹を1カップほど便器の中に入れていきます。

次に、重曹の半分の量にあたる2分の1カップ程度のクエン酸を入れたら、40〜60度のお湯を流し入れていきます。

後は、1〜2時間ほど様子を見て、つまりが解消されたかどうか確認するだけです。

水を流し入れ、便器の中の水位が変化するかどうかを確認して判断しましょう。

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ラバーカップを使う

「すっぽん」の愛称でも知られているラバーカップでも、トイレの排水管のつまりは解消できます。

ラバーカップを使った方法は、つまりの元を引っ張り出すことでトイレのつまりを解消する方法で、トイレットペーパーや排泄物などによるつまりに効果を発揮します。

ラバーカップを使ってトイレの排水管のつまりを解消する際の手順は以下のとおりです。

  1. ラバーカップをトイレの排水溝に押し当てる
  2. 排水溝にしっかりと密着させた状態で押し込む
  3. 勢いよく引っ張る
  4. 2と3の動作を何度か繰り返す

まずは、ラバーカップの先端をトイレの水が流れていく部分である排水溝にしっかりと押し当てましょう。

便器内の水が少ないとつまりをうまく解消できないので、水が少ない場合は、ラバーカップの先端が隠れる程度まで水を加えるようにしてください。

後は、ラバーカップを押し込み、勢いよく引っ張るという工程を何度か繰り返すだけです。

この動作により、トイレの排水管につまっていたトイレットペーパーや排泄物が引っ張り出され、つまりが解消されます。

真空式パイプクリーナーを使う

ラバーカップよりも強力な力でつまりの元を引っ張り出してくれる、「真空式パイプクリーナー」。

真空式パイプクリーナーもラバーカップと同じようにつまりの原因を引っ張り出すことによってつまりを解消するアイテムで、水に流れるものによるつまりに効果を発揮します。

真空式パイプクリーナーを使った排水管のつまりの対処法は以下のとおりです。

  1. 真空式パイプクリーナーの先端をトイレの排水溝に押し当てる
  2. 先端を排水溝にしっかりと密着させた状態でハンドルを押し込む
  3. ハンドルを勢いよく引っ張る
  4. 2と3の動作を何度か繰り返す

基本的な流れはラバーカップを使った対処法と同じではありますが、真空式パイプクリーナーの引っ張り出す力はラバーカップの5〜6倍とされているため、ラバーカップで対処できないつまりでも解消できる可能性があります。

 

真空式パイプクリーナーの使い方

ペットボトルやサランラップなどをラバーカップの代わりに使う

ラバーカップや真空式パイプクリーナーは便利なアイテムですが、いざ排水管がつまったときに手元になく、用いることができないというケースも少なくありません。

そんなときに効果を効果を発揮するのが、ペットボトルやサランサップです。

ペットボトルやサランラップはラバーカップの代わりに使えるアイテムで、水に流せるものによるつまりを解消できます。

ペットボトルで排水管のつまりを解消する際の手順は以下のとおりです。

  1. ペットボトルの底の部分をカットして加工する
  2. ペットボトルの底の部分を便器の排水溝に押し当てる
  3. ペットボトルを押し込んで勢いよく引っ張る
  4. 3の工程を何度か繰り返す

使用するペットボトルは、底の部分をカットして、キャップを外しましょう。

後は、加工した底の部分を便器の排水溝に押し当て、押し引きする作業を何度か繰り返すだけです。

この作業によって排水管の中のものが引っ張り出され、つまりが解消されます。

サランラップを用いる場合は、以下の手順で対処します。

  1. トイレの蓋と便座をあげる
  2. サランラップで便器を覆う
  3. サランラップの中心部分を押して離す
  4. 3の工程を何度か繰り返す

この方法は隙間があると効果がなくなってしまうので、サランラップで便器を覆うときは隙間ができないようしっかりと覆うようにしてください。

便器を覆ったら、中央の部分を押す・離すという工程を何度か繰り返すことでつまりを解消していきます。

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割り箸や手を使ってつまりの元を引っ張り出す

固形物など水に溶けないものによる排水管のつまりには、割り箸や手を使う方法が効果的です。

割り箸を使ってつまりを解消する際の手順は以下のとおりです。

  1. ゴム手袋やビニール手袋で手を保護する
  2. 割り箸でつまりの元を引っ張り出す
  3. 水が流れるか確認する

便器の中は雑菌だらけなので、必ず手袋をして作業するようにしましょう。

手袋を装着したら、割り箸でつまりの元をつまんで引っ張り出していきます。

後は、水が流れるかどうか確認するだけです。

手を使って対処する場合は、以下の手順で対応します。

  1. ゴム手袋やビニール手袋で手を保護する
  2. 手でつまりの元を引っ張り出す
  3. 水が流れるか確認する

手を使って対処する場合も、必ずゴム手袋やビニール手袋で手を保護した上で作業するようにしてください。

これらの方法は、いずれもつまりの元が取り出せる位置にある場合にのみ効果を発揮する方法です。

つまりの元を視認できない場合はこの方法での対処を避け、業者に対応を依頼するようにしてください。

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洗剤を使って排水管の汚れを落とす

尿石によるトイレの排水管のつまりには、サンポールやデオライトなどの酸性の洗剤が効果的です。

酸性の洗剤で尿石による排水管のつまりを解消する際の手順は、以下のとおりです。

  1. 便器の中の水をできるだけ汲み出す
  2. 洗剤を流し入れる
  3. 15〜30分ほど放置する
  4. 水を流してつまりが解消されたか確認する

便器の中の水が多いと洗剤の効果が薄まってしまうので、作業する際は便器の中の水をなるべく汲み出しておくようにしましょう。

水を汲み出したら、記載されている使用方法に従い、容量を守って洗剤を流し入れていきます。

洗剤を流し入れたら、15〜30分ほど放置して様子を見ましょう。

後は、水を流してつまりが解消されたかどうか確認するだけです。

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排水桝をあけてゴミを取り除く

排水桝にゴミがたまるなどして汚水の逆流やつまりが発生している場合は、排水桝のゴミを取り除かなくてはいけません。

排水桝で作業する際の手順は以下のとおりです。

  1. 排水桝の蓋をあける
  2. 溜まっている水の表面の油を取り除く
  3. 底に溜まった汚れやゴミを取り除く
  4. ホースで排水管の内部を洗浄する

排水桝の中には水が溜まっていますが、まずはその表面にある油を取り除きましょう。

油を取り除いたら、底に溜まっている汚れやゴミを除去していきます。

最後に、ホースを使って両方の排水管の中を掃除したら完了です。

トイレの水を流して、つまりが解消されたか確認しましょう。

 

まとめ

トイレからの汚水を排出する排水管。

その排水管のつまりは、さまざまな要因によって引き起こされます。

アクセサリーや子どものおもちゃなどの固形物をトイレに落として引き起こされることもあれば、トイレットペーパーなどのトイレに流して処分できるものによって引き起こされることもあります。

また、尿石の堆積や排水管そのものの劣化によって引き起こされることもあるため注意しなくてはいけません。

これらによって排水管のつまりが発生した場合、適切な方法で対処することが重要になります。

トイレの排水管のつまりの中には、自力での対処が難しいケースもあるので、その場合はトイレの修理業者などプロに対応を依頼するようにしてください。